概要
ニセコとは、北海道の後志地方に位置する地名。アイヌ語の「ニセイ・コ・アン・ペッ(nisey-ko-an-pet)」(「峡谷・に・ある・川」という意味)に由来する。漢字表記として「二世古」が当てられたことがあるが普及せず、カタカナ書きが一般的である。ニセコ町は中国語名を「新雪谷」としている。
「ニセコ」という場合は、ニセコ町のみを指すと思われがちだが、本来は羊蹄山の周囲に広がる5町(岩内郡岩内町、岩内郡共和町、虻田郡倶知安町、虻田郡ニセコ町、磯谷郡蘭越町)からなる地域の総称である(ニセコ地域)。
この5町のうち、外国人を含む観光客の間で特に人気が高い3町(俱知安町、ニセコ町、蘭越町)を「ニセコ観光圏」と呼ぶ。
鉄道とニセコ
ニセコ町は元々は「狩太」(かりぶと)といい、ニセコ地域の玄関口であった国鉄函館本線の狩太駅を「ニセコ駅」に改称しようという運動の中で改名に至ったものである。
JR北海道の快速「ニセコライナー」やかつて運行していた特急「ニセコエクスプレス」や臨時特急「ニセコ」、蒸気機関車牽引の臨時快速「SLニセコ号」の名はこの地名にちなむ。旧・国鉄時代には急行「ニセコ」もあり、C62形蒸気機関車が重連で牽引していたことで知られる。
北海道新幹線の駅は倶知安駅に設置されることになっており、並行在来線となる函館本線の長万部駅〜小樽駅間の廃線に伴い現在のニセコ駅も廃駅となるが、倶知安駅を「ニセコ駅」に改称しようという動きはないようである。
なお、国鉄時代の函館本線は倶知安駅から胆振線(1986年11月1日廃止)、小沢駅から岩内線(1985年7月1日廃止)が分岐していた。