概要
埼玉県:秩父神社のつなぎの龍
つなぎの龍―左甚五郎作―
秩父神社は、埼玉県秩父市番場町1-3にある神社で、創建は、崇神天皇(すじんてんのう)の時代とされている。1569年(永禄12年)に武田信玄の手により焼失した後、1592(天正20年)に徳川家康により再建されたものだといわれている。
現在の建物は、1970年(昭和45年)に解体復元されたもの。
その昔、秩父札所十五番小林寺近くに「天ヶ池」という池があった。その池に住みついた龍があばれた際には、必ずこの彫刻の下に水溜りができていたことから、この彫り物の龍が鎖でつなぎ止めたところ、その後、龍は現れなくなったという不思議な伝説が伝わっている。
ご本殿東側の鎖でつながれた青い龍の彫刻こそ、この伝説に語られた「つなぎの龍」の姿なのである。
昔から日本人は、家や地域の四方を青龍、朱雀、白虎、玄武という神使が守っていると信じられていた。この彫刻も、当社の東北(表鬼門)を守護する青龍の姿を、名工左甚五郎が社殿彫刻に施したものである。
秩父線の電車にも描かれている。