「腹が減ったよ……消耗が……どんどん激しくなる……」
概要
仮面ライダーWの続編である風都探偵の最初のストーリー、「tに気をつけろ」に登場する「路上」の記憶を司るドーパント。
風都の夕凪町に出没しており、同じ場所で目撃される「T字路の魔女」ときめとの関係が疑われている。
外見
上半身にボリュームのある人型で、円や直線を基本にした無機質なデザインになっている。
顔も仮面のようで生物らしさは感じられないが、口を開けば鋭い牙状の歯が幾重にも並んでおり、怪物らしい生々しさも兼ね備えているのが特徴。
後頭部や背中に生える、波打つ帯状の器官が特徴的。これらには中央線状の模様があり、舌にも同様の模様が確認できる。
アニメ版にて全体像のカラーリングが判明。コンクリートやアスファルトのような白と灰を基調としており、両肩の装飾は赤い回転灯となっていた。
能力
超高速と超高熱を利用して、別次元へと繋がる道を作り出す能力を持つ。
この道はロード自身の体組織を元に生み出されており、作中では口から吐き出した組織を地面に舗装する姿も確認できる。
彼らが造った道は真っ黒に見えるが、実際には血の赤黒い色が定着して黒っぽく見えているようだ。
異空間を作成できるというメリットこそあるものの、道を作る代償として変身者はその肉体の消耗を「空腹」という形で知覚し、その飢えを満たすために人間を食する必要がある(厳密には食人が消耗の補充に最も適している為)。またアニメ版で判明したことだが空腹を感じた際両肩の回転灯がサイレンを鳴らしながら点灯している。
またメモリ自体の毒性が強いのか、それともロードメモリだけの欠陥なのか不明だが能力の使用と捕食を繰り返すごとに変身者の理性も崩壊し、やがては獣と何ら変わりない存在へと成り下がってしまうなど見た目や名前に限らず恐ろしい性質も秘めている。
高熱は戦闘でも存分に威力を発揮し、熱のムチによる斬撃や、指先から撃ち出す高熱弾を武器に戦う。また、左右の前腕と両脚の間に計3つの車輪状のエネルギー体を形成し、疾走する。この「車輪」を投げての攻撃も可能。
このドーパントの能力で、風都市民を異次元の街に誘い込み食らっている。何故か、夕凪町に籍を置くヤクザまがいの企業家・立川蓮司(CV.小西克幸)の部下がその標的になる事態が多い。
余談
デザイン画段階ではガイアドライバーを装着していたが、本編では取り外されている。その為、元々は幹部クラスの怪人設定だったのかもしれない。
その名残か「風都探偵」本編でも重要な役割を担っており、ザコ怪人ポジションでありながら、フィリップはその強さから「かなり高位クラスのメモリ」と発言している。
劇中未使用のメモリにハイウェイ(=高速道路)なる、ロードと関連のありそうなメモリが存在する。
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ネタバレ
【警告】これより先、この怪人の真実が記載されている為、閲覧には注意されたし
「腹が…腹が減ったよお。我慢して暮らしている方の身にもなれってんだよ、このクソ社長が…」
実は、変身者はときめではなく、立川の部下の一人・サブ(CV.興津和幸)だと判明。正体を左翔太郎に暴かれ、上記のセリフを吐きながら変身。
食人の標的を仕事場周辺に選んだのは『身内ならば足がつかないだろう』と短絡的に考えたからであり、人を食べることに何ら躊躇もしないなど半ば理性が崩壊している。
完全に飢えを抑え切れなくなり、立川含めて目撃者を全員消そうとするが、翔太郎と合流したフィリップの乱入により失敗。
彼らの変身する仮面ライダーWと戦うも、その力の前に圧倒されてしまい、自身の作った異次元の街に逃走。ハードボイルダーで追ってきたWのジョーカーエクストリームでメモリブレイクされて異次元の街を叩き出され、集まっていた風都署の警官に身柄を拘束された。
これにより事件は解決したかに見えたが、何故彼が自身の身を削ってまで異次元の街=“裏風都”を作り出したのかは未だ謎に包まれている。更にロード撃破後も裏風都自体は未だに健在な上、そこを拠点とする謎の暗黒勢力が跋扈し始めている事に翔太郎達は(この時点では)未だ気付いていない。
「pは悪魔だ」では、『「街」の末端のメンバーとしてスカウトされ裏風都を創り出す手伝いをさせられていた』とフィリップに推測されている。
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ファットガム:中の人および大食い、そして能力を過剰使用の代償が「空腹」である能力者つながり。ただし性格は全くの真逆。
さらなるネタバレ
「超人r」ではリアクター・ドーパントの招集で複数の個体が登場した。
これにより、サブが有象無象の1人に過ぎない事実が明らかになる。
彼は二階堂=リアクター配下の駆け出し予備軍だったらしい。
そもそも裏風都は巨大な街であり、1体では作りきれないはずである事はフィリップも早くから勘づいていた。
実際、裏風都の拡張を目論む者達によりメモリは量産されており、大量のロード・ドーパントが地面を造り、その消耗を誰かの肉で補いながら街を広げていたのだ。
それが意味するのは、裏風都の街を作る為に膨大な数の犠牲者が出ている事に他ならない。
その事を二階堂(および万灯)は「美しい犠牲」と称しており、ロード・ドーパントは裏風都の冷酷さの象徴と評価出来よう。これによりフィリップは裏風都を「真の悪魔」と断じるに至った。
また、上記の能力やそれがもたらす食人飢餓の性質の誘発から、無生物系のメモリにも関わらず、野獣系のメモリ以上に使用者の理性を奪っていく厄介な代物となっている。
事実裏風都を跋扈するロードは、動物並の知性と激しい狂暴性しか残らなくなってしまった者が大半を占めており、一応幹部達の支配下にはあるが、彼ら曰く「全然話が通じてる気がしない」(一応、元の知性を保つ二階堂直属の部下等も居る)。
これらの情報からロード・ドーパントは『上級兵士』『幹部候補』に近い扱い・能力を持つが、万灯達の「美しい犠牲」発言に加え、尽きぬ飢餓による知性消失の果ての人格崩壊、それに伴っての家畜化も合わさって、マスカレイド・ドーパント以下の消耗品なのが実態と断じれる。