京浜急行バス
けいひんきゅうこうばす
概要
京浜急行電鉄のバス事業部門の承継を目的とした完全子会社として2003年4月に設立され、10月に営業を開始した。
本社は京急と同じく横浜市西区に所在する。
以前は子会社に羽田京急バス・横浜京急バス・湘南京急バスを持っていたが、近年深刻化するバス運転手不足への対応と管理部門が京浜急行バスと地域子会社のそれぞれに存在することに起因する効率の悪さなどを理由にこれら3社を2018年4月に吸収合併。現在は全路線・営業所を京浜急行バスが統括・管理している。
営業範囲は東京都南東部から神奈川県東部の三浦半島にまでわたり、更に品川・横浜を拠点に全国各地を結ぶ高速バス、アクアライン経由路線、羽田空港のアクセスを担うリムジン路線も数多く運行している。
車両の低床化に古くから取り組み、1986年にはノンステップバスを導入、1988年にはワンステップバスを導入。このワンステップバスは日野自動車の協力で開発され京急型ワンステップバスの通称がある。ちなみに京急型ワンステップバスがなければ日本のワンステップバス市場形成はもっと遅くなっていたという説もある。
営業所
都内の営業所は品川ナンバー、それ以外は横浜ナンバーである。
営業所名 | 所在地 | 記号 | 備考 |
---|---|---|---|
東京都内 | |||
大森 | 大田区平和島4丁目 | M | |
羽田 | 大田区羽田4丁目 | H | 元羽田京急バス東京営業所 |
京浜島 | 大田区京浜島2丁目 | K | 一般路線の担当なし |
横浜市内 | |||
新子安 | 横浜市神奈川区守屋町3 | J | 一般路線の担当なし |
杉田 | 横浜市磯子区杉田5丁目 | Y | 元横浜京急バス杉田営業所 |
追浜 | 横浜市金沢区夏島町2873 | A | 元横浜京急バス追浜営業所 |
能見台 | 横浜市金沢区能見台2丁目 | N | 元横浜京急バス能見台営業所 |
神奈川県下 | |||
堀内 | 横須賀市三春町4 | B | 元湘南京急バス堀内営業所 |
衣笠 | 横須賀市小矢部1丁目 | E | |
久里浜 | 横須賀市池田町4丁目 | F | |
鎌倉 | 鎌倉市由比ガ浜2丁目 | C | 元湘南京急バス鎌倉営業所 |
逗子 | 逗子市逗子2丁目 | D | |
三崎 | 三浦市東岡町11 | G |
一般路線バス
都内(川崎市含む)の路線網と横浜駅以南の路線網とに完全に分断されている。
都内路線網は1972年に既に系統番号が導入されていたが、横浜市内路線は横浜市営バス共同運行の路線を除いて系統番号の導入が遅れ、平成になる辺りに導入された。
都内路線では、系統番号を近隣の東急バスや都バスと同じく「漢字1〜2文字+数字2桁」で表示するものの、数字部分は11から始まる。
横浜市内と神奈川県下の路線では、横浜市営バスから移管(共同運行は現在なし)された路線は数字のみだが、それ以外は「漢字1〜2文字+数字1〜2桁」で表示しており、近隣の神奈川中央交通には見られない【文1】(金沢文庫駅発着)や【鎌1】(鎌倉駅東口発着)、【中央1】(横須賀中央駅発着)などの事例がある。また、途中折り返し系統に個別の番号が振られている点は神奈中と同じ。
ちなみに神奈中や東急バスなどとは異なり、系統番号の漢字部分は読まない(神奈中、東急は漢字部分を省略前の駅名で読む)。
長距離高速バス
ノクターン号とキャメル号は新子安、ビーム1号とエディ号は羽田が管轄する。
車両
長距離高速バス・リムジンバスなどの観光車タイプは三菱ふそうが多数派に対し、路線バスではいすゞ自動車の大型バスの大量投入とメーカー選択が異なる。
長距離高速路線からの撤退は相次いでいるものの、観光車タイプの増車は続いている。これはリムジンバス路線の新設やアクアライン高速バスの活況が続いていることが理由にある。
以前は営業所別に投入する車両のメーカーが定められていたが、輸送人員減少の続く路線を抱える営業所での老朽車両取替に中型車を導入したことなどを理由に、大型車はいすゞ、サイズダウン車のノンステップは日野、ワンステップは日産ディーゼルとなったが、日産ディーゼルのバス事業撤退後は三菱ふそうからの購入も再開している。
大型車に関してはWB4.8mを基本としており、WB5.3mの車両は特殊な路線環境向けにしか投入されていない一方、中型系統では生産台数の少ない車両からも選択が行われることがあり、日産ディーゼル・スペースランナーRPも在籍している。
一般路線バスの乗降方式は、川崎市を含む都内路線、横浜市均一区間で完結する路線が前乗り・中降り、横浜市金沢区(他に磯子区の一部)と神奈川県下の路線が中乗り・前降りになっている。