概要
名馬というのは一般には性質・成績が優れている馬のことを言い、牝馬の名馬を一般的に名牝というようだ。
競走馬の世界において名牝と呼ばれる基準はまちまち。競走で優れた成績を残したもの、競走で一定の成績を残し、繁殖でも優れた成績を残したものといる。
※以降の項目で上げる馬は一例かつ、執筆者の私見が入っていることを留意いただきたい。
日本の名牝
オークス馬。繁殖牝馬としてエアグルーヴを生み、きょうだいの子孫からも活躍馬を多数出して一代牝系を築いた牝祖。
ダイナカールの子。オークスの親子制覇を果たし、一流牡馬相手に互角以上に戦った「女帝」。繁殖でもG1馬2頭を生み、ダイナカール一族の中心的存在。
- ヒシアマゾン(USA)
GⅠ2勝など重賞9勝を挙げ、一流牡馬相手に互角以上に戦った女傑。
牝馬2冠、エリザベス女王杯連覇など牝馬限定GⅠを5勝。牝馬限定レースに強く、3年もの長期間にわたり一流であった。
アメリカンオークスを快勝し日本馬で初めて米国G1優勝の偉業を成し遂げた。繁殖ではG1牡馬3頭を設けた。
早くから牡馬相手で使いこまれ、牝馬でダービー勝ち、安田記念連覇など常識を次々と覆した女傑。
名マイラーダイワメジャーの半妹でこちらも牝馬で有馬記念を勝った超一流馬。
ダブルティアラを獲得、古馬になってからも牡馬の一線級相手で良績を残し続けた。ウオッカ、アパパネと続く一流牝馬。
ディープインパクト初期の最高傑作。トリプルティアラ達成し、その後は牡馬相手で戦い、ドバイシーマクラシックを勝つなど優れた実力を発揮した。
牝馬で初めて春秋グランプリ連覇を達成。その間にオーストラリアでも勝った。GⅠ4勝のうち3つが牡馬相手で、有馬ではアーモンドアイを下している。
近年を代表する歴史的名牝。トリプルティアラ達成しただけでなく、その後もマイル~中距離をメインにトップクラスの実力を発揮し続けて牝馬初の秋天連覇などGⅠ9勝を挙げた。
牝馬の名マイラー。桜花賞馬だが古馬になって本格化、マイル戦線を2年にわたり牽引しG1を6勝した他、ディープインパクト産駒初のスプリントG1馬となった。
凱旋門賞馬バゴの代表産駒である芦毛の秋華賞馬。グランプリ戦線で活躍、リスグラシュー以来のグランプリ春秋制覇、ゴールドシップ以来の宝塚連覇、グランプリ3連覇と古馬王道路線の筆頭格として活躍した。
世界の名牝
ヨーロッパの歴史的名マイラーでGⅠ10勝。繁殖でも大種牡馬キングマンボを出し、巨大なファミリーを構築した。
牝馬の凱旋門賞馬。繁殖で成功し大種牡馬ガリレオ・凱旋門賞馬シーザスターズを生んだ。
ヨーロッパの歴史的名マイラーであり、欧米をまたいでGⅠ14勝。6歳まで長期にわたり現役を続けた。
ヨーロッパとアジアでGⅠ6勝を挙げ、外国馬では唯一日本G1連覇を果たしている。
近年のヨーロッパを代表する歴史的名牝。凱旋門賞連覇などGⅠ11勝を挙げた。活躍が同時期のアーモンドアイと比較されることも。