ヒョンヒョロ
ひょんひょろ
きょうはく状
ヒョンヒョロを
ください
くださらないと
ゆうかいするてす
マーちゃんどの
異次元から来たと称するウサギに似た容姿の無敵万能な怪人、彼は「ヒョンヒョロ」なるものをくれなければ誘拐するという内容のきょうはく状をマーちゃんという子供に渡すのだが……。
常識の違いによるコミュニケーションの難しさを描いた怪作。
ナンダコレハ! コンナ紙キレデ ゴマカス気デスカ。
「かんべんしてくれよ。それしかないんだ」
「いったいヒョンヒョロとはなにかね」
ヒョンヒョロヲシラナイ!?
宇宙最高最大ノ価値アル、アノヒョンヒョロヲ!?
非常識ナ! アマリニモ非常識ナ!!
イーヤ信ジラレナイ!!
「ママ!!」
翌朝。
目を覚ましたマーちゃんは母親に呼びかける。
しかし返事がないので、マーちゃんはおもちゃで遊びだす。
するとおもちゃ箱の中から小さな球が、眩い光を放ちながら転がり出てきた。
「ママ!! ぼくうそつかないよ」
「こないだひろった おほしさまだよ。ヒョンヒョローって空から落ちてきたの。」
「どこへ行ったの」
その声に応える者は、誰もイナイ。
誘拐ハ実行サレタノダーー。
- 余談
ドラえもんのどら焼き屋さん物語では短編作品の中では珍しくストーリーを持つ。
ドラえもんの世界に原作同様ヒョンヒョロを探しに来ているが、きょうはく状を使う事なくのび太達に尋ねている。のび太がマーちゃんらしき少年がヒョンヒョロと思われるものを見つけていた事を目撃しており、それを教えたことでうさぎの怒りを買う事はなかった。
アイテムのヒョンヒョロをうさぎに与えることで見られるストーリーのため、無事にヒョンヒョロを見つけて穏当に終わる事が出来たというまさかのハッピーエンドとなった。
ちなみにお客になるとお願い事に派遣出来るようになるのだが、うさぎはネコの喧嘩や悪の組織の打倒など、荒事系のお願いを得意としている。