CV:池田勝
概要
『太陽の牙ダグラム』の主人公であるクリン・カシムの異母姉であるサラ・カシム・ボイドの夫で、クリンにとっては義兄にあたる人物。
人物
学生時代はラグビー選手であり、後にドナン・カシムの長女サラと結婚した。まだ幼い2児がいる。
政治的な思惑や私欲で行動する登場人物が多い中では珍しく誠実かつ善良な人物。義弟にあたるクリンには厳しくも親身に接していた。
軍の指揮官として優秀なだけでなく、誠実な行政官としても手腕を発揮していく。
作中でも屈指の人格者である反面、その実直さと誠実さが故に清濁を併せた政治的な駆け引きを苦手としており、その面だけで言えばゲリラ側にいいように利用されてしまったともいえ、更に本来味方であるはずのラコックの策謀や政治情勢にも翻弄されていき挫折を味わう事になる。
サマリンは「独立運動を止めるという点で言うならば、来るのが遅すぎた人物」と語り、レーク個人はデロイア人の事を真剣に考える有能な人物であると評価している(ラコックからも「あなたは優しすぎる」と指摘された)。
当初はドナン派としてラコックと同調していたが方針の違いからラコックとは次第に険悪になっていった。そして最後にはラコックを殴りドナンの病室から追い出している。
劇中の行動
物語では序盤から地球連邦軍の大尉として登場、フォン・シュタイン大佐が起こしたクーデター事件では特別救出部隊を指揮した。後に少佐に昇進してパルミナ大陸の連邦軍行政官に赴任する。
赴任したバルミナ大陸のドガ市では、勢いに乗る独立派ゲリラのドガ市攻略作戦に会う。しかし陸路の増援はダグラムに阻まれると見抜き、あえてブロックヘッドを基地と市街地とが近距離でありながら空輸させることで逆転に成功、ゲリラ側を敗走に追い込んだ。
その後はデロイアと地球の相互対立が深まる中、住民や兵士の待遇改善、中立地帯となる野戦病院の設立、住民や独立派ゲリラとの対話を模索するなど善政を敷く。
この間、敵対するサマリン達ゲリラ側に対しても「最後まで(対話での解決を)諦めない」と語り、自らサマリンの前に出向いて説得を行った。しかしサマリンからは「どれだけあなたが対話を求め、場を設けたとしても、今の状態では所詮地球からの押し付けになるだけだ。あなたのような人が地球政府にも大勢いればこんな悲惨な戦いは起こさずに済むと思っているが、今は多数の地球人の中であなた一人だ」と、その誠実さと平和路線を諦めない姿勢は評価しつつも、一地域の行政官の声だけでは現状は変えられないと、個人の力の限界を指摘された。この説得の場面でクリンとも再会し、「自分の信じた道を行け。ただし後で後悔するな」と父ドナンからの薫陶を伝え、独立運動に殉じる覚悟を決めたクリンを見送った。
こうした努力により住民や軍からの支持を高めていくも、地球と独立派の意見の違いや方針変更、さらにはラコックの策謀に妨害されまくった挙句、ウルナ基地でのデロイア人兵士による反乱の説得に失敗。この時に反乱兵のリーダーであるザナ中尉から「我々は地球人ではなく、デロイア人なのです。」という言葉を告げられ、自分がどんなにデロイアの事を慮っていても、地球人である自分が支配する側にいる限りデロイア人は心を開いてはくれない、という事を痛感し、強い挫折感を味わうことになる。
そして反乱事件の解決の責任を取る形で行政官を辞して除隊する(ドナンからは「元々軍人には向かなかったのかもしれない」と言われた。人柄の良さが逆に軍人としては甘い、と評価されたのだろう)。
除隊後はデロイアの首都カーディナルにいたが、病に倒れたドナンを執事のワトキンスと共に看病した。