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うちの師匠はしっぽがないの編集履歴

2022-01-09 20:38:03 バージョン

うちの師匠はしっぽがない

うちのししょうはしっぽがない

「うちの師匠はしっぽがない」は月刊「good!アフタヌーン」(講談社)にて2019年より連載されているTNSKの漫画である。

著者のTNSKはpixivユーザーでもある。→TNSKのページ


概要

大正時代大阪を舞台に、化け狸まめだが人気落語家大黒亭文狐の下に弟子入りし、上方落語を学ぶ漫画。略称は「しっぽな」


2021年8月3日にアニメ化が発表。

あらすじ

時は大正、舞台は大阪


淡路島に住む、一匹の化け狸まめだは、幼い頃より自らの父から「人間を化かす話」を、おもしろおかしく聞かされていた事から「自分も狸に生まれたからには、いつか人間を化かしてみよう」という強い夢と憧れを持っていた。


しかし明治維新に至り文明開化も過去となり、今や大正浪漫華やかなる現代では、そんなロクでもない夢や憧れは時代錯誤なものでしかなかった。まめだはその夢に向かって真摯に向き合おうとするが、現実との折り合いをつけた化け狸の群れの中では、まめだの考え方など異端でハタ迷惑以外の何者でもなかった。やがて、まめだの父も「化け狸としての失意」の中で死に至り、その父の志を継いで「化かしの訓練」を積むまめだも、もはや手に入らないものを、あえて無いものねだりをする変で愚かな狸でしかなかった。

結局、群れの中でまめだはその真剣な思いを「(群れすら危機に陥れる)抱いてはいけない禁忌」として長老狸たちに叱責され夢への思いを捨て去るように強要され、同年代からは散々にイジられ物笑いの種にされ続ける日々を送っていた。


そんな日々の中、まめだは「群れの用事での使い」のため、単身大阪へと向かう。

いつものように長老たちから「人間は恐ろしいもの」「くれぐれも人間を化かさないように」「何も考えずに用事を済ませ、何も余計なことをせず、まっすぐに淡路に帰ってこい」と何度も何度も釘を刺されて送り出されたまめだであったが、肝心のまめだは、そんな事など知った事じゃないと「大都会で人間を化かす」という高い志を抱き不退転の思いで大阪へと赴いた。


ところが大阪でまめだを待っていたのは、発展する人間社会の「知恵の輝き」に照らされて、もはや化かされる事のなくなった人間たち。化かそうと思っても、すぐに見破り、逆に人に害を成すまめだを追い立てて殺そうと恐ろしく迫る人間たちによる(まめだにとっては)鬼の宴のような恐ろしい光景だった。


長老たちの言うとおり、人間を化かすなどという事は、所詮は時代錯誤の夢物語……まめだは気落ちする。さらに化かそうと考えて近づき出会った女流落語家・大黒亭文狐にも改めて、その事を指摘される。まめだは躍起になって文狐からの指摘を否定しようとして彼女の後を追うが、その勢いで文狐の立つ寄席に紛れ込んでしまい、さらには文狐の放つ落語の話術に引き込まれて文字通り話ひとつで泣き怒り笑いと思うまま心のままに感情を揺らがされ「化かされて」しまう。


文狐の寄席に「化かされた」のち、ついに発見されて人に追い立てられたまめだ。しかし文狐に助けられ、その真意を尋ねる。文狐は「人はどれだけ文明を発展させようとも、まだ心のどこかでは化かされたいと思っているのかもしれない」と笑って答えた。文狐の答えにまめだは気付く。「普通では人を化かせない、こんな世の中になっても、噺であれば人を化かして文句は出ず、なおかつ許される―――! 」その気付きに至ったまめだは「自分も人間を化かしたい」として自らの真の夢を噺家と定めて文狐に弟子入りしようとする。


当初は頑なに拒まれるばかりであったが、そのしつこさに根負けした文狐は「盗めるもんなら盗んでみ」と、半ば挑発交じりにまめだを弟子に迎える。


こうして、まめだの落語家への長く厳しい道のりが始まったのだった。


登場人物

  • まめだ
    • CV:M・A・O(アニメ)
    • 本作の主人公。淡路島のとある村に住む小さな化け狸で、性別はメス。
    • 好奇心旺盛な性格で、人間を化かしたいと思って大阪に渡るも、文明の発達した社会に着いていけず、途方に暮れていたところを文狐の落語を聞き、感銘を受ける。その後、紆余曲折あって彼女に弟子入りし、落語家への道を進むことになる。
    • 明朗快活だが、根は打たれ弱くてドジっ子。しょっちゅう泣き言を垂れたりへまをしては文狐に怒られている。自らの実力を把握しないまま、威勢と気風だけでトラブルを巻き起こすトラブルメーカーでもある。
    • 普段は茶髪で長髪の町娘の姿に化けている。しかし疲労で集中力が切れたり眠ったりしてしまうと変化が解けて狸に戻ってしまう。
    • 文狐の弟子として「大黒亭まめだ」を名乗る事もあるが、実は業界的に許されない名前である事がのちに明らかとなった。しかし、さらにのち業界を仕切る「上方落語四天王」の試練を経て暫定的(様子見)ながらも文狐の弟子として認められ大黒亭の名乗りを許された。
  • 大黒亭文狐(だいこくてい・ぶんこ)
    • CV:山村響(アニメ)/湯浅かえで(YouTube動画)
    • 大阪でその名を知らぬ者はいないとされている一流の女流落語家。寄席を開けばいつも満員になるなど、絶大な人気を誇る。
    • はんなりとした関西弁で話し、妖艶かつ雅な雰囲気を持つ。現実主義者でどこか乾いた言動が多いが、義理堅く面倒見の良い一面もある。まめだに転がり込まれてから、当初は追い出そうとするものの、彼女の「化かす事に対する執念と真摯な思い」を知り、さらには涙ながらに「笑われる事には慣れている」と必死に訴える様に、まめだを弟子として迎える事を決める。
    • まめだに対しては表面上は厳しく接しているものの、彼女なりに気にかけている模様。のちには師匠としての自覚が出てくるとともに、弟子であるまめだにツンデレてダダ甘になりかける。(そして白團治に止められる)
    • 正体は化け狐で、狐火などの不思議な技を操ることもできる。
  • 椿しらら(つばき しらら)
    • 文狐の立つ寄席小屋の前座を務める駆け出しの噺家。威勢と気風が良いという意味では、まめだとは似た者同士。のちに同じ噺の道を歩む「親友」と言ってよいほどの間柄になる。ただし、あくまでも人間の少女であるため、まめだや文狐の「正体」については知らない。
    • 実は、実家は関西に名の知れたその筋。つまりいわゆる「極道のお嬢様」であるが、血みどろの家業を忌んで家出をし、椿一門に身を投じた過去がある。この事から実家絡みでトラブルが舞い込みやすい。
    • また生まれからか、感情が高ぶると、すぐに手や足が出る。
  • 椿白團治(つばき びゃくだんじ)
    • しららの師匠である、椿一門の総家元にして二代目白團治。上方落語四天王のひとり。
    • 芸は超一流だが「体は借金でできている」とすら言いかねない無限の借金を持つ、一種の破滅型天才芸人で、完全に人間としてダメな人。しかし、その破滅性もまた芸の肥やしにしてネタと言える。物語の序盤では刑務所にブチ込まれていた。(実は大日本帝国陸軍軍人との恋の鞘当てをネタにして一世を風靡してしまったためで、いわゆる不敬罪による政治犯としての逮捕である)
    • まめだと出会った際には借金取りに追われて身ぐるみ剥がれネイキッドであったため、彼女からは「」と呼ばれている。(本来まめだにとってみれば、そんな呼び方などしてはいけない大師匠である)
    • また直弟子のしららからも上述の破滅型の生き様のため常に愛ある鉄拳制裁に沈められ、大師匠としての威厳などひとつもない……のだが、それすらも笑って許す器の持ち主(ただし威厳も無い)。しかし一度、高座に立ったなら歌舞伎座(というが歌舞伎座は東京の劇場。大阪にあったのは大阪歌舞伎座だが、これが出来たのは昭和7年で時代設定に合わない。あるいは大阪松竹座も考えられるが、これは洋風劇場にして映画館で、しいて当時の「(上方)歌舞伎座」に当たるのは「道頓堀五座」と呼ばれる5つの劇場である)すらも満員御礼・止め札にしてみせる、押しも押されもせぬ威厳に満ちた大師匠としての姿を見せつけてくれる。
    • 実はのちに大黒亭一門の出であり、先代大黒亭家元の息子にして、本来ならば大黒亭の後継者であった事が明かされた。(つまり本来なら大黒亭の徒弟がいる場合には、文狐に代わり大黒亭を率いていかなくてはならない立場)が、実は大黒亭号は超破滅型芸人であった先代の遺言(と、様々なやらかし)によって廃亭号とされており、先代死去時に唯一残っていた先代直弟子の文狐だけが特例として名乗る事を許されていた亭号だった。そして、この事が、のちのち文狐とまめだの立場を難しいものにしていく事となってしまう。
    • 四天王の試練篇では、四天王の一人としてまめだに試練を課す最初の壁として立った。が、同時にまめだに試練を課す事を提案する事で文狐とまめだを守ろうともしていた。

ショートムービー


関連イラスト

[pixivimage:76815963_p0]


関連タグ

上方落語 狸娘


じょしらく…女性落語家が主人公のマンガつながり。ただし、こちらは江戸落語。

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