曖昧さ回避
- 主にドイツ語圏を走る自動車専用の高速道路。詳細は下記。
- 1.を題材にしたドイツのバンド、Kraftwerkによる楽曲またはアルバム。詳細は下記。
- 『トミカ絆合体アースグランナー』に登場するキャラクター。⇒ アウトバーン(アースグランナー)
自動車高速道路「アウトバーン」
アウトバーン(独:Autobahn)は、現在のドイツ・オーストリア・スイス国内を走る自動車専用高速道路。ドイツ語の"Auto"(自動車)と"Bahn"(道、軌道、専用道)を組み合わせた単語であり、鉄道のような交通インフラを想定して設計されたことが窺える。
ナチス政権下のドイツにおいて、ライヒスバンク総裁ヒャルマル・シャハトが発案し、世界恐慌による失業対策の公共事業として建設させた、世界初の本格的な自動車専用の高速道路として知られる。アドルフ・ヒトラーも着工時の鍬入れ式に出席する入れ込みようで、その成果はナチスのプロパガンダとして大いに活用されてた。そのプロパガンダは現在にも通じ、今でも「ナチス・ドイツ最大の功績」に数える人がいるほど。
ナチズム独特のテクノロジー崇拝に基づく、「庶民でも休日に車でピクニックに行ける社会」という理念のモータリゼーション政策のもと、無料を前提として設計され、料金徴収所などの設備や徴収システムも長らく整備されなかった。しかし周辺国の高速道路と接続していることで、他国利用者の利便をドイツ国民の税金で負担することへの不満も根強かったため、1995年より大型トラックは一律有料化。現在は7.5トン以上のトラックを対象に、GPSとETCを利用して支払う料金が課されるようになった。
また、アウトバーンに制限速度はないと言われる事もあるが、一応全面に渡って130km/hの推奨速度はあり、危険区域では制限速度も設けられている。現在では交通量の増加と速度無制限区域の減少から、以前のような200km/h超の速度を出すことは難しいようである。
Kraftwerk "Autobahn"
ドイツのバンドKraftwerk(クラフトワーク、クラフトヴェルク)が1974年にリリースした『アウトバーン』は、上記の高速道路をテーマとした楽曲またはアルバム。電子音楽を大衆化させたエポックメイキングな作品とされる。のちにKraftwerkは多くの曲をドイツ語版と英語版でリリースしているが、この曲はドイツ語のみでのリリースだった。
これ以前にポピュラーだった電子音楽には、バッハをモーグシンセで演奏したWendy Carlosの"Switched-On Bach" (1968年)、Hot Butterの"Popcorn" (1972年)、ディズニーランドのエレクトリカル・パレードの曲を作ったPerrey & Kingsleyの作品などがある。また、ヒップホップやテクノなどポップミュージック全体への影響は、後のアルバム"The Man-Machine"/"Die Mensch-Maschine"(邦題『人間解体』、1978年)の方が大きいと思われる。
しかし、本作の最大の意義は米ビルボード誌総合チャートで5位を取り、3分台に編集されたシングルも世界的なヒットを収めたことにある。
アルバムA面を占める20分強のタイトル曲は、アウトバーンでのドライブを自動車に乗り込む効果音からスタートする、戯画的に表現した内容。楽しく、軽妙に、明るく、白々しく、わざとらしく、幼稚園児でも分かるようなレベルで丁寧に描写されている。
なお、同曲は電子楽器による自動演奏が行われていると勘違いされることもあるが、実際には「打ち込みのように正確に演奏できるクラシックのパーカッション奏者」として雇われたメンバーが演奏している。YMOのメンバーは、この人力演奏による微妙なズレが味になっていると指摘していた。
関連動画
Autobahn (2009 Remaster) - Kraftwerk (公式)