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概要編集

横浜市営バスの始まりは1923年に発生した関東大震災だった。当時の市内交通を担っていた市電は地震で壊滅し、復旧に追われていたが震災により郊外へ移っていった市民の新たな交通需要に対応することができなかった。しかも1927年には市に隣接する2町7村が横浜市に編入され、ますます急拡大した市域の足を確保する必要があった。そこで、既に東京市電の列車代行として圓太郎バスを走らせ好評を得ていた東京市に倣い「市電の補助機関」として1928年からバスの運営に乗り出すこととなったのが始まり。


以後戦後には間引き運転などで機能しなくなった民間路線バスの運行を肩代わりしたり、神奈中相模鉄道と路線拡張で激しく対立したり、市電を廃止して路線バスを代替交通としたり、一部路線を横浜交通開発への委託化などを経て現在に至っている。


路線編集

古くからの市街地を中心に路線を展開し、市電代替系統や開業時からの系統も多い。横浜駅へ直接発着する系統が目立つ中区・西区・保土ケ谷区・神奈川区、戦前当時の事情により市電が一路線しか開設されなかったものの京浜工業地帯を抱え古くから市バスが運行されていた鶴見区、戦後開発された大規模団地・住宅地と東京方面へ向かう鉄道路線駅とのフィーダー輸送路線が多い市郊外の緑区・都筑区・港北区南部・港南区・磯子区の一部が市営バス路線網の営業基盤となる。その他、民営バスの営業エリアである青葉区・旭区・南区・金沢区・戸塚区、更には川崎市幸区へ乗り入れる系統もあるが、泉区・栄区・瀬谷区を通る市営バスの系統はない。このうち、泉区にはこれまで市営バスが運行されたことが一度もない。

系統番号編集

各路線には数字のみで表される系統番号が付与されており、車両行先表示器の左側に掲示される他、さまざまな案内に使用されている。

系統番号は1番から300番台まであり、運行系統数はおよそ150。附番には規則性はなく、一部において同一の系統番号でも運行区間が殆ど異なる路線があったり、同一区間の運行でも往路か復路かによって異なる附番であったりと、少々複雑である。

他に旅客案内には使用しないが、運行区間が異なる系統内での各運行パターンごとにアルファベット記号が付与されており、運転手の指示書、内部書類などで使用されている。また系統番号のない深夜バスや特殊路線などにも書類上系統番号が付与されている。

特殊路線編集

市内遊覧バス編集

市内の名所を巡る市内遊覧バス「ベイサイドライン」が運行されている。ベイサイドラインは定期観光バスと呼ばれるもので、保土ケ谷営業所が運行を担当。書類上の系統番号は151。


通年設定されているコースは一日コースと半日コースがあり、半日コースは午前・平日午後・土休日午後に細分され、いずれも横浜駅東口から出発する。

使用車両は日野自動車セレガスーパーハイデッカー車だが、一時ヨンケーレの二階建てバスを使用していたこともある。

あかいくつ号編集

あかいくつ号はみなとみらい線沿線の観光スポットを周遊するバスで、みなとみらいルート(M)と中華街・元町ルート(C)の2ルートが運行されている。

市営バス全線定期券・ファミリー環境一日券・割引一日券・横浜市発給の敬老・福祉特別乗車証では乗車出来ない一方、PASMO・Suica・市営バス一日乗車券・みなとぶらりチケット・みなとぶらりチケットワイド・相模鉄道発行のみなとみらいぶらりチケット、京浜急行発行の横浜1Dayきっぷは使用できる。

専用のレトロ調バスで運行されるが車両不足や臨時増発の場合は一般路線車を使用する。本牧営業所の担当で、書類上の系統番号として271が振られている。


余談だが、ふたりはミルキィホームズ第5話でこのあかいくつ号をモデルにした路線バスが登場している。

ふれあいバス編集

2009年に運行を開始したコミュニティバス的性格を持つ特殊路線。主に既存路線より離れた交通空白地帯、或いは病院・公共施設へのアクセスが不便な地域で運行されており、どの系統も書類上の系統番号が振られている。

雨の日臨時便編集

前日17時に気象庁から発表される神奈川県東部午前6 - 12時の降水確率が70%以上の場合に運行される臨時系統。雨が降っていても前日の降水確率が70%未満であれば運行されないし、雨が降らなくても前日の降水確率が70%以上であれば運行される。

運行の有無は前日の19時に発表され、当増発便のみの独自区間運行が存在する。

ふれあいバス編集

2009年に運行を開始したコミュニティバス的性格を持つ特殊路線。主に既存路線より離れた交通空白地帯、或いは病院・公共施設へのアクセスが不便な地域で運行されており、どの系統も書類上の系統番号が振られている。

BAYSIDE BLUE(ベイサイドブルー)編集

2020年に運行を開始した横浜駅と横浜都心臨海部に位置する主要施設を結ぶ路線。山下ふ頭の再開発やパシフィコ横浜ノースの整備などを契機として、海沿いに立地し鉄道駅から離れている大型施設への回遊性を高める路線として開設された。

専用の連節バスで運行されるが車両不足や臨時増発の場合は一般路線車を使用する。

同車両のデザインを反映した停留所を発着するなど他路線とは差別化されており、来訪者にわかりやすい工夫がなされている。

滝頭営業所の担当で、書類上の系統番号として200が振られている。曜日を問わず日中に概ね20 - 30分間隔で運行される。

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