イキリ鯖太郎
いきりさばたろう
当記事は非常にデリケートです。
事の発端から月日が経った現在においても編集合戦が続いており、当記事は中立性が保てていない可能性があります。
編集を行う前に必ず掲示板を確認してください。
意見、不満、感想等は、当記事の掲示板でお願いします。
概要
『Fate/GrandOrder-絶対魔獣戦線バビロニア-』がアニメ化され放送中に発生した、主人公である藤丸立香に対する蔑称。
転じて、現在ではFGOファンの一部を指す場合も多い。
ゲームでは全く映らなかった主人公をアニメで描写するにあたり、サーヴァントの戦闘中に自分は戦っていない時でも無駄に前へ出る、攻撃を受けたサーヴァントの名前を叫ぶ、アニメオリジナル展開で見せ場を増やす等、ストーリー上必要ではない場面で異様に目立っていた事による。また、主人公の出番が増えた反面、原作にあった他キャラの出番が削られたことも要因となった。
スタッフインタビューでは主人公が他人に戦闘を任せて隠れているだけではいかないため、意図的に出番を増やして活躍させていた旨の説明をしている。
「○○太郎」が流行していた時期であったため、第1話放送時からネット掲示板やSNSにて当単語が呟かれていた。
命名の由来
- 「イキリ」は「粋がる」に由来する関西弁で、この当時は「分不相応な待遇を受けている」といった意味合いが付加される蔑称として使われていた。
- 「鯖」はFateシリーズの用語「サーヴァント→"サーバ"ント→鯖」に由来する略称で、シリーズ初期から一般的に用いられており蔑称ではない。
- 「太郎」は「○○太郎」というネットスラングの派生で、この当時は1.との組み合わせで「客観的にはそうは思えないのに作中ではやたらと評価される主人公」といった意味合いの蔑称として使われていた。
『FGO』の主人公「藤丸立香(ぐだ男)」は作中で「マスター」と呼ばれる存在で、上記「サーヴァント」を使役して戦闘を行うことから、この場合は「自分自身は戦わないくせに当事者のサーヴァントから逆にちやほやされる主人公の屑」の意味合いとなる。
具体的な要因
主人公の過度な持ち上げ
「○○太郎」の系譜に違わず、このアニメでも主人公が他のキャラクターから不自然に賞賛される展開が多く目に付いた。ソーシャルゲーム由来の作品では珍しい話ではないのだが、『FGO』はシナリオ重視と銘打ってはいたものの、それに見合わない実際のシナリオ内容の躓きも相まって二重の失望感が蔓延した。
しかし一方、一部ファンの間では、ゲーム内でそこまで描写がされていない指揮能力やコミュニケーション力などが過剰に評価されていた。公式ライターもそれに便乗し、上手く描写できていないにも関わらず、周りに褒めたたえさせる描写だけは過剰にするため、かえって出来の悪いシナリオが頻発し、余計ヘイトを買う結果にしかならなかった。
主人公の魅力不足
主人公は戦闘能力を持たず、また「サーヴァント」は女性比率が高い。アニメではこれを工夫なくそのまま描写した結果、ヒロイン達を盾にするゲス野郎と捉えられかねないシーンが目立ってしまった。
更には主人公が、お人好しや善人として設定されているものの、ゲーム内の描写でキャラにセクハラやパワハラ、相手に遠慮の無い言動、空気の読めない行動などを多々する事があり、特別主人公に思い入れの無いプレイヤーや従来のファン達からはその中身の無い主人公性に不快感を感じてしまっている。
ストーリーの基本として主人公が善人気取りとして行動し、お人好しに振る舞うも基本的には人任せであり、口だけである。何もできないためにご都合主義の様な表現や展開が目立ち、こと戦闘の際に関しても主人公は何もせずに他人任せが多く、我が物顔で物語の進行役となるため癪に触ってしまう。アニメ絶対魔獣戦線バビロニアではゲーム内の様な紙芝居では無く映像となったことで、これが顕著となり主人公が何もせずに目立っている事に嫌悪感を抱く視聴者が増えてしまった。
しかも、ゲームでは通常あり得ない「サーヴァントが主人公(=プレイヤー)の判断を待たず自己判断で戦う」という描写も度々挟まれた結果、通常の「○○太郎」以上に主人公のいらない子扱いが加速していった。
男性主人公の受け入れられにくさ
傾向的にソシャゲ(特に男性向け)のアニメ化に主人公(プレイヤー)の存在は消されることが多いのだが、このアニメでは上記の通りかなりマズイ形で主人公が描かれており、しかも今までのfate作品のヒロインまでもが主人公の取り巻き要員になっていた。そのため硬派な人が多い従来のファンからは安っぽいハーレム作品と見做され、受け入れ難いものであった。
女性ファン層は女性主人公であるぐだ子を望んでいたため、男性主人公は解釈違いであった。特に、百合という目線でゲームをプレイしていた層は男性不要論を唱えており、掲示板でも「ぐだ子を主人公にすればよかった」との声は数多い。
ゲームのほうにも問題性があるとの指摘
このアニメは、FGOの第七章をいきなりアニメ化した物なのだが、初見に対する配慮が有ったとは言い難く、キャラへの愛着を非常に持ち難い構造となっていた。
また、元来Fateシリーズはキャラクターを蔑称で呼んだりネタにする事を許容しがちな作風であり(例:乳上、ランサーが死んだ!)、『FGO』の原作ゲームにもそのような展開や選択肢が実装されていた。その為、イキリ鯖太郎という蔑称が受け入れられやすく、急速に広まった。
Fateシリーズとしては「戦闘能力のないマスター」と「女性の多いサーヴァント」はお約束であり、アニメに限った話ではない。だが、他の作品がそれらを上手く工夫して描いており、マスターとしての役割をきちんと示しているのに対し、アニメはこれを何の工夫もなく描いてしまったため、主人公の役立たずぶりがより強調されてしまった。
ただし、アニメはあくまで忠実にゲームの主人公を表現したからに過ぎず、アニメの出来が悪かったから主人公の評価が悪いわけではなく、元から役立たずが過剰に評価だけされ、ちやほやされる構図を作ったゲームこそが一番の問題点であることには留意すべき。
関連タグ
ベリル・ガット:作中で本蔑称と同じ意味合いの感想を口にしたため、更にそれを使い槍玉に挙げられる事態となった。
スマホ太郎:最初に「○○太郎」と呼ばれるようになった作品・主人公。
イキリツカ:こちらは二次創作においてメアリー・スー的な描写をされた藤丸立香を指す言葉。『FGO』第二部第1章辺りで増えたとされる。古くはU-1やスパシン、Hachimanなど、型月作品でもSHIKI、EMIYA、SHIROU、ZABIKOなどと呼ばれるものが流行っており、系統としてはそれらの後継だと言える。
ネット流行語100:2019年の単語の一つにノミネート。奇しくも前年の「藤丸立香」と同じ55位であった。なお、本来ならば蔑称であるために「流行語としてノミネートされてしまうこと」自体が異常である。
ニコニコ大百科:主戦場の一つとなった。
ガジェット通信 アニメ流行語大賞2019:作中では一度も使用例が無いにもかかわらず、銅賞を受賞している。この年は同様のノミネートが多く見られ、火に油を注ぐ結果となったことは言うまでもない。