保毛尾田保毛男
ほもおだほもお
「保毛尾田さんの所の保毛男さんは、ホモなんじゃないかな? なんて言われてるんですけども、それはあくまでも噂で…」
概要
『とんねるずのみなさんのおかげです』の人気コントキャラクターの一人。
お見合いコント『ノリ子婆ちゃんのお見合い日記』この作品の真面目純朴青年こと石橋貴明が
保毛尾田保毛男の前身にあたると思われる。
主役となった『保毛尾田家の人々』では保毛男の心情を更に掘り下げていった。
他にも『保毛太郎侍』や『HOMO MAN』等のスピンオフ作品もある。
これらは『保毛尾田家の人々』と保毛男の設定が異なる。
一時期はホモといえば彼の姿がイメージされるほどのインパクトを誇った。
登場人物
- 保毛男(演:石橋貴明)
39歳10月生まれ。豊玉南出張所区役所勤め戸籍課。
ナイーブな性格であり、マリモが好きで育てている。(マリモの名前は東名運輸とスタジオモア)
愛用の扇子は父から譲り受けた形見。
傷口の章では小学生時代に、友達の劇団ひまわりA、B、C、D、Eにスカートを馬鹿にされたことで深く傷ついた保毛男は閉じこもってしまうという過去が明かされた。
(その後、更に心を閉ざし野生化したりもした。)
- 今日子(演:岸田今日子)
市役所勤めの姉、保毛男と二人暮らしている。48歳。
内気でちょっとヘンな弟のことが気掛かり。
- 辰巳作三(演:木梨憲武)
今日子の婚約者であり市役所の課長。
- 保毛江(演:木梨憲武)
保毛男と今日子の母。
生まれたばかりの保毛男を玉の様な赤ん坊だと喜ぶと、「目の中に入れても痛くない」と言いだし本当に目の中に入れたが痛かったのですぐに出した。
- 保毛左衛エ門(演:石橋貴明)
保毛男と今日子の父、保毛男が幼い頃に病に倒れる。
死に際に長男としての男らしさを説くもマリモを必死に抱える保毛男を見た保毛左衛エ門は
「そうかそんなにマリモが好きなのか…なら保毛男は普通に生きなさい」と言い残し逝く。
父の「普通に生きろ」の言葉は家訓にもなっている。
後述のコント『黒魔庭侍が行く!』にて同名のキャラがいる。ただし設定は別キャラで借金取りという役割。
- 保毛エ門
保毛男と今日子の祖父、一代で保毛尾田財閥を築き上げた。政財界にも顔が広かったという。
- ノリフミ(演:木梨憲武)
日体大の家庭教師。
シリーズ作品
保毛太郎侍
正式名称は「痛快時代劇 保毛太郎侍」。
桃太郎侍を元ネタにしたコーナーだが、主題歌が遠山の金さん捕物帳、エンディングが伝七捕物帳、更には必殺シリーズ(後述の憲兵衛の立ち回りが同シリーズのパロディになっている)や、破れ傘刀舟悪人狩り(遺体を見たときの保毛太郎の発言が、同作の名セリフのオマージュだった)の要素まで入っているという有様だった。また、大河ドラマ「春日局」と放送時期が同じだったため、同作の主役でもあった大原麗子が「お局様(作中ではおふくと呼ばれていた)」という役でゲスト出演したこともあった。
- 保毛太郎侍(演:石橋貴明)
髭剃り跡も悩ましく、悪には強いが男には弱い。
姉さんは市役所に務めてるらしいが、最終回では小石川療養所で務めていた。
最終回で50人斬りを再度披露した際、最後の最後で刀が腹に刺さり、死亡した(テロップでは「間抜けな事故死」と表記されていた)。
- 憲兵衛(演:木梨憲武)
保毛太郎の弟分。
最終回では保毛太郎亡き後、馬にカウボーイハットという出で立ちで江戸を去るも、その矢先で落馬を起こし死んでしまった。
保毛太郎、憲兵衛が立ち寄るダンゴ屋の娘。
- 幸兵衛(演:荒井注)
ダンゴ屋の店主。
カメラ目線で「な~に見てんだよ」のギャグを言った。
立ち回りのくだり
- 憲兵衛が煙に見立てたバックライトから登場する。
- 憲兵衛が何らかの武器(?)で敵の下っ端たちを討ち取る(先述の通り、憲兵衛の立ち回りは必殺シリーズを意識した描写になっている)。
- 続いてその回のメインゲストがバックライトから登場し、憲兵衛と同様に敵の下っ端を退治する。
- ある程度の数の下っ端たちを切り捨て、黒幕が出てきた所で真打登場の意味合いで憲兵衛が薔薇の花を保毛太郎の方へ放り投げる。
- 保毛太郎が付けているお面に薔薇の花がピタリとくっつき、市女笠に使われるものとみられる布を被った保毛太郎が登場する(回によってはここで「千両役者」または「万両役者」のテロップが起き上がる形で表示される)。
- 保毛太郎が上述の布とお面を外して正体を現し、残る下っ端や子分たちを次々と切り捨てていく。
- さらに黒幕の側近や、回によっては黒幕とグルだった敵も切り捨てる。
- 最後に残った黒幕に対して、保毛太郎が最後通告をする。
- これに対し、黒幕が保毛太郎を罵倒するような発言で突っぱねる。この時黒幕は、保毛太郎の事を「おかま」呼ばわりすることが多い。
- オカマ呼ばわりされた保毛太郎が敵の発言を否定する(この時の保毛太郎の返答は「あちきの事をオカマ呼ばわりして生きている奴はいない」など)。
- すると保毛太郎は突然着物を脱ぎ捨て、真ん中に大きく「ホ」と書かれたピンクのふんどし一丁になり、すかさず背中にこちらも大きく薔薇の花と「LOVE&○○」が描かれた入れ墨をみせる(背中の入れ墨の文字は回によってさまざまであり、「LOVE&PEACE」「LOVE&ROCK'nROLL(原文ママ)」「LOVE&FINAL」などと書かれている)。
- 保毛太郎が黒幕をのこぎりで切り落とすかのように切りつけ、討ち取る。
- すべてが終わると、保毛太郎が何かしらの決めセリフを発して立ち回りが終了する(こちらも同じく、決め台詞は一定していない)。
HOMOMAN
バットマンのパロディ。保毛尾田扮するホモマンが、敵役のジョーカー(木梨)に対して「初めて?」と言いながら迫り、気持ち悪がられる。PV「BAT DANCE(バットダンス) by プリンス」のパロディ「HOMO DANCE(ホモダンス) by プリンス保毛尾田」の映像も行なわれた(「仮面ノリダー」より木梨猛も登場している)。
『BATMAN リターンズ』公開の際には、それを記念するかのようにパロディとして『HOMOMAN リターンズ』が製作された。敵役はペンギン(木梨)と、キャットウーマン(小野みゆき)であった。
翻訳は両作とも戸田奈津子(とだ・なつこ)のぎなた読みで戸棚津子(とだな・つこ)がクレジットされていた。
単発モノ
極道の妻たち 三代目姐と保毛
『極道の妻たち 三代目姐』のパロディコント。ゲストには三田佳子が出演。なお、『極妻』のパロディコントにはこの他に「極道の母たち」(伊東四朗、小松政夫が出演)や「仁義なき極道の妻たちの戦い」(工藤静香、薬師寺保栄が出演)も放送されている。
黒魔庭侍が行く!
巨人のウォーレン・クロマティ扮する黒魔庭侍が主役の時代劇で、シリーズでは珍しく保毛尾田が悪役のコーナー。借金取りの保毛左衛エ門に対し、クロマティ・フェスティバル&カーニバルでやっつけるものの、保毛左衛エ門は「来年は日本シリーズで西武を倒して日本一になって欲しい」という遺言をしぶとく残していた(巨人はこの翌年の日本シリーズで日本一となるのだが、その時の対戦相手は西武ではなく近鉄だった(理由は10.12を参照)。保毛左衛エ門の遺言通りに巨人が西武を倒して日本一となるのは6年後の1994年の日本シリーズまで待たねばならなかった)。
保毛尾田保毛男 その愛'95
主なゲストでは坂井真紀が出演していた。
この他にも、保毛尾田がゲスト出演していた単発コーナーも複数あるが、ここでは割愛する。
その他
・新巨人の星(元ネタになったアニメの同名の続編とは無関係)の第1話にて、鶴久政治演じる晩注太が、石橋演じる主人公の星火馬の女房役にしてほしいという頼みに対して、星は女房=同性愛と思ったのか、「そういうキャラクターは捨てました」と保毛尾田の口調で返答していた。
・2017年秋の30周年記念スペシャルに再登場したが、LGBT団体からの抗議を受け、フジテレビの宮内正喜社長が放送翌日に謝罪をするという異例の事態となった。また一部のスポンサーは降板を検討する事態となった。この騒動は賛否意見があり、ミッツ・マングローブをはじめ反論の声も上がっている。またネット上には「この出来事がアニメとお笑い番組(やそれぞれのファン)の社会的立ち位置が大きく逆転する決定打になった」という声もあった。