概要
近江国・琵琶湖の東岸にあった藩。藩主は井伊家で、江戸幕府の大老を5人も輩出している。その先祖は遠江国にある井伊谷の領主で大河ドラマの井伊直虎で描かれた。彦根には直虎ゆかりの寺である龍潭寺と同名の寺がある。
居城の彦根城は天守が現存している。彦根城の近くには石田三成の居城だった佐和山城跡がある。
江戸幕府大老を出す家のために、他家からの養子を認められず、他藩では末期養子の禁に抵触して改易を食らう状況でも改易されることもなく、隠居した前藩主が再封されるという特別扱いを経験している。
藩主の井伊直孝が世田谷にある豪徳寺で雨宿りをしていたところ、一匹の猫が手招きをしていた。その猫のほうに行ったら落雷(あるいは豪雨)を逃れたという話がある。この話がもととなって招き猫が生まれたと言われている。どこまでが真実なのかはわからない。
獣の肉を食べることがタブーとされていた江戸時代において、彦根藩では牛の屠殺が許可されていて牛肉が食べられていた。牛肉の味噌漬けは江戸でも他の大名などに振舞われていた。しかし井伊直弼は牛肉を食べることを禁止してしまった。そして牛肉を食べられなくなった徳川斉昭の怒りを買い、桜田門外の変が起きたという話がある。斉昭が怒ったところまでは真実の可能性があるが、それを桜田門外の変と結び付けるのは無理がある。万が一関係あったとしても「たくさんある理由のうちのひとつ」ぐらいだろう。
歴代藩主
- 井伊直政
- 井伊直孝:直政の次男
- 井伊直澄:直孝の五男
- 井伊直興:直孝の四男・直縄の長男
- 井伊直通:直興の八男
- 井伊直恒:直興の十男
- 井伊直該(直興と同一人物。再封)
- 井伊直惟:直興の十三男
- 井伊直定:直興の十四男
- 井伊直禔:直惟の長男
- 井伊直定(再封)
- 井伊直幸:直惟の次男
- 井伊直中:直幸の六男
- 井伊直亮:直中の四男
- 井伊直弼:直中の十四男
- 井伊直憲 :直弼の次男