秩父

ちちぶ

埼玉県西部の地方名。

曖昧さ回避

秩父とは、

埼玉県西部、荒川上流域の秩父盆地周辺を指す。

ちなみに埼玉県唯一の村である東秩父村は山地の外にあるため、秩父郡に属するが秩父地方とはみなされない。

周囲を関東山地(秩父山地)やその他丘陵の大小様々な山に囲まれており、山林も豊かである。

その一方で夏はかなり暑く、冬は降雪も多いほどかなり寒い。

秩父のうち秩父山地（他県との県境付近）にあたる山々を特に奥秩父と呼ぶ。有名な三峯神社は奥秩父に鎮座する。

また、厳密には秩父ではないが、秩父山地の東側にあたる地域（飯能市・ときがわ町など）を外秩父と呼ぶ。

実は超古代には海に面していたため、化石や貝塚などが発掘されている。その後縄文海進などによって陸地が拡大すると次第に土地が隆起し、現在の盆地が形成された。

こうして周辺地域から隔離されたような格好になったが、それでも現在の関東平野には人があまり住んでおらず、周辺地域の中では最も栄えていた土地であった。

このため、秩父には三峯神社を始めとした神話や伝承ゆかりの地がいくつも残っている。

ちなみに、ここ秩父で純度の高い銅が発掘されたことを記念して作られたのが、あの和同開珎である。

江戸時代には養蚕業が盛んになり、絹織物がブランド品として人気を集めた。明治期には厳しい経済危機に陥った農民達が蜂起し、秩父事件を起こした。

明治以降は武甲山周辺などで石灰岩の採石とセメント製造が盛んであり、概ね昭和後期以降は観光業にも力を入れている。

登山・ハイキング・キャンプなどのアウトドアや、三十四札所巡り、秩父夜祭など信仰の地としても知られる。

漫画やアニメなどの舞台として取り上げられる事が多く、またドラマや特撮(採石場)のロケ地としてもよく利用される。