概要
オーブ連合首長国の旗機として、カガリ・ユラ・アスハが搭乗した機体。大西洋連邦が開発したストライクのデッドコピーだが、型式番号はオーブ独自の「MBF-02」が与えられている。
元々はオーブが回収したストライクを、モルゲンレーテ社が極秘裏に修復、オーブの戦力とする際に製造された予備部品であったが、オーブのフラグシップ機として転用が期待されていたアカツキが諸般の事情でお蔵入りとなった事から、その代替機として選定された。
製造の際にはヘリオポリスから回収されていた原型機ストライクのフレームやモルゲンレーテ社で新規製造された部品を組みつけ、ナチュラルが搭乗できるようOS面での改良やパワーエクステンダーという大容量バッテリーパックを搭載し、作戦活動時間の延伸を図った。装甲に供給できるエネルギーが増加したことによって防御力が上昇、それに伴ってPS装甲の色が赤系統に変化している(PS装甲をダウンさせた状態はストライクと変わらないが、カメラ・アイの色はストライクが黄色なのに対してグリーンとなっている)。
また、同時期に開発情報が流入していたI.W.S.P.の持つ操縦難易度・バランスの劣悪さを改善した専用ストライカーパック「オオトリ」の開発も決定し、ストライクルージュとは同時進行で製造が進められる。その最中に起こった「オーブ解放作戦」によって地上では何れも完成する事はなく、実際の建造作業は宇宙に脱出したクサナギ艦内で行われる。
オオトリの完成が間に合わなかったことからカガリは「強そうだ」という理由でI.W.S.P.を希望したが、その難易度はモビルスーツでの実戦経験に乏しいカガリの腕前では使いこなせるはずもなく、代替としてエールストライカーの使用が決定される。そしてそのパーツ確保にさらなる時間を要し、ストライクルージュが実戦に参加したのは第1次連合・プラント大戦の最終盤(ヤキン・ドゥーエ攻防戦)となった。
その後は実戦で使われなかったI.W.S.P.を装着し式典に参加。オーブ国内の政情もあり国威発揚目的で使用される。
SEED DESTINY
戦後もカガリの乗機として運用され、大気圏内飛行の能力を加えられたエールストライカー(HDリマスター版ではオオトリ)を装備していた。
しかし戦闘での活躍はほとんどなく、主にカガリの本人証明のように用いられた。
インパルスとの戦いでフリーダムを失ったキラが窮地に陥ったエターナルを援護するためにカガリから借り受けている(この際、キラのセッティングによってPS装甲色は標準のトリコロールに戻っている)。
その際には「ストライクブースター」を使用し、猛烈なスピードで大気圏を突破・戦闘に乱入。防戦に回っていたバルトフェルドの援護を開始し、ビームライフルを渡した。
キラの技量をもって型落ち機とは思えない圧倒的な回避機動と射撃を見せ、一度に3機以上のザクウォーリア、グフイグナイテッドを相手取り奮戦する。
しかし一対多の状況である事に変わりなく、機体性能の差から徐々に劣勢に立たされる。ちなみに、この時に交戦したグフイグナイテッドはザフトにおいてエースパイロットである「赤服」が操縦している。そのため、ビームライフルの何発かはシールドで防がれている。また、当時のザクの時点でストライク以上の性能な上、PS装甲の常時展開とビームライフルを連発すればストライクルージュの方がエネルギー的に不利である。
ガナーザクウォーリアの砲撃からエターナルを庇った際にシールドごと左腕が崩壊、直後に別機のガナーザクウォーリアの砲撃で右腕も喪失する。その後はバルトフェルドの指示により、砲撃で両足をもがれながらもエターナルにかろうじて強制着艦した。
本放送ではエールストライカー装備で奮戦するという無茶な戦闘をしていたが、HDリマスター版ではストライクルージュがオオトリ装備に変更されたために戦闘にも変化が加わり、エターナルを庇った方法がオオトリを囮に使う形に変化、シールドごと左腕が崩壊した際には相打ちに近い形で対艦刀を投げてザクの頭部を破壊している。
なお、これ以降キラはストライクフリーダムを使用するようになり、以降のこの機体の消息は語られていない。
兄妹(もしくは姉弟)間の貸し借りでまともに物が返って来ないという「いい例」である。
武装
ストライクの初期装備を基本的に使用する。
ストライクブースター
単騎で大気圏を突破するための補助推進器。機体の脚部を納めるように接続する。
ザフトに発見されたエターナルの援護のために使用、戦闘に突入する直前に破棄される。
ストライカーパック
AQM/E-X01 エールストライカー
ストライクと共通する装備。
戦後は大気圏内飛行が可能なように改良された。
DESTINYのHDリマスター版では後述のオオトリが採用されたため、出番が無くなった。
P202QX I.W.S.P.
ストライクと共通する装備。
実戦経験で運用できなかった為に、主に式典で配備される際に装備している。
その後はオーブ軍所属のパイロットによるマーシャン追撃部隊の任務で使用されるが、使用を許可したファントムペインの指揮官の手で秘密裏に改造され、ストライカーパックのスペアとして利用されている。
EW454F オオトリ
HD版SEED DESTINYで登場したストライカーパック。
製造開発はモルゲンレーテ社が担当。PMP社から開発を引き継いだI.W.S.P.をベースとしているが、そのバランスの悪さや操作性・整備性を見直すためストライカー本体はシンプルなX字可変翼による素体構造に改変し、その周囲にオプション式の高エネルギービーム砲およびレールガン、ミサイルポッド、大型対艦刀といったストライカーパックの各種装備を積載可能な分散構造をとった。
のちにこのパックの技術をフィードバックしたアカツキ専用装備としてオオワシが開発されている。
OPや作中ではI.W.S.P.の代わりにこれがルージュに付けられている。
EW454F オオトリ(AP仕様)
オルタナティブ・プロジェクトによって複製されたオオトリ。
ドライグストライクに搭載されていたバックパック用のジョイントをストライカーパックの上面と下面にそれぞれ搭載、ソードストライカーやランチャーストライカーの武装を増設出来るように改良されている。
余談
放送当時、フレイ・アルスターがMSパイロットになる予定があったため、彼女も搭乗することを想定した機体となっていた。没案に終わったものの、Gジェネレーションシリーズなどの乗り換えがフリーな作品で再現して見るのも一興である。
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