ゼフ
ぜふ
「……全身に何百の武器を仕込んでも 腹にくくった“一本の槍”にゃ敵わねェこともある…」
「男は女を蹴っちゃならねェ!!! そんな事ァ 恐竜の時代から決まってんだ!!!」
「おい サンジ」 「カゼひくなよ」
プロフィール
概要
東の海(イーストブルー)の海上レストラン「バラティエ」のオーナー兼料理長で、麦わらの一味の料理人(コック)であるサンジに料理と足技の両方を叩きこんだ師匠である人物。
髭を伸ばして三つ編みにした“よさ毛”と、頂点が画面に収まらないほど高い“晴天割コック帽”がトレードマークの強面の老人で、元荒くれ者の料理人ばかりが集まるバラティエをまとめあげる凄腕。
かつてはクック海賊団の船長“赫足のゼフ”として“偉大なる航路(グランドライン)”を1年間航海し、無傷での生還を果たした大海賊であり、コックにして船長を務めた無類の海賊でもあった。自分の手は料理をするためにあると決めているため、戦闘において一切両手を使わなかったことで有名であり、その強靭な脚力と鋭い蹴りは岩をも砕き、鋼鉄にすら足形を残すことが出来たという(覇気が使えたかどうかは不明)。そして「赫足」の異名は、敵を蹴り倒した時に返り血を浴びて赤く染まった彼の靴が由来であると言われている。
後述する経緯から現在は右足の膝から下が義足となっているが、その足技は健在であり、爆弾の導火線程度なら義足での蹴りの衝撃波だけでかき消すことが可能である。
海のコックであるため海上における食糧の大切さを誰よりも理解しており、海賊時代は度々客船などに対して略奪行為を繰り返していたが、船員たちには「余所の食糧は絶対に奪わない」という鉄の掟を課し、破ったものには容赦のない制裁を加えていた。
なお、後のバラティエに女性がいなかったのは女性に暴力を振るってはならないと言う価値観(本人曰く「恐竜の時代からの鉄則」)とは裏腹に、指導するとなれば女性でもついつい蹴ってしまうゆえ。この考えはサンジにも厳命し、その時は親代わりの自分も詫びをすると宣言している。
上述したように海賊時代は船長であると同時にコックでもあり、さらに海で何度も食料危機に遭った経験が海上レストランを開く構想につながったという。
偉大なる航路から帰還し、客船オービット号を襲撃した際に幼い日のサンジと出会い、彼とともに海に落ちて85日に及ぶ無人島(と言えば聞こえはいいが、実際はただの岩で、動物も植物も一切存在しなかった)生活を経験することとなる。その際に、すべての海の食材が集まる幻の海“オールブルー”の発見を夢見るサンジに自身の夢が重なり、財宝しか入っていない袋を「食糧」と偽って保持し、サンジにはわずかに残った食糧の入った袋をさりげなく譲った。そして、自身は切断した右足を食べて生きるという壮絶な選択肢を選び、サンジをどうにか生かすことに成功する。
海賊としての命を捨ててまで自分を生かしたことをサンジに問われたゼフは、自分もオールブルーを夢見ていたことや偉大なる航路にその可能性を見出したことを語り、自分が成しえなかった夢をサンジに託した。
生還後は確保していた金品を投資して海上レストラン「バラティエ」を開業。この一件以降、ゼフの思いを聞いたサンジは彼に恩返しするべく、料理人となったゼフの弟子となり、彼とともに海上レストランを切り盛りしていくようになる。
ルフィたちの来訪と時を同じくして、東の海で最大の兵力を持つクリーク海賊団に船を襲撃されるが、ルフィとサンジ、そしてバラティエのコックたちの奮闘で何とか守り抜き、その後コックたちと一芝居打ってサンジに旅立ちを決意させ、ルフィの仲間として旅立つサンジを送り出した。
エニエス・ロビーの一件でサンジも賞金首となり、サンジの手配書がバラティエにも届いた時は、写真の代わりに描かれていたサンジの似顔絵を見て店の皆と一緒に笑っていた。
それから2年経った現在もバラティエは繁盛しているようで、船の増築が行われている。
アニメ版では視聴者、特に幼い子供への配慮から、ゼフが右足を失った経緯が「海に落ちたサンジを救うために自分も海へ飛び込んだ際、船体に挟まった右足を自ら錨の鎖で切った」という内容に変更されている。また、原作ではクック海賊団が偉大なる航路のどこまで進んだのか不明だが、アニメ版では少なくともウォーターセブンまで行っていることが判明している。
『エピソードオブルフィ』では、ハンドアイランドの蝋人形館で白ひげ海賊団やロジャー海賊団と並んで現役時代のゼフの蝋人形が展示されていた。製作者のジエゴが若い頃に作った物らしく、まだ両足があった時代のものである。