概要
ロシアなどの東欧の多くの国で多数派を形成している民族である。
スラブ人の人種的形質や信仰する宗教などは多様であるため、一般的には「スラブ系の言語を話す人々」がスラブ人であると定義される。スラブ人はロシアをはじめとした東スラブ人、ポーランド、チェコ、スロバキアが属する西スラブ人、バルカン半島諸国に居住する南スラブ人の3つに大別される。
南スラブ人は、アルプスや地中海人種と交わった結果血統的にはディナール人種に属している。ステレオティピカルなスラブ人とは異なり濃色の髪と瞳を持つ傾向が強く、また、スラブ人は性別によって姓が若干変化する文化を持つが南スラブ人はそれを持たないなど他のスラブ人と乖離が甚だしい。
西スラブ人国家も、ドイツやリトアニアといった非スラブ人国家との歴史的関係が非常に深いカトリック教国である。加えて冷戦下においてソ連の抑圧に晒された経緯からロシアとは距離を置きたがる傾向が強い。
実際冷戦後ポーランドでもっとも盛んに学ばれている言語は英語、ドイツ語、フランス語、スペイン語と続き、ロシア語を学ぶ学生は全体の6%ほどに過ぎない。公共の案内板などで使われる主要言語も、ポーランド語、英語、そして歴史的経緯から一定数の話者がいるウクライナ語となっている。