概要
安部真弘が週刊少年チャンピオン2016年44号から連載している漫画。
【ふしぎ研究部】と呼ばれる怪しい部活動を中心とした【南湘(なんしょう)高校】の生徒たちの日常を描いている。
ストーリー概要
(公式より引用)
「普通の高校生・大祐が入部したのは、女子3人が『ふしぎ』を研究する部活……!? 催眠術で裸を見たり、マジック用のハトを捕まえたり、呪いのお面を被らされたり、ちょっとうらやましい苦難が続く……。 ドタバタほのぼの、ときどきエッチな“ふしぎ”コメディ!」
……らしい。本当かどうかは怪しいが。
ただ、実際には
「不幸な高校生・大祐が入部してしまったのは、女子3人が『ふしぎ』を研究すると称する危険な部活……!?果たして彼は、この絶体絶命の危機から逃れることができるのか……!」
……だったようだ。
第一印象
タイトルだけ見ると、
児童文学によくある『知恵と勇気で怪異や都市伝説に立ち向かう学園冒険活劇』に見えなくもない。
平塚和香が表紙を飾っている場合は、それが顕著に表れている。
ふたりの想い・ふたりの世界
この作品の最も不思議たるゆえんは、《48話》で運命的な出会いをして《76話》で両想いになった
「五領大祐と平塚和香の両名にのみスポットライトを当てる」と、物語が
【両想いから始まる、不幸なふたりのミステリアス・ローグライク・ラブロマンス】
に変化することだろう。
「五領大祐と平塚和香は不幸体質だが、二人が一緒にいる場合に互いの不幸が打ち消される」ということを頭に入れれば、この作品をより一層楽しめるはずである。
…大半の読者はナイスボディな《大原ことね》や出番の多い《二宮鈴》に注目しがちだが、
それこそが作品を「ちょっとエッチな学園ラブコメ」に錯覚させるための“罠”なのである。
【ふしぎ研究部】(MYSTERY_RESEARCH_CLUB)とは…
今の【ふしぎ研究部】の部長・大原ことねが、南湘高校の旧倉庫の【ふしぎ研究部】跡地を勝手に間借りして
3人とも『ふしぎ(MYSTERIOUS)』なことを研究しているという理由で“寄せ集め”たメンバーで構成された怪しいチームであり、
「各々が自分の考える『ふしぎ』を追求し、披露することで互いを高めあう」という申し訳程度の方針を打ち出して、
それを隠れ蓑にして勝手に自分の趣味に没頭する部活もどきにしてから、ふしぎ研究部の存在自体が形骸化してしまっている。
本来の【ふしぎ研究部】(MYSTERY_RESEARCH_CLUB)とは……
【第1話】で部室の表札が風化していることから、『昔から存在していた部活動』であったことは想像に難くないが、
かつて【ふしぎ研究部】が、どのような部活動だったかを語り継ぐ者はおらず、完全に忘れ去られたようだ。
もしかしたら、元々は【知恵と勇気で世の中の不思議を研究・解明する部活動】だったのかもしれない……。
登場人物
南湘高校女子の制服のクロスタイは学年で色が異なり、1年生が水色、2年生が赤、3年生が黄色となっている。
あと、登場人物のキャラクター性が《どこかの星の『ふしぎ』な物語》のキャラクターたちに似ているのは偶然だと思う。
【ふしぎ研究部】
何故か、世の中の不思議を研究するために必要な技能を持つ部員が仮部員に集中している。
仮部員
五領大祐(ごりょう だいすけ)
南湘高校1年生で不幸体質その1。何度不幸に遭ってもめげないタフガイ。友達がいない。
担任の教師から頼まれた荷物を新倉庫ではなく、【ふしぎ研究部】のアジトである旧倉庫に運んでしまう不幸から物語は始まる。
その後、一時的に【ふしぎ研究部】に籍を置くことになり平塚和香と運命的な出会いをする。主人公兼メイン王子。
不幸体質のせいで目立たなかったが、本来は勇敢で行動力バツグンで心優しい王子様みたいな男子。
その優しさと行動力で世の中の不思議に体当たりで挑み、研究・解明していく役割(に、なるはずだった)。
特徴を持たず、何色にも染まりやすいため、女装が高いレベルで似合う。
平塚和香(ひらつか ののか)
南湘高校1年生で不幸体質その2。神秘的な魅力を持つ美少女。友達がいない。
自分自身の不幸で化学部を廃部に追い込んでしまい行き場を無くし【ふしぎ研究部】に関わってしまったという不幸から物語は始まる。
後に五領大祐と運命的な出会いをして【ふしぎ研究部】の仮部員になる。遅れてやって来たメインヒロイン。
不幸体質と瓶底眼鏡で目立たなかったが、本来は清楚可憐で上品なお姫様みたいな女子。
化学実験を趣味としている“本格的な研究員”で、科学的な視点で世の中の不思議を研究・解明する役割(に、なるはずだった)。
どういうわけか自分自身が研究対象になりかねないほどの不思議な能力を持つ。
山下みなと(やました みなと)
南湘高校1年生で、《174話》で二宮鈴の友達になり、《222話》で二宮鈴をモデルに魔法少女モノの漫画を描いていた。
《247話》で漫画のネタ集めのための取材と称して二宮鈴の許可を得て仮部員になった。
今までファンタジーやメルヘンに詳しい者が居なかった【ふしぎ研究部】にとっては待望のファンタジー専攻部員で、
漫画を描くために蓄えたファンタジーやメルヘンの知識で五領大祐と平塚和香のサポートをする(予定)
正規部員
大原ことね(おおはら ことね)
催眠術を研究している南湘高校3年生で“今の【ふしぎ研究部】”の部長で、部の退廃と形骸化を招いた張本人。
プライドが高く、負けず嫌い。
その催眠術の実力は本物で実際に学校の生徒を洗脳して手駒にしている。
かなりの美人で巨乳であり、学園内に大規模なファンクラブ(会員には女子もいる)が存在していて、
pixivでは熱心なファンが何枚も少年誌に載せられないファンイラストを描いているとの噂もあり、
公式の人気投票で2回連続で首位を獲得している作品内外問わず名実共に学園のマドンナである
神田千晶(かんだ ちあき)
南湘高校2年生、やんちゃでいたずら好き。手品(マジック)を自主研究しているが、その実態は「手品(暴力)」であり、
「物事は大事なのは結果ではなく過程だ」という、よくわからない言葉を信条に五領大祐を騙したり
二宮鈴(にのみや すず)
オカルトや怪奇現象を自主的に研究している南湘高校1年生で、本人に霊感があるかどうかは不明。
傲慢で短気で自己中心的な性格で時々大祐に怪しげなグッズを押し付けたりする。
持ち主に幸福をもたらす《松子さん人形》(二宮鈴自身は呪われた人形だと思い込んでいる)を溺愛している。
体型が幼く、五領の妹・結などの小学生たちに同年代の友達として扱われている。
顧問
春日野旭(かすがの あさひ)
ふしぎ研究部の顧問で養護教諭。趣味は《占い》。
美人でナイスボディなのだが、
思い込みが激しく、ロクな目に遭わない。そして、友達も恋人もいない。
南湘高校生徒
高浜麗子(たかはま れいこ)
南湘高校2年生で田中良子を目の敵にしている風紀委員。眼鏡に三つ編みおさげという、良くも悪くも古臭い外見。
真面目な性格で行動範囲が広く、風紀が乱れた場所に颯爽と現れる。
本人がたくましすぎる妄想癖の持ち主のため、逆に風紀を乱す風紀委員と化している。
田中良子(たなか りょうこ)
大祐の隣席のクラスメイト。金髪ナイスボディのワガママな黒ギャル。
弟やギャル仲間の面倒を見たりしているため、見た目と性格の割にしっかりしている。
学校には内緒でバイトをしており、それがきっかけで大祐と仲良くなる。大祐のことを「大ちゃん」と呼ぶ。
高浜麗子に目の敵にされているが、だいたいセクハラで返り討ちにしている。
吉沢かなめ(よしざわ かなめ)
新聞部部長の3年生。カチューシャをつけている。スクープ(獲物)のためなら、どんな無茶苦茶もいとわない記者魂をもつ。
そのため、よく変質者扱いされて捕まっている。
早坂蘭(はやさか らん)
陸上部の2年生。体育祭での大祐の走りを見たことで何か勘違いをして彼を陸上部へ勧誘しようとしている。
岡崎雅史(おかざき まさし)
演劇部の1年生。美少女のような見た目の女装男子。大祐の女装に一目置いていて、あの手この手で大祐を丸め込んで仲間に引き込もうとする。
飯野響子(いいの きょうこ)
レスリング部。筋骨隆々とした男のような見た目の女性。女装した大祐に一目惚れし、女装した大祐をガールフレンドにしようとしている。
大住彩(おおすみ あや)
美術部の3年生。何かに憑依されたかのように絵画を描きまくっている。
その他
五領結(ごりょう ゆい)
大祐の妹。小学6年生。しっかり者だが、どこか抜けている。
二宮鈴を同年代の友達だと思っている。《235話》で、兄の大祐に「友達がいない」ことを指摘するなどの辛辣で鋭い一面も。