「政治と言うものは最大多数の繁栄を実現する為に行うものだとわしは信じている」
「多数の者達の為には少数の犠牲はやむを得ん」
CV:山内雅人
概要
地球連邦評議会の議長であり、メドール州副首相。57歳。地球連邦の最高意志決定機関である連邦評議会の議長は事実上の大統領職でもある為、彼は地球連邦の国家元首とも言える。
植民地惑星デロイアでの独立運動が勢いを増していたSC152年のある日、デロイアの首都カーディナルにおいて行われていた連邦議会に出席した際に、デロイア駐屯の地球連邦第8軍副司令官フォン・シュタイン大佐率いるクーデター部隊「デロイア独立正規軍」が乗り込んで議会を占拠、ドナンは他の議員達と共に拘束されてしまう。
事件を知ってわざわざデロイアに来たドナンの息子クリン・カシムを含む連邦軍の救出部隊の尽力で救出されるも、クリン達救出部隊が見たものはドナンと反乱の首謀者フォンが並んで椅子に座っている光景であった。
ドナンはこの反乱事件がデロイア独立に賛成した議員達がフォンをそそのかして起こしたものだと主張し、騙されていたと言う理由でフォンを免罪したばかりか、デロイアを彼が代表の自治州へと昇格させた。更にはクーデターに呼応した独立派ゲリラに対しての弾圧とゲリラ狩りを開始した。
実はそれらは全部ドナンが独立派を誘き寄せて殲滅しデロイア独立を潰す為に仕組んだ自作自演の茶番であり、フォンも初めから彼とグルであったのだ。だが結果的にそれはデロイア人を余計に怒らせて独立運動を激化させ、更に真相を知ったクリンの説得も上記の多数派的なセリフを口にして一蹴しつつ「何故独立しなければならない?」と返答し、それが原因で彼がゲリラ側に走っていく事となった為、寧ろ失敗したとも言える(事実クリンはダグラムを駆って連邦を幾度無く悩ませる強敵となり「獅子の子はやはり獅子」と言える)。それでも自分みたいに一途なクリンを心配しており、最終的には自身と袂を分かつことになった息子に対しても一定の理解を示し、「自分の信じた道を真っ直ぐに生きろ。ただし選んだ道に後悔はするな。」と薫陶を与えている。
人間の本性を見抜く目を持った視野の広い人物であり、クリンやレークの実直さを評価する一方で、部下ラコックの卑怯な所も見抜いている。また敵サイドの指導者であるサマリン博士にも敬意を抱いており、逮捕した彼と会見した際には手錠を外させるなど、対等な立場で話をしようという姿勢を見せた。
横暴同然なデロイア独立阻止と支配は100億の地球人達の為でもあった。地球は資源の枯渇と人口増加に伴う消費の拡大が深刻化しており、地球人はデロイアの農産物や鉱物に依存しなければ生きられない状況になっており、独立によってそれらをデロイア人に独占させないためにあえて高圧的な圧政を行っていた。
彼にとってデロイア独立は国家間の対立を乗り越えて樹立した地球連邦に対する逆行でもあり、例えサマリン博士が望むように地球と平等な立場になっても不幸な結果になりかねないと見なしている。というのも、当時デロイア周辺にある惑星の中に開拓可能な星が3つあり、地球からは直接開拓はできないがデロイアを足掛かりにすることで、5年後には入植を開始できるという段階まで来ていた(デロイア側にもそれができるほどの技術力・資本力などが整いつつあった)。ドナンが特に危惧していたのは、現段階で独立を承認した場合これら3惑星とデロイアとで勢力圏ができ、地球との立場が逆転、最悪星間断交をされることであった。
本人曰く自分は「人の親であると同時に地球人の親でもあり、親が子供の幸せを願うのは当然」との事。
しかし以前から重い病(病名は不明)に侵されており、戦乱の中、それは次第に悪化していきドガ市が陥落した後に倒れてしまう。デロイアへの圧政も生きている内に地球の事を固めておこうとしていた焦りでもあった。そして北極ポートの戦いの中で息子クリンに上記の信じる道をまっしぐらに生きろと言う遺言を残し、遂にこの世を去って行った。
関係者
妻:フィナ・カシム(後妻)
長男:ラビン・カシム(前妻との子)
長女:サラ・カシム・ボイド(前妻との子)
次男:ロイル・カシム(前妻との子)
三男:クリン・カシム(後妻との子供)
長女の夫:レーク・ボイド
執事:ワトキンス
補佐官:ヘルムート・J・ラコック
部下:フォン・シュタイン
関連タグ
シャルル・ジ・ブリタニア、パトリック・ザラ:後の時代のサンライズ制ロボットアニメにて息子と敵対する権力者の父親繋がりにして敵勢力のトップ繋がり。