望月千代女(Fate)
もちづきちよめ
「甲賀上忍、真名を望月千代女。クラスはアサシン。どうぞ拙者に、主命をお与えください」
プロフィール
概要
『Fate/Grand Order』に登場するアサシンクラスのサーヴァント。レアリティは☆4。
メインストーリーでは第1.5部亜種特異点Ⅲ(亜種並行世界)『屍山血河舞台 下総国』にて、アサシン・パライソの忌み名で登場。
また、第2部5章前編『神代巨神海洋 アトランティス』では汎人類史のサーヴァントとして登場。
カルデアのマスターに助力するため、潜伏していた。
真名
信州禰津村の文書に名を残すという戦国時代末期の女性、『望月千代女』。
甲斐武田家に仕えたという女忍者(くのいち)であり、後に武田信玄の命により甲斐・信濃における巫女たちの統帥を任され、彼女らに忍としての修行をつけ、「歩き巫女」として全国へ飛ばしたという。
甲賀望月家の出身であるとされるが、実際に忍者であったかは定かではない。
ある意味、彼女の存在は───
隠密活動を旨とするはずの忍者にとって矛盾する、
「高名な忍者」という命題に対する皮肉な回答であるのかもしれない。
ある日、山に分け入った夫を探して自身もその山に入り、そこで一尾の蛇をとっさの判断で殺めてしまう。
平素は野良仕事に暮れる忍び者にとって何気ないことだったが、彼女が蛇を仕留めたその場はこともあろうに伊吹大明神の支配する神域だった。
反射的だったとはいえ、蛇神(≒竜神)である伊吹山の主の懐で蛇を殺めてしまったことから、ただのくノ一だった千代女の運命は大きく狂いだす。
蛇に祟られる身となった千代女は、甲賀流の秘術を受け継ぐ「歩き巫女」となるも、蛇の祟りはことあるごとに彼女に不幸をもたらした。
全身に回る縄状の痣は伊吹山の神の祟りによる霊障であり、甲賀秘伝の異能を受け継ぐ証でもある。
本作に於ける千代女は、甲賀の祖先たる甲賀三郎が神によって与えられた呪(しゅ)を受け継ぐ、異形の力を有した存在である。
忍びとして主人のために活動するかたわら……
ただひとりの大蛇の巫女として、神の荒魂を鎮めるために祈りを捧げる。
人物
一人称は普段は「拙者」、素の状態では「私(わたし)」。
忠実で義理堅く、真面目。「仕える者」としてはトップクラスに優秀な性格をしており、マスターはかつての主と同じく「お館様」と呼び、常に近くに潜んで控えている。
絆レベルを上げていくと永劫の忠節を誓うまでになり、真名判明前に絆レベルを上げていくと、真名を告げられないことを恥じる姿も見られる。まるで忠犬。
幕間では「忍を使い捨ての道具と見ない、心から尽くせる主」と評している。
その一方で好きなものを聞かれて食べ物の好き嫌いと勘違いしたり、聖杯の存在を知らなかったり、偵察にいったらあっさりと捕縛されて情けない悲鳴をあげるなど、真面目であるが若干天然(ポンコツ)の疑いがある。また「冬の朝の寝起きが辛く、もう春までずっと寝ていたい」と語るなど、変温動物としての特徴の影響か、元々の性質なのか、多少ズボラな所も。
基本的に生真面目であるが自己評価が低く、ちょっと社畜っぽいところがある。
また後述の理由から蛇やそれに関わるものを苦手としている。
戦国、未亡人、少女、くのいち、巫女と属性てんこ盛りであり、その事を一部のサーヴァントから心配されているんだとか……
忍びや巫女として能力もさることながら、武芸や家事なども身に着けておりとくに料理の腕は高く、バレンタインで作ったチョコは厨房常駐のサーヴァントたちからお墨付きを貰うほど。
また、くノ一という職柄、情報収集、破壊工作以外にも殿方を誑かすような事もやっていたという。
サーヴァントとしての考えは英霊剣豪であった巴御前と同じく死人と考えており「かつてを生きた望月千代女はもはや存在しない」と語り、自身はその影法師であると定義している。
ちなみに主に求められれば身体も許すことを酒天童子に「それ(生前の旦那に対する)浮気じゃないか?」とからかわれた時、「(生前の千代女とは別人なので)浮気じゃない」と赤面混じりに否定している。
初期状態は表の記事でもネタにされた通りHOTLIMITの衣装のような姿。
一度目の再臨を行うと忍者装束と頭飾りを付け、髪を二つ結びに結ぶ。
最終的に諸国を巡る梓巫女のような華やかな姿となり、眼帯で隠していた右眼も見せてくれる。右眼の虹彩が違うのは、蛇神の呪の影響と思われる。そして衣は何とシースルー。
また、頭飾りには望月家の紋である「九曜紋」が、巫女衣装には武田氏の家紋である「武田菱」が描かれている。
能力
ステータス
マスター | 筋力 | 耐久 | 敏捷 | 魔力 | 幸運 | 宝具 |
---|---|---|---|---|---|---|
藤丸立香 | D | D | A | C | C | C |
保有スキル
気配遮断(A+) | 自身の気配を消すスキル。発動すれば、サーヴァントであっても感知はほぼ不可能となる。ただし、攻撃時には効果が大幅に薄れてしまう。 |
---|---|
呪術(巫)(C→C++) | 信濃巫として、ある種の呪術を修得してる。アサシンとしての現界にあたり呪術行使能力の多くは失われているが、Cランク程度の力は残されている。 |
おろちの呪(B) | 先祖代々受け継がれてきた異能の力。甲賀望月家の祖に深く関係する「伊吹大明神」による呪詛であり、所有者の肉体と精神を苛むが、コントロールできれば不可視の毒として強力な武器となる。各世代につき必ず一人、甲賀望月家の人間はこの力を有している。 |
甲賀流(A) | 甲賀望月家に伝わる、特殊な戦闘術を主体とした忍術体系。忍術スキルの効果を含む複合スキル。 |
忍術(A) | 忍術たちが使用する諜報技術、戦闘術、窃盗術、拷問術などの総称。甲賀五十三家筆頭望月家の息女として生まれ育った彼女はAランクを所有。 |
破壊工作(C+) | 戦闘を行う前、準備段階で相手の戦力をそぎ落とす才能。トラップの達人。ただし、このスキルが高ければ高いほど、英雄としての霊格は低下していく。 |
口寄せ・伊吹大明神縁起(くちよせ・いぶきだいみょうじんえんぎ)
- ランク:C
- 種別:対人宝具
- レンジ:1~30
- 最大捕捉:1人
「参りまする。」
「呪え、我が血を。祟れ、我が罪を。甲賀三郎より幾星霜、雪げぬものが此処にはあろう。『口寄せ・伊吹大明神縁起(くちよせ・いぶきだいみょうじんえんぎ)』!!」
甲賀望月の祖とされる伝説の存在・甲賀三郎にまつわる呪を通じて、恐るべき大明神の神通力を一時的に借り受ける。
具体的には、口寄せによって伊吹山の神たる伊吹大明神───すなわち『諏訪縁起事(神道集)』『大岡寺観音堂縁起』にて衣を通じて甲賀三郎に祟った邪神・ヤマタノオロチの分霊を限定的に使役して攻撃対象を呪殺する。
攻撃対象となった者は大蛇状の魔力に巻き付かれ、絶命する。
関連人物
生前
『甲斐の虎』の異名で知られる、生前に仕えた甲斐武田の戦国武将。かつての『お館様』。
伝承によると、彼の下で「歩き巫女」と呼ばれる梓巫女の集団を率い、諸国を遍歴させ、情報収集などの諜報活動を行っていたという。
望月盛時
生前の夫。盛時は「せいじ」と読む。
後妻として嫁入りして間もなく、川中島の合戦で死別したとされている。当時は慕っていたようで、彼の死が彼女の戦嫌いにつながっており、彼のことはあまり話したがらない。
ちなみに彼との死別後、千代女は巫女としての才能を買われ、武田家に直接仕える事となる。
盛時自身も信玄に迫る策謀の才を持ち、和平が成った際は信玄から太刀と馬を送られたと言われている。
その後も右腕の一人として活躍するが、上記の合戦で槍に貫かれ死亡した。
武田家を潰した怨敵と呼べる存在。しかし、戦国関連の話でも現状触れられてはおらず、どう思っているのかは不明。
Fate/Grand Order
契約したマスターにしてお館様。
本人曰く、「忍びを使い潰そうとしないお方」とのことで他の忍者勢と同じく深い忠誠を誓っている。
亜種並行世界で対峙した風魔の頭領。
偉大な忍者として尊敬しているようだが、ぼっちであることを嘆いていたりもする。
亜種並行世界にて共演したからくり忍者。
史実では武田家の下の同僚であった時期もある。
段蔵の方は再会を喜んでいるが、千代女は何故か目を逸らしている。
千代女からは「話をしなければならないが、今ではない」というコメントが聞ける。
※ 加藤段蔵は史実だと信玄関連で色々な説(段蔵の能力を恐れた信玄に暗殺された、スパイであり信玄の命を狙う暗殺者など)が囁かれている為。
彼女の呪のルーツに関わりのある鬼。
亜種並行世界で彼女を骸とした英霊剣豪にやられた仕打ちが関係しているかは不明(事実、千代女は亜種並行世界での記憶を保持していない)だが、千代女は彼女から「ヤマタノオロチの気配」を感じることから怯えるほど苦手意識を持っている。
逆に酒呑にとっては自身のルーツに関わりのある事から「同族」として見ており、千代女を可愛がり、素直じゃないながらもお節介を焼いたりしている。
下総国では特に交流している描写も無かったが、真面目であるが若干抜けがちな巴と生真面目な千代女では組み合わせが良い様で、その後のイベントや幕間では度々共演することも多い。
余談
出典は史実からとされているが、実のところ存在する史料の信憑性が薄く、望月千代女なる人物が実在したという確証は無い。この点は「平家物語」にしか登場が確認されていない巴御前と同様である。
また、イラストが公開された直後、霊基第一段階の中性的な姿から「少年ではないか?」と思っていたユーザーもおり、それと蛇が締め付けたかのような肌のアザと、苦無らしきものを獲物としている事やアサシンのクラスである事から、「理由があって少年姿になっている甲賀三郎なのではないか?」と真名の予想を立てるものも居た。結果は惜しいところまでは行っていたのだが……
ちなみに、「千代女」と書いて『ちよめ』と読まれているが、実際には『千代と呼ばれる女性』という意味での「千代女」らしい。