「私が支配する世界に、弱者は不要だ!」
演:佐野史郎
概要
古代のリュウソウ族の長老であり、優秀な科学者。ユノの父親でもある。
かつてドルイドン族より村を守る為、恐竜の力を用いた兵器を開発、実用化させたのだが、その過程で強大な力を生み手にした事で徐々に力へ溺れて行き、遂には自らが力を振るって世界の支配者になる野望に取り付かれてしまう。
そして6500万年前の隕石落下の直前、ドルイドン族が地球を捨て宇宙に逃亡、リュウソウ族の逃げ道が閉ざされた(※建造していた宇宙船をタンクジョウが全て壊してしまった)状況で野心が加速。強者のみが生きる世界を創るべく、選抜した2名を戦わせて勝ったリュウソウ族のみを地下シェルターに押し込め、災厄をやり過ごした後に自分が支配者となる世界を作り上げようと目論んでいた。
しかし、親の身を案ずるユノがそれを思い詰めたマイナス思念から始祖マイナソーを生み出し、彼女が遥か未来(現代)の地球へ飛ばされた事から、彼の野望に綻びが生じ始める。
以降は映画の重要なネタバレあり
騎士竜のプロトタイプであるディノミーゴ・コブラーゴの生みの親であり、リュウソウジャーの原型となる戦士・ガイソーグの装備の開発者にして最初の装着者。
他のリュウソウ族には無く、巨大魔強化したドルイドン族すら退けられるこの力を生み出し身に付けたヴァルマだったが、[[それ故に周りから孤立したとも推測出来る。それに加えて自分ごと地球が滅びるかもしれない極限状態の当時で、自らの心を保つ
為支配衝動に溺れた可能性がある。
また周りから孤立して支配衝動に溺れたという設定は仲代壬琴が該当するが彼の場合は手に入れた力を最初から自分本意に使っていた等の相違点がある。
だが、タイムスリップを起こしたユノが未来より連れて来たリュウソウジャー5人は、ユノの悲しみを汲み取り真っ向からヴァルマと対立。これに対し最初はガイソーグの力で返り討ちにするも、直撃すれば地球を完全に破壊しかねない超巨大隕石を壊そうとするリュウソウジャーと再戦。
待機状態のキシリュウジンを起動させて隕石破壊に向かった他のリュウソウジャーを尻目に、仲間を行かせるべく囮役を買って出たコウを、「力ある者が生き残り、支配し、未来を創る」という自らの価値観を並べ立てながら風や雷の力(リュウソウルのプロトタイプか)で圧倒する。
しかし、受け継いだ力を仲間と笑い合う為に使う決意をコウは叫び、潜在能力を全開にして反撃。メラメラソウルも用いた強竜装の猛攻を浴びせてガイソーグの鎧を破壊、勝利する。一方の巨大隕石も、リュウソウジャー4人の操るキシリュウジンの限界を超えた攻撃で砕かれ、地球の滅亡は回避された。
そしてその光景は、ヴァルマが力を求めた原点である『村=仲間のいる場所を守る』思いを体現する物だった。
これを見たヴァルマはかつての心を思い出したのか改心する。一人地上に残ったコウへ『隕石が落ちる衝撃で生まれる時空の歪みを潜れば元の時代へ帰れるかもしれない』とアドバイスを伝える。そしてそれを聞いたコウが笑顔で自分の元から去って行くのを、ユノと共に優しげな顔で見送るのだった。
その後、ヴァルマがどんな生涯を辿ったかは語られていない。
しかし、彼が生み出した力は後の世でリュウソウジャーを生み、現代に生きるコウ達に引き継がれている。
だが、破壊された筈のガイソーグの鎧は時を経てあるリュウソウ族の手に渡ることになる……
余談
演じる佐野氏は特撮愛好家として有名であり、近年では『平成ジェネレーションズ』のDr.パックマン/財前美智彦/ゲノムス等を演じている。
スーパー戦隊ではVSシリーズの『海賊戦隊ゴーカイジャーVS宇宙刑事ギャバン』に出演した経験があるが、単独シリーズへのゲスト出演は今回が初。
隕石衝突後の時代において、リュウソウ族は覇権争いを始めてしまい、残念ながらヴァルマが改心の果てに悟った平和への思いは、リュウソウ族に伝わらなかったようである。
名前の由来は恐らくヒンドゥー教の身分制度である「ヴァルナ」。ちなみにヴァルナは古代インドにおいて後からやって来たアーリア人が先住民と土地を支配するために創り上げた身分制度のことである。元々ドルイドン族が支配していた地球をリュウソウ族が”奪った”ことと、何か関係があるのだろうか・・・。
なお、TV本編にて追加されたガイソーグの設定が、劇場版でも生きている場合、ヴァルマの『力による支配』も、その影響があると思われる。
公式サイトではヴェルマと紹介されてしまっている。