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概要編集

藤子・F・不二雄SFマガジンで発表したSF短編

成長するごとに汚れていく未来の自分を描いたブラックユーモア短編。ドラえもんだらけをシリアスにしたような話。


あらすじ編集

物語は、貧乏な学生の主人公「ぼく」がぼろアパートの一室を紹介されるところから始まる。

「ぼく」はその部屋に妙に見覚えがあった。「ぼく」が子供の頃に見た夢の中に出てくる部屋にそっくりだったのだ。

その夢とは、「子供の頃のぼく」が知らないおじさんに連れられてこの部屋にやって来た。その部屋ではさらに3人の知らないおじさんがいて、自分を連れて来たおじさん共々ひどくもめているというものだった。

しかしさほど気にも留めなかった「ぼく」は、その部屋を借りることに決めた。


食事をとろうとした「ぼく」だが、所持金は80円しかなかった。ラーメンも食べられないとぼやいていた「ぼく」。するとペン立てのすぐそばに100円玉が落ちているという謎の声が聞こえた。

声がする方を振り返ってみると、そこには謎の男がいた。その男は「9年と2ヶ月後のぼく」でタイムマシンを開発してやってきたのだった。さらに「9年と2ヶ月後のぼく」は「これから来る客によって、未来が大きく変わる」と語った。


やがて転機が訪れた。「ぼく」は時価3億円もの山林の相続人だったことが発覚し、一気に大金を得るチャンスが転がり込んできたのだった。

しかし「9年と2ヶ月後のぼく」は子供が大金を持つとろくなことにならないと自分に預けるよう迫って来た。「9年と2ヶ月後のぼく」は得た金をギャンブルにつぎ込んでしまい、過去の失敗を正すためにやってきたのだった。

するとそこに「23年後のぼく」が現れた。23年後は3億円が紙くず同然になるほどのスーパーインフレになっており、それまでは山林を売らずにとっておけと言った。

今度は「33年後のぼく」が現る。33年後は全ての土地が国有化されるため、今すぐ土地を売って金を宝石に変えるよう言って来た。


互いに譲らない未来のぼく達に対し、「ぼく」は自分同士の争い程醜いものはないと多数決を取ってみたが、結果は真っ二つ。

そこで「ぼく」は「それぞれの年代が権利を主張するなら、過去の年代にも発言権があるはずだ」と過去の時代から「子供の頃のぼく」を連れてきて決めてもらおうと提案した。

やがてタイムマシンで「子供の頃のぼく」を連れて来た。「ぼく」が子供のころ見た夢は正夢だったのだ。


やがて会議が始まったが、夢と内容が大きく変わり始めていることに気付いた「ぼく」。

3人の「ぼく」の話し合いは解決するどころか激化していく一方で、自分の醜さに「ぼく」は自己嫌悪に陥っていく。

すると「子供の頃のぼく」が立ち上がり、窓から真っ逆さまに落ちたのだった。

自分の醜さに絶望した「子供の頃のぼく」が導き出した答えは、「自らの死」だった。


過去が消えた事によって未来も消滅。後には誰もいないアパートの一室が残されるのみだった。


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