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デロイア

でろいあ

デロイアとは「太陽の牙ダグラム」に登場する架空の惑星。同作の舞台でもある。また同惑星で起こった独立戦争についても記述する。
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概要編集

地球から224光年離れたスタフェラス二重太陽系にある第5惑星。

SC23年にワームホールを通過する航法によって地球から約75時間(3日位)と言う短時間で移動できるようになり、地球連邦の植民地として開拓が行われた。

使われている主要通貨は「デロイアドル」と言う。3つの大陸で構成されている。首都はカーディナル。

ただ、地球と環境が極めて似ていたこの惑星は大掛かりなテラフォーミングは必要無かったが荒野砂漠が多いかなり暑い気候の惑星で、しかも二重太陽系下の為、二つの太陽が並ぶ場合と重なる場合があり、極端に暑い夏と極端に寒い冬が交互に訪れ、農作物の収穫も長らく覚つかないまま人々の生活を苦しめていたと言う。しかし移民者たちの長年の努力により地球と同じような経済活動が出来るレベルの社会が構築された。

また時折現れるXネブラと呼ばれる未観測要素の多い帯電性ガス星雲の影響でコンピューターの性能が大幅に低下するばかりか、二重太陽により惑星の電離層が乱れているため交信電波の届く距離も限られてしまう。その為、長距離通信には伝書鳩が使われ、戦闘はスタンドオフ兵器を使用しない有視界の接近戦が基本となっている。

このXネブラは市民生活にも悪影響を及ぼしており、高度な電子機器の類いが使えなくなってしまうため、デロイアの科学水準は20世紀後半程度の低レベルを余儀なくされている。この技術格差は深刻であり、例えばワイン一つとってもデロイア産のものは地球産のものに及ばないほどである。

この星には薄い輪があり、輪の周辺は放射能が強く、人間は宇宙服でも生きられないほど。バン・アレン帯は二重太陽の強い放射線と荷電粒子から惑星を守るためかなり強力で、これを避けるために宇宙港が極点近くに作られている。


デロイアに移民した人々の子供や孫などの子孫はデロイア人と呼ばれている。地球人たちの中にはデロイア人を遅れた下等市民として差別する者も多い。

またカーレースが国民行事となっていたり、ヒスパニック系の名前の人がいたり、山岳ゲリラが多数存在したりと社会様式と生活様式はかつての中南米ラテンアメリカ諸国に似ている。


移民から130年が経ってもまともに自治権を与えられず地球連邦に政治や経済の主導権を握られて資源を搾取される現状や地球人からの差別に対して不満を抱くデロイア人達により独立運動が繰り広げられている。しかし、科学力では地球よりも格段に遅れているので、独立したとしても地球との縁を絶ちきる星間断行は無理であった。ために、デロイア側の独立の条件とは、地球と対等の立場で付き合える自律国家の樹立に他ならない。

一方の地球連邦側としても独立をそう簡単に容認するわけにはいかなかった。と言うのも地球では資源が枯渇しており、デロイアから産出される多くの鉱物資源や食料などに依存せねばならないほど地球人の生活や地球の経済は成り立たない状況となっている為、それが断行によって破綻しかねないので独立に反対する意見が多いのだ。デロイアの独立は国家間の対立を克服した地球連邦を分裂させるような行動とも言える。しかし、連邦評議会内部では少数ながらも利権の為に独立もやむなしと言う声も出ており、デロイア独立グループに武器を横流ししている地球企業も存在するなど、地球連邦も一枚岩では無かった。

また地球連邦が独立させたくない理由はもう一つあった。実はデロイア周辺には他にも移住可能な惑星が3つほど存在しており、その一つのミラネード星はすぐにでも開拓・移住可能であり、そこへの中継点としてデロイアは必要であったのだ。もしデロイアが独立し、これらの惑星を開拓し得たならば、もはや地球をも超える勢力圏を形成してしまえることになる。そうなればデロイアの資源搾取に頼り切っている地球の立場はよりいっそう悪くなり、もし星間断行されようものならあっという間に地球人の社会は干上がってしまうことになるのだ。

ちなみにデロイアの企業は資本力が無い為に地球資本の企業に潰されているらしく、貧しい家も多い為に地球へ出稼ぎに行く者も少なくなかった。これもデロイア人に余計な資本力を持たせず、地球人による搾取体制を維持しようとする地球側の搦め手ともとれる。


デロイアに駐屯している地球連邦軍は各州混成による第8軍であり、士官や兵士の多くは現地雇用した無職のデロイア人(中には地球暮らしが長い者もいるが)であり、軍内部でも彼らを差別する悪癖を抱えていた。


ちなみに『Get truth 太陽の牙ダグラム』によるとデロイアの開拓はかつてのカシム家が携わっていたと言う設定となっている。


地名編集

メインランド大陸編集

カーディナルなどがある大陸

  • カーディナル

デロイアの首都。

州立化した際に市内に潜んでいた独立派の多くがゲリラ狩りで潰されていき、フォンが実権を握って以降は治安が回復しつつあったが、デロイア人民政府の樹立以後は急激に治安が悪化していった。新市街と旧市街が存在し、ロッキーやキャナリーはこの旧市街の出身。

  • サンドレア空港

北極とカーディナルの中間点にある空港。鉄道がある。

  • ボナール

工業都市。カーレースで有名。ダグラムはここで量産される予定だったが市長が変わったせいでそれは不可能になってしまった。

  • ダムシティ

独立派ゲリラの数少ない勢力圏。戦略的にも重要な所。

  • ダンクーガー基地

ダムシティ近くの連邦軍基地。補給物資が不足しているらしい。

  • 赤い谷

ダムシティへ繋がるルート。クリン達太陽の牙はダンクーガー基地へ向かう補給物資積載の列車を襲撃した。

  • バラフ軍刑務所

サマリン博士を含む独立派ゲリラが多数投獄されていた堅牢な刑務所。

  • デボヤ海

デロイアの海でメインランドとパルミナの間にある。開拓初期にここを渡って大陸に上陸した開拓者達の事を謳い上げたデボヤ海記と言う叙事録が存在する(30話~35話の次回予告で時折出てくるあれである)。


パルミナ大陸編集

独立の機運が強い大陸。物語中盤以降、主人公たちゲリラ側の主要人物が多く活動した場所。

  • アンディ鉱山

パルミナにある地球資本の企業が経営する鉱山だが、ドナン・カシムの政敵である反メドール州陣営であるコホード州・ミンガス州・ローディア州の三州が共同支配している。このため政治的空白地帯となっているので、一時的だがゲリラ側の拠点となっていた。

  • ウルナ基地

パルミナ某所にある連邦軍の補給基地。勤めている兵士の7割以上がデロイア人でその殆どが下士官。デロイア人兵士への差別的な待遇が常態化していた第8軍の中で、最初に反旗を翻した。

  • スタンレー高原

下記のドガ市近郊にある森林地帯を持つ高原。連邦軍と独立派ゲリラによる、両軍合わせて百数十機のコンバットアーマーが戦った激戦地。

  • ドガ市

パルミナ大陸最大の都市。行政官となったレーク・ボイドの指揮でゲリラ側の大攻勢を一度は退ける。しかし行政官交代による指揮系統の混乱と、多数のデロイア人将兵が合流したゲリラ側の2度目の攻撃には耐えられずに陥落、デロイア人民解放政府の首都となった。

北部エリア編集

  • カルナック山脈

パルミナ大陸の北端に位置する山脈で、北極ポートへは約4日の距離。デロイヤ独立戦争終盤における解放軍と第8軍の最後の激戦地となった。

  • 北極ポート

地球と行き来する玄関口とも言うべき宇宙港で、地球側にとっての最重要拠点。防衛はメドール州の第6軍が担っている。デロイア独立派グループにとっても、ここさえ抑えれば地球からの援軍を断つことが出来るため、独立運動の最終目標地点である。


デロイア独立戦争編集

デロイア事変編集

デロイア独立運動が激しさを増すSC152年10月1日、地球連邦軍第8軍の副司令フォン・シュタイン大佐が第8軍司令官ダンロック中将を射殺すると言うクーデターを起こし、その後、デロイア独立正規軍と言う部隊を率いて首都カーディナルで開催されていた連邦評議会を占拠、評議会議長ドナン・カシムを始めとする議員たちを人質に取った上に独立宣言を行った。

これこそがデロイア独立を巡る540日に渡る動乱の始まりであった。

直ちにドナンの娘婿のレーク・ボイド大尉を中心に救出部隊が編成され、ドナンの息子であるクリン・カシムも加わってクーデターの鎮圧と人質救出を行った。また反乱が起こる3か月前にXネブラがデロイアに到来していたので奇襲を受けたりして連邦軍も悪戦苦闘した。

だが作戦が行われた10月6日、クリンやレークら救出部隊が見たものはドナンとフォンが並んで座っている姿だった。

ドナンはクーデター騒ぎは全てデロイア独立に賛成した数名の議員たちが利権目当てで仕組んだものであったと主張してフォンは騙されていたとして免罪、議員たちは逮捕された。

そしてその日をもって植民惑星であるデロイアを地球連邦政府に属する8番目の自治州に昇格させ、フォンをその代表に任命した。

よってこの事件での地球側の報復は無く、扇動した議員たちは極刑に処さず、即時解散となった独立正規軍には一切報復しなかった。


デロイア州樹立とゲリラ狩り編集

州立化と言う形でデロイアの自治権は確立したが実質的な独立では無く、地球連邦の傀儡政権に過ぎず、ドナンはフォンに州立化に対して猛反発し独立を唱え続ける独立派ゲリラに対してのゲリラ狩りと武力弾圧を命じた。そしてカーディナルの街中に潜伏しているゲリラたちが次々に連邦軍に殺戮、もしくは逮捕されていき、しかもゲリラの情報を提供した市民には賞金を払うと言う策も行われた。

実はフォンの反乱から始まったこれらは全てドナンがデロイアの資源を必要とする地球人の為にデロイア独立阻止と連邦内部の独立賛成派やまだ組織が固まっていない段階の独立派ゲリラのあぶり出しを目的にフォンを操って引き起こした陰謀であった。ただし一応、州立化によりフォンは地球の利権を守りつつデロイア人への利益も増大する予定でもあった。

だがこの独立潰し作戦は結果的にデロイア人を余計に怒らせてしまい、独立運動が激化する原因になってしまう。


ダグラム起動編集

連邦軍による横暴な虐殺やゲリラ狩りを目の当たりにして連邦のやり方に疑念を抱くクリンはデロイア事変の時に従軍していた記者のディック・ラルターフと彼と接触していたデロイア独立派の指導者である元歴史学者のデビット・サマリン博士と出会い、彼らから事件の真相が父ドナンの仕組んだ自作自演だった事を知ってデロイア人を苦しめるやり方に反感を抱き、ドナンを説得しようとするが当のドナンは「最大多数の繁栄を実現する為には多少の犠牲はやむを得ない」、「何故デロイア人はデロイアの独立を願う?」と反論して自分が敷く悪政を正当化するのであった。しかもクリンがつけられたせいでサマリン博士は連邦軍に捕まり、更には独立派が秘密裏に建造していた新型コンバットアーマーダグラムまでもが奪取されてしまう。責任を感じたクリンは単身、連邦軍基地へ潜入し、ダグラムを奪回、そしてデロイアの人々のために地球時代のバイク仲間だったロッキー・アンドルらと共にデロイア独立運動に身を投じる。それは父や故郷である地球への反逆でもあった。

後に彼らはゲリラグループ「太陽の牙(またはデロイア7)」としてその名を轟かせるようになる。

傭兵部隊のガルシア隊やジャッキー・ザルツェフ少佐との戦い、仲間の死、J・ロック率いるデロイアの星と言った他のゲリラと共にバラフ軍刑務所に収監されたサマリン博士の救出などを経て、太陽の牙は独立派の拠点を確立すべく独立の機運が強いパルミナ大陸へと渡った。


パルミナの戦い編集

パルミナ大陸に渡った太陽の牙とサマリン。一方ドナンはレークをパルミナの行政官として派遣する。

レークはドガ市で蜂起したゲリラを鮮やかに制圧しつつ、ゲリラと連邦軍も区別無く負傷者の治療が出来る野戦病院を設立したり、デロイア人住民や兵士の待遇改善の具申などと言った善政と言うやり口でパルミナの平定に奔走する。当初それは敵味方双方から非難されるが徐々に支持され始める。

一方、ドガ市攻略に失敗したサマリンと太陽の牙はゲリラの組織化を目論み、地球に必要な資源を多く産出する鉱山で連邦内の権力争いの真空の三角地帯と言われるアンディ鉱山に潜入、そして連邦軍が手出しできない為、一時的に匿われる事となった。

だがダグラムに仲間を倒されたハンク軍曹とアーロン伍長が軍の命令を無視して単独でダグラムを襲ったが失敗した。


解放軍結成編集

数々の失敗とゲリラとの接触で失脚していたザルツェフがゲリラに参加し始める。

そしてデロイア人民解放軍が結成された。太陽の牙も解放軍遊撃隊として活動する事となる。

そして連邦軍はアンディ鉱山への攻撃開始を決定するが解放軍は避難する民間人に紛れてアンディ市から脱出した。


ウルナ基地反乱編集

パルミナの連邦軍ウルナ補給基地の司令官ブラドー少佐による裁判無しのデロイア人ゲリラ処刑と言う非道な行動に反発したガボール・ザナ中尉が抹殺されそうになった。しかしアンディ鉱山への攻撃が始まった頃にブラドーの横暴に怒ったデロイア人の連邦軍兵士がブラドーを殺害すると言うクーデター行為が発生する。

その後、この事を知った解放軍はラルターフらマスコミにこれを密告し、報道させる。その結果デロイア各基地で常日頃から差別に不満を抱いていた兵士たちにより同じような事件が続発し、600人に及ぶ反乱兵士達と多数のコンバットアーマーが解放軍の仲間となった事で戦力が強化された。

そしてザナたちの説得に赴くも失敗したレークは連邦軍を辞職してしまう。


24部隊の出現とウェーブ台地攻略戦編集

フォンは辞職したレークの後任として優秀と言われるフリッツ・マノン中佐をパルミナの行政官に任命した。マノン中佐は解放軍を一気に叩き潰すべく選りすぐりのパイロットで構成された精鋭部隊24部隊をパルミナへ向かわせた。

就任後に起きたウェーブ台地での戦いで強固な砲兵陣地と24部隊により解放軍は苦戦を強いられ、ダグラムも破損するがどうにか台地の奪取に成功する。


スタンレー高原の戦い編集

SC153年11月6日、ドガ市に向けて進軍する解放軍に対してマノン率いる連邦軍は24部隊を含む大部隊を展開する。しかし解放軍の罠や援軍、そして修理が完了したダグラムの活躍で24部隊が全滅、連邦軍は総崩れとなりマノンも戦死した。


人民政府の樹立編集

SC153年11月7日に解放軍はドガ市の占領に成功、そこで代表であるサマリンデロイア人民解放政府の樹立を宣言した。それに対して連邦軍はドガ市奪還作戦を行ったが解放軍に撃退されてしまう。

その頃、デロイア弾圧の元凶であるドナン議長が病に倒れ、そして彼の秘書で野心家であったヘルムート・J・ラコックはそれを機にドナンを見限り、連邦政府のデロイア駐在弁務官と言うデロイアにおける地球連邦最高の地位につき、自らの手によるデロイア支配を画策する。


北極ポートへの進軍編集

デロイア解放軍はデロイアの玄関口とも言える北極の宇宙ポートへ進軍を始める。途中のカルナック山脈で連邦軍のゲリラ戦による足止めに合い、さらに解放軍内でサマリンを始めとする武闘派とヘシ・カルメルを始めとする穏健派が対立を始めると言うアクシデントが発生、更に連邦軍でもラコックの悪辣さに耐えかねたフォンが解放軍との会談に向かおうとした矢先にラコックに殺害されてしまい、表向きは事故死と処理された。

そして解放軍が北極ポートを目前にした所でラコックにそそのかされたカルメルが反旗を翻しサマリンを拘束、解放軍は戦闘停止を余儀なくされる。容態が悪化したドナンはその最中にこの世を去った。


偽りの独立編集

カルメルがデロイア政府の代表となったもののラコックとの交渉では地球主導での独立を認めさせられる事となり解放軍は解散、治安軍へと再編された。

軟禁されていたサマリンは終戦パレードと独立記念パーティーの後に納得がいかない太陽の牙とJ・ロック隊の手で救出されるが包囲してきた治安軍の流れ弾で重傷を負い死亡してしまった。


デロイア独立編集

ラコックの卑劣さに追い詰められたカルメルはデロイアの主権を守るべく治安軍を派遣し、ラコックの命で出撃した連邦軍との対決を決断、そしてラコックはカルメル達政府を丸め込もうと向かうが自らが今まで利用し続けた情報屋コール・デスタンを罵倒した為に彼に射殺されてしまう。これが結果的に地球側は政治的対応がマヒ状態に陥り、デロイアの独立へと繋がった。

武装解除したクリン達太陽の牙はダグラムの引き渡しを拒否し、自らの手によって砂漠で爆破した。

その後のSC154年、地球とデロイアの間で相互不可侵条約が締結された。


独立惑星国家となったデロイアのその後はどうなっているのかは語られていない・・・


関連タグ編集

太陽の牙ダグラム

ダグラム

地球連邦軍(太陽の牙ダグラム)

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