概要
「Windows9x」は、Microsoftが1995年から2000年代初頭にかけてリリースしていたOSである。「Windows9x系」とも呼ばれる。
従来のWindowsはMS-DOSの拡張環境であったが、9x系はDOSとWindowsを完全統合している。 WIndows NT系からWin32APIを移植したが、Windows3.1との互換性を持たせるため、カーネルに16ビットコードと32ビットコードが混在していた。
現代的なOSの条件であるプリエンプティブ・マルチタスクとメモリ保護(ClassicMacOSを参照)を限定的にしか持たない。Win32アプリはそれぞれ独立したメモリアドレス空間で動作するが、Win16アプリはすべてのアプリケーションでメモリアドレス空間を共有していた。
一覧
Ver | 製品名 | 発売日(日本語版) |
---|---|---|
4.0 | Windows95 | 1995年11月23日 |
4.1 | Windows98 | 1998年7月25日 |
4.1 | Windows98 SecondEdition | 1999年9月10日 |
4.9 | WindowsMe | 2000年9月23日 |
特徴
サーバ及び業務用とされたWIndows NT系に対し、9x系は一般家庭用とされており、動画などのマルチメディアやPCゲームに強い。DirectXが最初にリリースされたのもこの9x系である。USBや周辺機器のプラグアンドプレイ(つなげばすぐ使える)の対応も優先的になされていた。
前述の通り、カーネルに16bitコードが含まれているため、システムリソースの不足によるフリーズやクラッシュ、ブルースクリーンが起きやすく、安定性はイマイチ。
最終バージョンであるMeは、この問題を引き継いだまま多機能化を行ったため、他のOSに比べて特に不安定だったりする。
また、メモリ保護機能を持たないため、ひとたび暴走するとシステムメモリを破壊してブルースクリーンに陥る。プリエンプティブ・マルチタスクは不完全で、32ビットアプリケーションに限って行うことができた。16ビットアプリケーションは協調的マルチタスクのままだったため、システムを巻き込んでクラッシュしてしまいがちだった。
終焉
NT系で最初にUSBやプラグアンドプレイへの対応を果たしたWindows2000は、一般消費者からもある程度のの支持を受けた。2001年にリリースされたWindowsXPによりNT系への一本化が実現。9x系の開発は完全に終了した。
9xのいずれのバージョンもすでにサポートが終了して久しく、複数のCPU(マルチコア含む)に対応できない、大容量のハードディスクや物理メモリを扱えない、そもそもUEFIに対応していないため、近年のハードウェアで動かすのは困難である。9xを動かす必要がある場合はもっぱら仮想環境が用いられる。
関連タグ
Microsoft MS-DOS Windows WindowsNT