概要
被子植物単子葉類の8000種が属する大きな科。ススキやアシやシバなど草原を構成する主要な草や、イネやムギ類やトウモロコシなど、いわゆる「穀物」の多くが属する。その他にもサトウキビやタケなど有用植物が多い。
生存戦略において同じ単子葉類に属するラン科と好対照をなす分類群である。虫媒花としての進化が著しいラン科植物に対し、イネ科は花粉媒介を風に頼る風媒花に特化する方向に進化したものであり、花は地味。種数はラン科には大きく及ばないものの、一種当たりの個体数が非常に多くなる傾向があり、生体量(バイオマス)では遥かに上回る。
現在の地球では非常に成功している分類群であり、世界のどこでも草原はイネ科中心であることが多い。草原に棲む草食動物や、人類の食は主にイネ科の植物に支えられているといっても過言ではない。