CV:屋良有作
人物と作中の経緯
当初は地球の植民惑星であるデロイアで軍人として独立派ゲリラと戦っていた。デロイアを統治するデロイア州政府の代表で上官であるフォン・シュタイン大佐からは「もっとも頼りになる男」と評されており、フォン・シュタイン直々にダグラム追討任務を与えられた。
軍人としての自分に誇りを持っており、作戦立案や指揮能力が高い。その一方でプライドが高く、直属の部下以外の味方から反感を買う言動が目立っていた。やがてダグラム追討任務に就いてからは味方に足を引っ張られての作戦失敗が相次いでしまう。その上、尊敬する上官であるフォン・シュタインが政治的な配慮を優先する姿勢を見せていったことから対立、謹慎処分となる。
謹慎処分の期間中、J・ロックの部下が連邦軍の兵士に偽装してザルツェフに接触、ゲリラ側への協力を何度か要請するがザルツェフはこれを拒否し続けた。しかしゲリラとの接触を軍に報告していなかったため、フォン・シュタインに知られた際に軍規違反で咎められ更に信用を失い少尉へ降格、軍刑務所送りとなってしまった。この移送途中に独立派ゲリラにより身柄を救出される。暫く態度は保留したもののゲリラ参加を承諾、以後はサマリンの参謀として現場の指揮を執る。デロイア独立派ゲリラ上層部からも全幅の信頼を置かれ、その能力を遺憾なく発揮した。
連邦軍では少尉にまで降格させられたものの、ゲリラ側では「少佐」と呼ばれていた。
北極ポート侵攻作戦の中止後の休戦時、政治的取引の一環として自ら連邦軍に逮捕される途を選び、禁固30年の判決を受ける。そして「今度は生きては出られまい」との覚悟を固めて収監されていった。
作中の作戦・戦術
- ダグラムより機体性能で劣るラウンドフェイサーの装甲の大半を外すことで運動性を向上させ、さらに3機による連携攻撃でダグラムを苦しめた。削った装甲は布で隠しただけだったが、事情を知らないゲリラは新型機と誤認し、精神的ダメージを受けている。
- バラフ軍刑務所に収監しているサマリン博士の救出を阻止すべく、ヘリで逃がそうとした。これは同時にサマリンを人質に取ることでゲリラ側を無力化し投降させる目的もあった。しかし軍刑務所側との軋轢から失敗。
- ターボザック装着でダグラムの跳躍力が低下することを見抜き、ブッシュマンを崖の上に配置して有利な位置から一方的に攻撃。
- ゲリラ側転向後、サマリン博士と共に「ゲリラ上層部が対立している」と連邦軍に誤認させるひと芝居をうってアンディ鉱山総攻撃の時間を稼ぎ、鉱山に封じ込められたゲリラ側の人員を無血脱出させた。
- 連邦軍第8軍内部でデロイア人差別が悪化し不満が鬱積する実態を知りウルナ基地の反乱に協力、独立派ゲリラ側の戦力の拡充に成功。
- スタンレー高原の戦いにて、コンバットアーマーの保有数の少なさを逆手にとり、森林地帯に罠を設置して集中的に攻撃をかける、左右に展開する連邦軍を少数で抑えつつ主力で敵の作戦司令部を集中攻撃する等の奇策で連邦軍の戦力を削りつつ時間を稼いだ。
- ドガ市海戦で、ドガ市への上陸を企図した連邦軍の艦隊に対してマベリックでダグラムを直接旗艦に空輸することで反撃。
- 北極ポート侵攻途上にあるカルナック山脈の戦い。難所であるV字谷に配された連邦軍の簡易型要塞を中心とする防御陣地に対して、空から攻略可能であることを看破しマベリックでダグラムとアイアンフットを空から送り込むことで突破に成功。
関連項目
フォン・シュタイン:連邦軍時代の上官。互いに信頼し合っていたが、「軍人魂と引き換えに背広が着たくなったか」と嘆くほど対立してしまった。
デビット・サマリン:転向したゲリラ側の上司。政治家と軍人という立場の違いはあったが、最後まで互いに信頼していた。
ガボール・ザナ:連邦軍第8軍の中尉。ウルナ基地でのデロイア兵反乱を指揮し、独立派へ転向後はザルツェフの副官として活躍する。
J・ロック:連邦軍時代はライバルだったが、ゲリラ側に転向してからは戦友となった。
パジャマソルティック:彼の発案によるラウンドフェイサーの現地改造機。1話限りとはいえ、インパクトは強かった。