粉砕!玉砕!大喝采!
ふんさいぎょくさいだいかっさい
概要
原作にて、どうしても欲しかったカードを遊戯から騙して盗むことで手にいれた海馬瀬人。
これを発端にしたデュエルで、盗んでまで手にいれた世界に4枚しか無い青眼の白龍の圧倒的強さとかっこよさに魅せられた海馬は高笑いを繰り返し、闇遊戯が守備表示で出したインプを撃破した際に発した歓喜の雄叫びがこれである。
しかし、結論を言えば海馬はこのデュエルに敗北し、本来は遊戯の祖父武藤双六のものであるこのガードを奪い返されてしまう。
これを海馬は逆恨みし、後に残り3枚の青眼の白竜を強引な手段で収集し、腹いせに双六にデュエルを仕掛けこれを敗北に追い込み、双六の思い出の品であるこのカードを本人から奪い取り、目の前で破り捨ててしまう。
これに激怒した遊戯は再び海馬にデュエルを仕掛け、出せば一発で味方の勝利が決定する封印されしエクゾディアを召喚し、自信満々で繰り出した白竜3匹ごと海馬を完膚無きまでボコボコにして復仇を遂げる。
こんなことがあっても、いやだからこそなのか海馬は主人公である遊戯にこれまで以上に執着するようになり「お前にも敗北の十字架を背負わせてやる」とあの手この手で遊戯に勝とうと暗躍するようになる。
この後に海馬が手に入れるオベリスクの巨神兵と共にデュエル人生を捧げることになる己の『嫁』である白竜への愛からくるエクスタシーの発露でもあり、一方では盗品を本来の持ち主の前で見せびらかしてイキりまくるという初期海馬の外道っぷりが遺憾なく発揮されているのがこのセリフ。
現在でも海馬アニメ版イラストのグッズやLINEスタンプなどでも当たり前のように使われており、彼の象徴的台詞として定着している。
しかし…
実は言ってない台詞
実はこの台詞、アニメ版の海馬は発言していない。
遊戯王の原作は序盤は闇のゲーム主体の作品で、後のカードバトルの展開をメインとした「遊☆戯☆王デュエルモンスターズ」は、原作の海馬初登場エピソードとDEATH-T編からデュエルモンスターズ要素のある話だけを抜き出し、最初の第一話のたった19分だけで超駆け足で進めた都合上、とても劇中で使う尺などなかったためである。
これは上記の闇のゲーム路線からカードバトルに移行するDEATH-T編までのエピソードがテレビ朝日放送の東映版でアニメ化済みで、極力エピソードの重複を避ける目的もある。
では、その東映版でならじっくり書かれたはずだから「粉砕!玉砕!大喝采!」は使えたのではないか?というと、答えは一応それに該当する台詞は言った。しかし、キャベツ頭の東映版海馬の台詞は「攻撃!破壊!大喝采!」という表現に差し替えられている。
その原因は1998年当時は一部過激表現の規制が厳しかった(特に「玉砕」)影響とも言われている…尤も、同じテレ朝のアニメでは3年前にキャベツと同じ声帯を持った奴がもっと危ない台詞を吐いているので真偽は不明だが…
そして2004年にDMは終了し、新シリーズ「遊戯王GX」がスタート。
表現規制説やメインキャラクターの総入れ替えにより、もう海馬のあのテンションで言う「粉砕!玉砕!大喝采!」は聞けないだろう…と視聴者の誰もが確信した時、この台詞は予想の斜め上を行く形で登場することとなる。
そのエピソードはGX34話。
どう見ても海馬瀬人本人にしか見えないカードの精霊ことカイバーマン(もちろんCVは海馬と同じ津田健次郎)が登場。
遊城十代に青眼の究極竜からの白龍三体のダイレクトアタックで勝利した後、気分が高揚した彼は
「粉砕!玉砕!大喝采!」
と例の台詞を言ってしまったのである。
もちろんカイバーマン=海馬ではないのだが、CVやテンションの高さから海馬本人にしか聴こえず、動画サイトでも散々海馬の動画にこのカイバーマンの台詞に差し替えた遊戯王MADが量産される始末であった。
以上を総括すると
- 我々が最もよく知るDMの海馬は一切言っていない
- 東映版の海馬は(一部表現を変える形で)該当する台詞自体は言っている
- 音声だけ聴けばDM海馬と見ても全く遜色のないカイバーマンは思いっきり言っている
という非常に面倒くさい扱いとなってしまっている。
『強靭!無敵!最強!』
なお、「粉砕!玉砕!大喝采!」とセットで扱われがちな 「強靭!無敵!最強!」の方はアニメでもしっかり言っている。
この二つは同時に言った台詞ではなく、DMでは「粉砕~」(が言われていたはず)の時期が1話なのに対し、「強靭~」の方は23話と大分先になる。
ちなみに、「強靭!無敵!最強!」は2018年6月9日に発売されたデュエリストパック-レジェンドデュエリスト編3-にて通常罠カードとしてOCG化している。
「粉砕!玉砕!大喝采!」が続いてOCG化するのかは定かではない。