ここはどこだーーーっっっ!!!!!
概要
人物
一本気な性格の青年。乱馬とは犬猿の仲だがあくまで真っ向勝負を好む。
非常に単純で思い込みが激しいためよく乱馬にからかわれたり騙されている。
方向音痴キャラの元祖と目されている。本作におけるダイナミック迷子の常連。
その凄まじさは、「家の裏の空き地に行くのに数週間かかる」「家から出られない」「徒競走でスタート直後に逆方向に走り出す」あげくの果てに「池のまわりをたどっていけば間違いなく目的地にたどりつける、と、教えられたにもかかわらず、途中にあった小さな流れのほうに走っていった」など方向音痴どころか、まともに生活が送れないのではないかと危惧するレベル。
おまけに、このダイナミック迷子をネタにしたキャラソンも当然のごとく存在する。題して『いったいここは、何処なんだ!』。
両親もまた度を越した方向音痴で、買い物に出かけた母親が一週間前に作った昼食が干からびたままキッチンに取り残されているなど日常茶飯事で、良牙が「また道にまよったのか」とあきれるシーンがある。
バリバリの日本人だが服装は乱馬同様に中華風。乱馬を追って中国に行く前は普通の服を着ていたので、この服装は中国に渡った影響らしい。
ちなみに学生服まで中華風に改造している乱馬も、中国に行く前は普通だった。
本作の武闘家としては珍しい一般家庭育ち。シロクロという犬を飼っている。
乱馬に次ぐほどの戦闘力を持ち、主要キャラのなかで乱馬のライバルとされる九能帯刀、ムース、五寸釘光ら3人を瞬殺できるほどの強さを誇る。
特定の流派に属さない我流だが、コロンや名も知れぬ土木作業者など他流派の武術家や修行者から技を教わることで乱馬と伯仲する実力を養っている。
また、「弱い者いじめは大嫌い」な主義であり、乱馬が八宝斎から下着泥棒を邪魔された逆恨みで受けた貧力虚脱灸によって弱体化した際はライバルたちのなかで唯一乱馬の味方についており、弱体化した乱馬に対して大粒の涙をこぼしていた(尚、シャンプーは諸事情から一時的に中国へ里帰り中だった)。しかし、特訓中の事故であかねの上着が燃えてしまった時は、乱馬があかねに狼藉を働いたと誤解し、本気で激怒し殺そうと襲いかかった(この時ばかりは乱馬に全く落ち度はないので、あかねが珍しく弁明にまわっていた)。
実は、少し前までは乱馬に全く敵わず、毎日学校で敗北するくらいのレベルだった。
なぜか格闘新体操については知識があり、らんまに格闘新体操のルールを教えたのも良牙だった。
恋愛
モテないゆえか、かなりの初心で、乱馬を凌ぐほど優柔不断。
様々な事情からあかねに惹かれているものの、自身の優柔不断具合からそれを告白できずに苦悩する日々を送っている。そのあかねからは「大事な友だち」と思われており、そもそも異性(恋愛対象)として認識されていない。あかねとのそんな関係に不満はあるものの、その一方で友人としては確かな位置にいる事から、その関係を壊したくないとも考えており、自業自得で抱えたジレンマに懊悩する、というのが慣れてしまった日常のパターンとして組み込まれてしまっている。
のち互いの利害が一致した事から久遠寺右京と打算的なコンビを組むことが多くなった。破恋洞の生霊からは「早く別れろ」と言われて、あかねと乱馬以上に仲が良いカップルと判断されるなど、特別な進展はなかったが右京との相性は悪くない。しかし右京は自分が経営する「お好み焼き屋・うっちゃん」の仕事で忙しくなっていった上で、のちには渡世の義理から自ら抱え込んでしまった小夏の面倒を見る事に忙殺されるようになってしまい、原作が終盤に近付くにつれ、徐々に自然な形でからむ頻度が少なくなっていった。
原作では終盤に恋人として雲竜あかりが登場する。しかし彼女はアニメ終了後となる原作最終盤の登場であるために出番に恵まれず、そもそもの登場回数が少ない。最終回でも回想で1コマのみで、結果的に読者が馴染む前に漫画が終わってしまった。
そのため連載中期までしか本作を見ていなかったファンや、アニメ版の印象が強いファンには、公式で恋人とされるあかりよりも、つきあいの長かった右京とのカップリングを連想する者も少なくない。(しかし何度でも言うが、原作の最終描写において明確に示唆されているのは、あくまでも「良牙とあかり」「右京と小夏」のコンビである)
ただ、そうしたアニメ側のファンよりよく指摘される一番の問題点は、良牙本人があかり一筋に成りきれなかった点である。良牙は最後まであかねへの想いを一切捨てておらず、あかりと良牙の関係は最終回まで今一つ不明瞭のままであった。(言い換えれば「そのままでは確かに何もないかもしれないが、うまくきっかけを得れば何者にも希望的発展も見込める」レベル)
とはいえ自身のパスケースにあかねだけでなくあかりの写真も入れて大事にしている場面や、良牙自身があかりの事を「ガールフレンド」だと心中で独白するシーンもあり、良牙の心の中でのあかりの存在は、あかねに及ばぬまでも近い位置につけている事もまたうかがえる描写がある。
あげくの果て、あかりの登場で良牙の優柔不断は極まり、結果として宇宙一の煩悩を持つ最凶不運野郎や戦国時代の軟派坊主が常々のたまうタワゴトに匹敵する独白をしてしまう場面も往々にして見られ、こと恋愛方面においては双方にいい格好をしようともくろみ、最終的にはチョーシこいた宿敵と同レベルまで堕ちた。
結果、この御都合な思考を乱馬に見咎められて騙されるという羽目にも陥っているが、さすがにここまで来てしまうと自業自得すぎて同情の余地も無いかもしれない。
技
特定の流派には属していないが、役に立つと思ったものはなんでも取り込んでおり、修行や戦闘の中で学んだ武術を組み合わせた我流殺法を編み出している。
持ち前の怪力と打たれ強さも相俟って、スピードと手数を活かした戦い方がメインの乱馬とは対照的に、一撃に重きを置いたパワーファイトが多い。
主な技
爆砕点穴
中国3000年の歴史を誇る女傑族マル秘奥義。
あらゆる物の爆砕のツボを見抜く技。爆砕のツボを押された物は木端微塵に弾け散る。
実は土木作業用の技で生物には効かないと明かされたため、以降は石つぶてや障害物の破壊目的で使われている。また良牙は技の修行中に幾度となく岩に打たれたことで異常な打たれ強さを身に着けている。
獅子咆哮弾
気を利用した土木作業用技法。落ち込んで嫌な気分になり「気が重い」状態になることで、その「重い気」を気弾として放つ技。爆砕点穴と違い人間にも効く。
その完成系は、真上に特大の重い気を放って落とすことで周囲一帯を押し潰すというもの。この際技の中心にいる本人は放心状態になる(=「気が抜ける」)ことで気をすり抜けるが、一瞬でも気を取られると巻き添えをくうことになる。
初期の技
バンダナ手裏剣
額のバンダナをブーメランのように投げつける技。ナイフのような切れ味がある。
番傘
剣や槍のように薙ぎ払いや突きでの攻撃に使用する。あるいは開いて盾にする。腕力増強用のツールでもあるため、ものすごく重い。とはいえ、傘である以上、畳んだ状態では刃はついていないため剣や槍というよりも、むしろ杖術用の杖的な使用が多い。
ベルト
番傘同様、剣のように扱うが、ベルトに気を込めて鉄柱を断ち切るほどの威力がある。
長く束ねていたあかねの黒髪を両断したのも、宙を舞ったベルトの剣である。
握力
男子がひとりで持ち上げることもできないほど番傘やベルトは重くできており、それらを苦もなくあつかえる良牙の握力は人並み外れたものとされている。
余談
作者の高橋氏いわく、ギャグマンガの登場人物として面白い特徴づけが必要だが、乱馬のライバルとしてあまり男らしくないキャラにはしたくなかったため、方向音痴という欠点が考え出された。そこから大きなリュックを背負ったデザインなどが出来上がったという。