メカニックデザイン:大河原邦男
概要
C.E.73年時における地球連合軍の主力機。「ダガーの性能とストライクダガーに準じた簡略化を両立する」コンセプトを持ち、ダガーと同様のストライカーパックシステムに対応する。胴体部ラミネート装甲の排除や装甲の削減など、随所にコストダウンがなされているが、基本性能はダガーにほぼ匹敵する。
機体名称のLは「Lightweight clothing」(英語で軽装の意)の頭文字。
就役は古く、元々はヤキン・ドゥーエ陥落後の、プラント制圧戦を目的に開発された。そのため同年の時点ではかなりの数が量産され月基地に配備されていたが、ジェネシスに脅威を感じた地球連合軍上層部によって地球に強制的に帰還させられていたため、出撃は無かった。
その為、ユニウス条約締結式の警護を務めた後、実際の初陣は南アメリカ独立戦争からで、以降はC.E.73年まで地球連合軍の主力として運用されていた。同じくストライカーパックシステムを採用した次世代型主力機GAT-04 ウィンダムの配備が本格化し、各戦線で交換配備が進んでいる。
武装
M2M5 トーデスシュレッケン12.5mm自動近接防御火器
頭部と胸部に各2門ずつ設置される近接防御火器。イーゲルシュテルンに比べ6分の1という小口径だが、弾芯や炸薬の改良などによって威力の低下は2分の1に抑えられている。小口径化に伴うスペースの余裕から装弾数が増加している。
トーデスシュレッケンとは、ドイツ語で「死の恐怖」の意味。
M703k ビームカービン
「M703 57mmビームライフル」の短銃身モデル。連合、ザフト、オーブ全軍を通じて従来のビームライフルよりもかなり小型で、そのサイズはカービン(小銃)よりもむしろMS用のハンドガンと言える。
威力や射程距離よりも取り回しや速射性を重視した装備といえるが、本機の任務がプラント制圧戦であった事から外壁への影響を考慮した設計にしたためとも考えられる。
ES04B ビームサーベル
両腰アーマーにマウントされているビームサーベル。なお、両腰のアーマーは内部のスティレットを含めてウィンダムと同一の装備。
Mk315 スティレット投擲噴進対装甲貫入弾
両腰アーマー内に格納される投擲用の短剣。投擲後はロケット推進によって目標に到達し装甲を貫徹、内部で炸裂しダメージを与える。
Mk39 低反動砲
MSの全高に匹敵するサイズの肩掛け式携帯火砲。発射時に銃尻からカウンターとなるガスを噴射するとで反動を相殺する。ザフトのジンが装備する無反動砲より大型。
劇中ではダークダガーLがアーモリーワンの宇宙港を攻撃するのに用いられた他、通常型のダガーLにも装備されている。弾種は不明。
ストライカーパックシステム
本機最大の特徴でもあるストライクと共通の換装システム。(ソードとランチャー等の肩部ユニットが必要な装備の場合は、肩部を換装システム対応用に変更する必要が有る。)
AQM/E-X02 ソードストライカー
アンカー付きの小型シールズとMS本体の身長に匹敵する大剣を装備した、白兵戦用ストライカーパック。
対艦戦闘能力やMS同士の白兵戦を想定を重視した構成をとる。
AQM/E-X03 ランチャーストライカー
バスターの流れをくむ砲撃戦用のストライカーパックで、重武装故に機動力は低下するが(重量はエールよりは軽いが、その重量を動かすだけの推力を持ち合わせていないために機動力が低い)、ストライカーパックの中でも屈指の大火力を誇る。
AQM/E-M11 ドッペルホルン連装無反動砲
大型の実弾砲塔を備えた対艦攻撃用のストライカーパック。
ランチャーストライカーとは異なりマニピュレーターを用いない装備である。
AQM/E-A4E1 ジェットストライカー
大気圏内用の高機動空戦型のストライカーパック。
エールストライカーとは異なり、装着する事で戦闘機のように自在の飛行が可能。
バリエーション
ダークダガーL
漆黒に塗装されたダガーL。
機体性能は通常機と変わらないが、宇宙空間での視認性を抑えるためのステルス機能を備えている。
ガンダム強奪作戦の陽動の際、アーモリーワンにて港に停泊するザフト艦の攻撃に使用された。
ワイルドダガー
強奪したガイアガンダムのデータを基に、実験用に開発された試作可変MS。
詳細は該当記事を参照。
ダガー、ストライクダガー
ダガーLの開発ベースに当たるダガー系MS。
ダガーはコストダウン前の原型機で、ストライクダガーは戦時量産のために徹底した簡略化されたダガーに当たる。
関連動画
立体物
放映当時はプラモデルは登場せず、可動フィギュア「モビルスーツインアクション!」や食玩「ジーフレックス」、ガシャポンフィギュア「SDガンダムフルカラー」などで展開された。
MIAの方はジェットストライカーが付属しており、別売りのウィンダムに装着可能だった。
2020年11月12日のガンダムEXPOにてHGCEダガーLが発表・展示され、後継機であるウィンダムに続いて初のガンプラ化となった。2021年4月10日に発売。
付属品はビームカービン、ビームサーベル、シールドの3種類。こちらもスティレットは付属せず。
先に発売されたウィンダムと異なりストライカーパックは付属しない他、関節はHGBFビルドストライクガンダム(HGCEエールストライクガンダム)のものを流用しているのでファインビルドには属さないが、何とこのキットはシールが付属せず成形色のみで殆どの色分けを再現している(足りていないのはスラスター内部やシールド内側などごく一部)。
本キットの発売直前にプレミアムバンダイ限定でドッペルホルン連装無反動砲とマルチランチャーパックのセット(ダガーL、ウィンダム本体は別売り)「ウィンダム&ダガーL用拡張セット」の発売が決定された。
こちらはストライカーパックに加え、マルチストライカーに搭載可能な核弾頭ミサイルと、ダガーLとウィンダムに使用可能なスティレットが付属する。
2022年12月にプレミアムバンダイから本キットをベースに一部新規パーツを追加したストライクダガーが発売される事が決定した事で、MSV系初出機以外の地球軍量産型MSのHGキットが一通り揃う事となった。
なお、バリエーション機のダークダガーLに関しては現時点ではキット化されておらず、装備していた「Mk39 低反動砲」も立体化されていない。