ストーリー
ある日、ドラえもんはのび太からドラ焼きと引き換えに「2~3日分溜まってるけど、みんな明日出さなきゃいけないんだ」と大量の宿題を押しつけられる。
最初にドラ焼きの山を前にして「なんか不吉な予感がするけど、目の前に置かれるともう我慢ができなくなるよ」と若干警戒するドラえもんだったが、のび太から「ほんのささやかなお礼だよ、いつもいつも世話になってるから」「僕が困ってる時や苦しんでる時、嫌な事でも面倒な事でも必ず助けてくれるのが君だ」と煽てられて後に引けなくなり、宿題を頼んだ後「邪魔にならないよう他の部屋で寝るからね」とさっさと去っていくのび太をよそにドラ焼きをやけ食いするのだった。
翌朝になってのび太が起きると、宿題は終わっているもののなぜか部屋の中は荒らされドラえもんはボロボロになっていた。「誰だ、こんな目に遭わせたのは !? 強盗でも入ったのかい !? 」と驚いて警察を呼ぼうとするのび太だったが、ドラえもんは「違う、自分でやったんだ」と意味不明な一言を残して寝入ってしまう。
寝ている間に何が起きたのか知るために、のび太はタイムマシンで前夜に戻り、自室の押し入れに隠れて様子を見ることにした。
そこにはブツブツ文句を言いながら頼まれた宿題をしているドラえもんの姿があったが、その量は多くてとても自分一人では終わりそうもない。そこでドラえもんはある方法を思いつく。
それはタイムマシンで連れてきた未来の自分に宿題を手伝わせるということ。
さっそく2時間後、4時間後、6時間後、8時間後の自分を呼びに行ったがなぜか全員ボロボロで、後の時間になるほど連れてこられるなり逃げようとしたり、イライラしていたりとなかなか協力してくれない。
それでも強引に説得し、5人がかりで宿題は終わらせることができたが、帰り際に連れてきた4人に「ほんのお返しだい」とボコボコにされてしまう。それでも、宿題が終わったことに安心してドラえもんは眠りにつくのだが…
しかし本当の地獄はここからで、その2時間後、彼の下を訪れる者がいた。
「なんだ君は?」
「2時間前の世界から来たよ」
「えっ、宿題?もうやっちゃったはずだぞ」
「こっちの時間では、これからやるんだ」
そう、2時間前に「2時間後の自分に宿題を手伝わせた」ということは、今これから、自分が宿題を手伝うために過去へ行かなければならないということ。なんとか2時間前の世界の宿題を終わらせるものの、4時間後、6時間後、8時間後も過去の自分が宿題を手伝わせるために過去の自分が迎えにくる(わさドラ版ではここで自分の致命的なミスを悟って、「なんで気づかなかったんだ !?」と愕然とする描写がある)。睡眠不足とストレスはどんどん重なっていき、とうとう怒りで我を忘れてしまう(詳しくは「やろう、ぶっころしてやる」にて)。
事の顛末を知って自分の行いを反省したのび太は、お詫びとしてドラえもんにドラ焼きを差し出すのだが、また何かやらされると思ったのか大好物のはずのドラ焼きを怖がって逃げ出すというオチで終わっている。
余談
- 終盤でブチ切れたドラえもんがのび太を追いかけ回すシーンでは、のび太が「ついに狂った」と言っているが、現在の単行本では「ついに怒った」に変更されている(ただし、大全集ではこの話だけ「ついに狂った」に差し戻されている)。
- のぶドラ版アニメ(1991年9月6日放送)においては冒頭のみだがしずか、スネ夫、ジャイアンが登場しており、のび太がなぜあのような手段に出たかがより鮮明に描かれている。さらに、終盤でブチ切れたドラえもんが追いかけ回した相手が、なぜかのび太ではなく8時間前の自分自身に変更されている。
- 一方、わさドラ版アニメ(2005年6月10日及び2011年2月11日放送)では、始まり方や終盤にかけての展開が非常に原作に沿った内容となっている。またドラえもんの「自分殺し」のセリフが「自分いじめ」に変更されたり「分解してやる!」「自己責任だろ?」と新たなネタセリフが追加されるなど、アニメ版では全体的に過激な発言が修正されている。
やろう、ぶっころしてやる。
「やろう、ぶっころしてやる。」
「きゃあ、じぶんごろし。」
「やめろよ。じぶんどうしのあらそいは、みにくいものだ。」
「ねむいと、気があらくなるんだな。」
「はやく、宿題やってねようね。」
※いずれも原文ママ、上から順に8時間後、現在、6時間後、2時間後、4時間後のドラえもんのセリフ。
このシーンのパロディイラストも投稿されている。
SF短編
「昨日のオレは今日の敵」内容からして「ドラえもんだらけ」のリメイク作品
ある中堅漫画家が、たった一人しかいないアシスタントと喧嘩してしまう。
一人で執筆作業に掛かるもののついつい仕事をさぼりがち、遂には締め切り間近 !?
絶望的な状況で一人部屋を駆け回る中偶然過去へタイムスリップ !?
過去の自分を説得して未来へ帰ると漫画家はさぼってしまう。
そこへ過去の自分が文句を言いにやってきた…
しまいには未来の自分も入れて3人で執筆作業をすることになるという、シュールなエンド。
関連タグ
ドラえもん(キャラクター) やろう、ぶっころしてやる タイムマシン(ドラえもん) タイムトラベル ※主人公です
ぼくを止めるのび太:こちらは「ドラえもんだらけ」ののび太バージョン。
自分会議:同作者が描いたSF漫画作品。
D4C:方法は違うが、同一人物が複数の時に使用される。
快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー:第35話がこのエピソードのパロディ的な内容だった。