CV:真殿光昭
注意
このキャラクターはアンチ・ヘイトが非常に多く、稀に編集合戦になってしまうおそれがあります。
感情的な意見は書き込まず、編集は中立性を持ってお願いします。
人物
「扇グループ」のリーダーで元教師。親友だった紅月カレンの兄・ナオトが生死不明になった後、意思を継ぎリーダーとして抵抗活動を行っていた。黒の騎士団結成後は副指令、超合集国建国後は事務総長となる。
優柔不断な面があり本人もリーダーに向いていないと感じていたが(実際、戦場での指揮能力はお世辞にも高くない)、中間管理職的な事務能力を持ち、温厚な性格から人望もあるため、ゼロやディートハルト・リートをはじめ一癖も二癖もある人物の集う黒の騎士団では緩衝材・取りまとめ役を果たすなど組織の中では重要な存在である。
…ピクチャードラマでは黒の騎士団女性陣から、「いい人だけどそれだけ…」という異性として身もふたもない評価を下されている。
本編での動き
当初はゼロ(ルルーシュ)に期待と信頼を寄せ、彼を疑問視する仲間達を制してゼロについていき、黒の騎士団は勢力を拡大していく。
しかし、日本解放戦線救助作戦以降、ゼロの行動や正体に疑問を持ち始めるようになり、ゼロの正体らしき事を口にした記憶喪失の敵軍人ヴィレッタを、匿って以後軟禁し「千草」と名づけ相思相愛となる。
行政特区日本設立の際には、彼女の意思に従い騎士団に特区への参加を促すようにまでになり、ブラックリベリオンにて記憶を取り戻したヴィレッタに撃たれ重傷を負ってもヴィレッタに対する思いは消えることはなく、それでもなおゼロのことを信頼していた。
ブラックリベリオンでの敗戦後ブリタニア軍に拘束されるが、1年後藤堂らと共に再結成された黒の騎士団に救出される。その後は主に戦艦・斑鳩でゼロの補佐をする事に。
しかし、ヴィレッタの口からゼロの正体やギアスに関する真実を聞かされ、(決定的な根拠がないのにも関わらず)ゼロに対する怒りと不信から越権行為を取り彼の排斥を決心。
ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア台頭後はこれを敵視し、騎士団と共に排斥しようとして戦う。
そしてゼロレクイエムを生き残り、後にヴィレッタと結婚し、日本の首相となった。
その他の登場
外伝作品「ナナリーinワンダーランド」
不思議の国に迷い込んだナナリーにヴィレッタ・ヌゥが結婚生活の愚痴を打ち明けている(一応夢の中の話のため、色々スタッフが暴走している)。
「私は…一緒になった男がな…そうじゃないかと薄々は思っていたんだが、案の定ヘタレだったんだ…別に…サザーランドのごとく、グイグイ引っ張っていて欲しい…とまでは思っていないの…」
「だがな…一日の会話を、『あー』と『うん』と『お前に任せる』、三つの声だけで賄われて続けてみろ…こんなやり場のない憤りと歯がゆさと虚脱感が、合わせ技で同時に襲ってくるぞ…」
外部出演
外部出演の一つである第2次スーパーロボット大戦Z再世篇では、ifルートのキーパーソンの一人。
原作通りに進めるとゼロレクイエムが発生するのだが、幾つかのフラグを立てた上で彼がゼロを信頼し続ける事を選択する事でシャーリーもユフィもロロも生存、ゼロ自身も死なずに済む。
ちなみに本作でゼロが降りた後の斑鳩の艦長を務めたのは彼。…本来の艦長である南が不憫である。
なお、続編の第3次スーパーロボット大戦Z時獄篇では原作ルートを通ったものの、ifルートのフラグを幾つかこなしてきた様子が窺える。…しかし原作ルートを通ったと言う事は、ゼロを裏切った事に…。
こちらでは中学校のスクールカウンセラーに就いており、カレンにシンジの面倒を見る様に言ったのは彼。後に「疾るワン・ナイト・スタンド」でA21の顛末を見届けたカレンから「扇さんは偉い、立派だ」と涙ながらに叫んでいる場面がケンスケに目撃されている。
余談
- タグ
苗字のみのタグやカップリングで描かれたイラストの方が本項目よりはるかに多い。
扇レクイエム
…本編の来歴を簡単にまとめると、それなりに綺麗に纏まっているように見えるが、
「敵方の美女を掻っ攫い、主人公を裏切り、無能と自覚しているにも拘らず国のトップに立つ」と言った展開の為、ファンからは総スカンされている節があり、「扇死ね」と忌み嫌われている。
この展開に関しては担当声優の真殿氏からも「フォローしきれない」と言われて、ヴィレッタを担当した渡辺明乃女史からもこの2人のカップリングには難色を示され、他の女性声優陣からも「(扇は)女を思い通りに出来ると思っている男の傲慢さを感じる」とコメントされているなど、かなりの嫌われようである。
当初は扇好きを公言していた監督も、ファンからの反感が大きくなるにつれてあまり扇に触れなくなっていった。
また、ルルーシュの追放とその後の扇(と黒の騎士団幹部)の行動や考え等は、眼も当てられないくらいに浅はかさや無様さを露呈している部分が多かった。
- 黒の騎士団の裏切りのきっかけ(に見える)
ルルーシュがギアスで人を操っているという事を、言葉巧みに誘導し黒の騎士団を疑心暗鬼に陥らせようとするシュナイゼル・エル・ブリタニア。ディートハルトはゼロを擁護して、藤堂鏡志朗等は(死の直前の朝比奈省悟のゼロの虐殺の報告を)思案していたが、よりにもよって敵国のスパイという立場のヴィレッタの言葉を、そのまま鵜呑みにしてしまった扇の一言で騎士団はゼロを裏切ることを決定した。その後はまんまとシュナイゼルの思惑通り陣頭に立ってゼロ排斥を推し進めた。
- ディートハルト・リートへの不当な暴力(メールマガジンより)
黒の騎士団幹部のディートハルトは、扇と密通しかけていたヴィレッタ・ヌゥを拘束し、扇が女にかまけて裏切ったりしないよう脅していた(彼の裏切りを防止し、職務を果たすようにしていただけなので不当というほどではない)。
また、ヴィレッタの立場ならば組織の理論としてディートハルトの行動は自然でもあるし、咲世子が暗殺を試みるのも組織やゼロを考えれば当然とも言える。
ましてや相手が敵国の爵位を持つ軍人、しかもエリア11時代は一時期実権を握った純血派のナンバー3で、現在は皇帝直属機関で一部隊の指揮官となれば尚の事である。
にも関わらずゼロの追放後(R2・20話)、後ろ盾を失ったディートハルトを、解放されたヴィレッタと共にリンチ。彼に傷をつけた。
- 黒の騎士団の傀儡化
後先考えずにトップを放逐した結果、黒の騎士団の実権を握った・トップになったという自覚はあまり無い。
それ故に、自らが積極的に騎士団のメンバーを引っ張るような事はほとんどせず、その方針の決定は外部から招いた司令官である星刻やシュナイゼルにまかせっきりな状態で事実上、組織をシュナイゼルの傀儡になり下げてしまう(目的の為に味方も平然と使い捨てにするシュナイゼルは、当然黒の騎士団も使い捨ての駒としか認識していなかった)。
この事で、結果的にディートハルト・リートは黒の騎士団を見限りシュナイゼル側についている。最終決戦での黒の騎士団の被った甚大な被害も、こういった扇の姿勢が大きな原因の一つだったと言わざるを得ない。
- ブリタニア皇帝への脅迫
次に、ブリタニアの皇帝となったルルーシュとの会談の際には、既に彼を敵以外の何者でもないと認識していた為か、いきなり相手を拘束(しくみのよく分からないギアスへの警戒もあったが)して法外な条件(殖民エリアの開放だけでなく、国土の分割まで要求している)を突きつけるという脅迫まがいな手段に出ており、かえってルルーシュに軍を進軍させる正当性を与えてしまっている。
最終的にルルーシュが独裁の道を選び、日本が戦場になった為、世間からの顰蹙は買わずに済んだようだが、普通に考えれば外交手段としてはありえないを通り越した非常識な判断であり、小説版では「恐ろしく外交マナーから外れた行為」と酷評されている。
- フジサンでの決戦
そして最終決戦では、ルルーシュ(ゼロ)の身近にいた者でありながら、その戦略等に関して全く見抜けない無様さ(完全に勝てるとタカを括っていた)を露呈し、その直後に富士山の噴火で乗っていた斑鳩を撃沈させてしまうという大失態を犯し、これによって黒の騎士団を事実上の壊滅状態に追い込んでしまっている。
以上のように、『凡庸な自分に苦悩する人の好いリーダー』という当初の印象を、物語後半(特に二期の中盤以降)の越権行為で大きく変えてしまった(ルルーシュの排除に協力したのは、殆どがブラックリベリオンに参加していた旧メンバーであった)。
更に、讒言に惑わされてルルーシュを裏切り、自身の組織である黒の騎士団に最終的に自身の裁量不足で大きな被害を出したにも関わらず、そのルルーシュが自分の名誉と命を引き換えにして築いた平和の中で首相という立場を手に入れて順風に人生を送っている点も、視聴者の印象を一層悪くした一因だと思われる(そもそも作中の描写を見ても、彼が政治家に向いているとは到底思えないのだが)。
しかも、そのシーンでは自らが裏切ったルルーシュの妹であるナナリーと、笑顔で握手を交わすという図々しさである。
その一方で、ゼロ=ルルーシュも黒の騎士団結成時からメンバーに対して秘密が多かったり、部下を駒扱いしたような発言、1期の終盤で戦場を放棄して失踪する、私怨による極秘任務(ギアス嚮団殲滅)、しまいにはナナリーがフレイヤの爆発に巻き込まれて死亡した(と思われた)際の錯乱した言動から大きく信頼を失墜してしまっていた。
故意でなかったとはいえ、ユーフェミアを操って日本人虐殺を実行させた事も紛れもない事実である。
シュナイゼルから(十分な証拠は全く無いが)今までの「奇跡」や虐殺の真実を知らされた後でも、彼らが『ギアスで人を操る』という疑惑のゼロをこれまで通りリーダーとして仰いでいけたかと思うとそれも難しい話である。
その為、扇たちの裏切り行為は黒の騎士団メンバーと信頼関係を築けなかったルルーシュの自業自得でもあるので、扇ばかり責めるのは酷と言えないこともない(逆にルルーシュばかり責めるのもまた酷だが)。
とはいえ、扇も上記の行動の根幹となった敵国のスパイであるヴィレッタとの関係を完全に棚上げにしている事についてはルルーシュだけでなく、カレンたち結成時のメンバーを始めとする黒の騎士団そのものに対する裏切り行為に等しい為、組織人としてはルルーシュより酷い(確かにルルーシュは非道の行いを働くこともあったが対局や騎士団メンバーの為というブリタニアと渡り合う為には、仕方ない側面も少なからずあり、しかも騎士団メンバーもそれをある程度飲み込んでゼロに付いてきたのに対して、扇の行為はただ自分とヴィレッタの保身という完全に私情でしかない)と言わざるを得ず、その事についてもルルーシュにもC.Cを通してバレている時点でルルーシュからの信頼を失うのも当然と言える。
この為、藤堂達はまだしも、扇だけはルルーシュの事を頭ごなしに責める資格はないと言わざるを得ず、どっちもどっちというのが妥当なのかもしれない。
こういう風になったのは、尺の都合やその尺の中で物語の着地点であるゼロレクイエムという展開(黒の騎士団の裏切りやルルーシュを憎み団結する人々)にもっていく必要があったからなのかもしれない(終盤のシュナイゼルの強引かつ性急な思想など、そういった所は随所に見られる)。
『騎士団の裏切り』という行為の原因が彼一人に集約されてしまっており、共に戦ってきた仲間であるゼロを売る事になった苦悩や後悔、ゼロレクイエム後から首相になるまでの過程についても、心情などほとんど劇中では省略され、行動や言動があまりにも短絡的に見えてしまった事が彼がディスられる要因であると思われる。
そのあまりの嫌われっぷりから、現実世界では扇にファンの憎しみが集まっている状態を、ゼロレクイエムをもじって『扇レクイエム』と呼ばれる事もある。
それもあってか、劇場版新3部作及び復活のルルーシュでは扇に関して大幅な改変(フォロー?)がなされているのだが、これはこれでファンからさらなる批判を集めてしまったりもしている。