概要
ギャング組織「パッショーネ」のボス親衛隊の一人。褐色肌で長髪の男。
ボス直々の命令により、相棒のスクアーロと共に、ヴェネツィアにて裏切り者であるブチャラティ一行を襲撃する。
五部の悪役は基本的に仲間意識が強く、時には命を懸けてまで仲間への友情を尽くす者が多いが、彼もまたその内の一人。
名前の元ネタは一般名詞でなく、ヴェネツィア派のルネサンス画家「ティツィアーノ・ヴェチェッリオ」とされる。
人物
常に冷静沈着で、命のかかった状況であっても極めて優れた判断力を発揮する頭のキレる男。
どこか短気で冷静さを失いやすいスクアーロの頭脳として作戦を担当しており、主人公のジョルノを瀕死にまで追いやり、ナランチャを心身共に追い詰めた知略家。
親衛隊としてボスに対しても強い忠誠心を抱く一方で、スクアーロへの信頼も絶大で、命を賭ける程の友情ぶりを見せた。
普段は丁寧語で会話するが、焦ると口調がみだれ、一人称も「私」から「俺」になる。
活躍
ヴェネツィアに居るブチャラティ一行を始末する為にボス親衛隊の中からスクアーロと共に派遣され、まず追跡技能を持つナランチャを攻撃する。
スクアーロの攻撃で一度ナランチャを喋れない状態にした上で、ナランチャの舌にトーキング・ヘッドを取りつかせ、嘘しか言えないようにして他の面々を攪乱させつつ、各個撃破する戦術を取り、一度は護衛チームの中で最も厄介なジョルノをスクアーロのスタンド・クラッシュで捕らえて始末しようとする。
しかしナランチャの逆襲でスクアーロは手傷を負わされ、さらに居場所も見つけられてしまった。
ナランチャはスクアーロに向けてエアロスミスの機銃弾を発射するが、ティッツァーノが身を挺してスクアーロを庇い、蜂の巣にされてしまう。
その時のティッツアーノの最後の言葉は、
「これなら………ナランチャのところまで………
ジャンプできる『水』ができたろう…スクアーロ
ほんのちょっぴり………予定どおりではなかったが………
『勝利』にはかわりがない オレたちの『勝ち』には……な」
だった。息絶える彼の顔には、満足げとも見える笑みが浮かんでいた。
ティッツァーノの狙いは、攻撃役のスクアーロを守ると同時に、自分が撃たれた返り血を浴びせる事で、ナランチャの体に直接クラッシュが移動できる『水』を作る事だったのだ。
怒り狂い、ナランチャの喉をクラッシュに喰い破らせようとするスクアーロだったが、ナランチャの不屈の闘志はそれを上回り、エアロスミスのボラボララッシュを食らった彼は、相棒の後を追う結末となった。
ティッツァーノが命を投げ打ってまでスクアーロを庇ったのは、ボスに対する狂信的忠誠によるものか、それとも相棒スクアーロに対する友愛、もしくはそれ以上の感情の為せる業だったのかは、定かではない。
しかし己の命を失う行為すらも「ほんのちょっぴり予定どおりではなかっただけ」と言ってのけ、笑いながら死んでいった彼もまた、恐るべき『覚悟』を持ったギャングの一人だった。
アニメオリジナル
アニメでは、ドッピオがボスからの命令という体でスクアーロに電話してブチャラティ達の抹殺命令を下していた事が明らかになった。セリフ関連で特に変更は無かったが、喋る際の顔の距離が異常に近かったり、ティッツァーノがスクアーロの胸板にねっとりと手を這わすシーンがあったりと2人の間の妖しい雰囲気がさらに増している。(声優陣は“そういう”つもりで演じていたとの事)
そういった描写からアニメを見てジョジョを知った海外ファンの多くからは完全にカップルと見られており、色白のスクアーロと褐色のティッツァーノの組み合わせから「90年代にすでに異人種間のゲイカップルを描いていた先進的な作品」と評価され、妙な人気が出ている。
前日譚
2022年12月19日に発売される「JOJO magazine 2022WINTER」にて、スクアーロとティッツァーノを主役とした安藤敬而氏執筆のスピンオフ短編小説『ギャング側の証人』が掲載予定。
スタンド「トーキング・ヘッド」
【破壊力 - E / スピード - E / 射程距離 - B / 持続力 - A / 精密動作性 - E / 成長性 - E】
遠距離、特殊攻撃型のスタンド。
人間の顔の形をしている。骨針が飛び出た石仮面のようにも見える。
人間の舌にとりつき、考えている事と逆の事、つまりウソだけをしゃべらせることができる。
見た目通り力やスピードなどはないに等しいが、とりついた人間の舌をある程度自由に操ることもできる。またこれが取り付いている間はジェスチャーや筆談にも効力がある。
他のスタンド使いとのコンビを組んでの行動が前提のスタンドである。