干柿鬼鮫
ほしがききさめ
「干柿鬼鮫。以後、お見知りおきを」
プロフィール
人物
物腰は紳士的で口調は丁寧だが、性格は残忍で好戦的。基本的に相方であるイタチの意思を尊重しており、彼の指示には従順である事が多い。暁に入る経緯に共通点が多く、死の直前にイタチの言葉を思い出しているなど、案外良好な関係を築いていた。
鮫の口寄せ獣を使うためか、イタチに対して暁の組織の例えとして一部の鮫(シロワニ)が親の胎内で子供同士が食い合う生態を語るなど生物の鮫についての知識もある。
能力
忍刀七人衆が代々受け継ぐ特殊な刀の一振り大刀・「鮫肌」を振るう。優れた体躯と強靭な膂力を活かし、鮫肌で敵やそのチャクラを削り取る肉弾戦の他、自力で大規模の水を発生させる程の高位の水遁を操る。
自身も相手のチャクラを自分のチャクラに還元する能力を持ち、鮫肌の能力と合わせて暁のメンバーの中でも膨大なチャクラ量をもつ。白眼で経絡系を透視したネジの見立てでは、元の三割のチャクラでも普段のナルトに匹敵する程で、そのチャクラ量故に霧隠れでは「尾のない尾獣」とも呼ばれている。
武器
大刀・鮫肌
刀自身が意思を持ち、他人のチャクラを削り取り喰らう習性を持つ。鮫肌が喰らったチャクラを使用者に還元することで回復することも可能。
使用者と融合して肉体を強化することが出来、半魚人のような姿に変貌する。この状態になるとエラ呼吸になる為、水中戦での戦闘力が向上する他、鮫肌と融合した状態である為触れた相手のチャクラを奪い取ったり、相手のチャクラを感知して位置を特定したりも出来る。
活躍
過去
暁に入る前は情報が他国に漏れないようにするため仲間の護衛につき、暗号部が生きたまま捕まりそうになったり情報を吐くの防止するため仲間殺しの任についていた。そのため、イタチとは任務の為に仲間を殺したコンビということになる。
この時自分が手の汚れた任務を担当しているという自覚はあり、出来る限り自分を殺し偽りの存在であろうとしていた。同じ里出身で似たような境遇を経験している人物にはあの桃地再不斬もいる。
当時里が「血霧の里」と呼ばれていた元凶は当時四代目水影だったやぐらをトビが操っていたためであった。
やがて里を裏切っていた西瓜山河豚鬼を殺害して鮫肌を入手(その時の鬼鮫の表情や使用した得物の刀を捨てる仕草から、上司に対して相当な憤りを抱いていたのがわかる)した際に正体を露わにしたトビから才能を見込まれ「偽りを演じる苦しみから解放してやる」とスカウトされたのが抜け忍となり暁に加入したきっかけである。
さらにトビは組織内でも限られたメンバーにしか話さない「月の眼計画」についても明かしており暁の中でも相当信頼を置いていた事がわかる。
なお、トビからは素顔を明かされていたのだが『うちはマダラ』を名乗っていたため、あくまで彼を「マダラさん」と呼び続けており、真の素性までは知らなかったものと考えれる。
第一部
木ノ葉崩しの直後に、イタチと共に九尾の人柱力であったナルトを狙って木ノ葉に潜入、カカシ、アスマ、紅の3人を圧倒するも、援護に現れたガイの一撃を受け、そのままイタチと共に撤退した。
第二部
我愛羅の一尾封印の際には、自身のチャクラを与えた生贄を使って一尾奪還に向かう木ノ葉のガイ第三班のメンバー4人を足止めを行う。
サスケ率いる蛇改め「鷹」が暁に参入した後は、暁のアジトでトビに正体を告げられる。
鬼鮫は暁に入る前にも彼の素顔を見て、彼が四代目水影やぐらを操っていたことも知らされていたため「元水影様…いや、マダラさん」と彼を呼んだ。
「鷹」がキラービーの捕獲に失敗すると、代わりに自らがキラービーの元に向かい交戦、鮫肌と融合して自らが得意とする水中戦に持ち込み追い詰めるが、鮫肌がキラービーのチャクラを気に入った事で自身を裏切るという予想外の事態が発生し、さらには五影会談の帰途に付いていたエー]]らにも見つかってしまい、最終的にはエーとキラービーの連携技である「絶牛雷犂熱刀」を受けて敗北。首をはねられて死亡。
実際は水中戦の途中で自身の姿とチャクラをコピーした白ゼツを身代わりにして生き延びており、自身は鮫肌の内部に潜んでいた。鮫肌は普段鬼鮫のチャクラを吸ってエネルギーとしているために鬼鮫とチャクラが同じであり、雲隠れの忍達もそういうものだと推測していたため、
鮫肌が鬼鮫のチャクラを発していても誰も疑問には思わなかった。
島亀にて忍連合の情報を探るべくスパイ活動を行うが、雲隠れの島亀内部にてナルトが九尾チャクラモードを会得した後、彼の悪意感知によって鬼鮫は鮫肌に潜伏していることを看破されてしまう。
集めた情報を持ち退散を試みるが偶然遭遇したガイに蹴り飛ばされ三度戦闘。高度な水遁忍術で応戦するも、本気を出したガイが『八門遁甲・第七驚門』を開門した必殺体術「昼虎」を受け敗北。
拘束され山城アオバが脳を探り暁の秘密を探ろうとしたところを舌を噛み切って意識を取り戻し、秘密を守るため自身を水牢の術で閉じ込め、自ら口寄せした鮫に食わせて自決するという壮絶な最後を遂げた。
マイト・ガイとの因縁
鮫肌による膨大なチャクラ量やハイレベルかつ大規模な水遁術など作品内でも最強候補に挙げられやすいキャラの一人であるが、そんな彼にも弱点があった。
それはいかなる戦法もチャクラ在りきで使用するものが多いため、チャクラに依存しない戦法をする忍には相性が悪い事。それでも並大抵の相手であれば地力もあって早々遅れは取らないが、そのチャクラに依存しない戦い方をする体術使いの頂点とも言えるマイト・ガイはまさに鬼鮫メタと言っても過言ではないほどの天敵。
過去に何度か交戦しているが、ろくに名前や存在を覚えてもらえず「珍虫」「ふぐ」などひどい言われようである。これは直感的に相手の本質を見ようとするガイにとって、自分を偽りの存在として立ち位置が定まらない鬼鮫が印象に残りにくい為。
またいずれの戦いもまともにダメージを与えられないまま一方的に敗北を喫している。
死に際にイタチと「人間死ぬまで自分が何者かわからない」「一度でも仲間に手をかけたものはろくな死に方をしない」と自分の在り方について話していた過去を思い出し、自分も仲間のために動けた事に誇らしげであった。
ガイもその生き様に敬意を示し、干柿鬼鮫という名前をしっかりと心に刻む事を約束する。
その最期は忍としての本懐を遂げたものであり、誰よりも忍として散った男であった。