概要
基本的な経歴については前作の彼女の項目を参照。
前作から引き続きヒロインとして登場。本作では髪の毛をボブカットに切り揃えているのが特徴。
前作から約6年が経過していると思われるため22~23歳と見られる。
ハイラル復興を志す彼女は、各地の集落に直接赴いて交流していたようで、各村の人々には「ゼルダ様」「ゼルダ姫様」と慕われている。
ハイラルの南東にあるハテノ村の一角、前作でリンクがサクラダ工務店から購入した民家が、本作では彼女の住まいである。
村には彼女の指導で学校も建設されており、先生としても顔を出していた様子。
ハイラル城の地下から瘴気が漏れ出した事を聞き、リンクと共に調査に赴くところから物語は始まる。
禁忌とされるため王家の人間でも立ち入ってはならなかったその場所には、かつてハイラルにいた謎の民族「ゾナウ族」、そして神話の時代に巻き起こったという「封印戦争」についての記録が遺されていた。
やがて最奥に辿り着き、瘴気を噴き出す謎のミイラを発見。
だが突如そのミイラが眼前で復活を果たし、瘴気の攻撃を受けてしまう。
リンクが右腕とマスターソードを犠牲に庇った事で事なきを得たものの、彼を瘴気で衰弱させマスターソードも破壊されてしまい、直後、ミイラが起こした異変によりハイラル城は上昇し、床が崩れ始める。
リンクが手を伸ばすも届かず、ゼルダは地の底へと落ちていき……その半ばで、謎の黄金の光に包まれ、忽然と消え失せてしまった。
その後天空の遺跡で目覚めたリンクは、ゾナウ族にして初代ハイラル国王ラウルの魂から、ゼルダが彼の元で保護されていたという話を聞く。
その後リンクはゼルダと再会するも、彼女はなぜか一言も話さずリンクの前から姿を消してしまう。それでも後を追うリンクの手からマスターソードが消失し、どこかにいるゼルダの元へと届けられるのだった。
地上に戻ったリンクはハイラルの各地で異変が起きていることを知り、調査へと向かう。
しかし、どういうわけかその異変の裏に、ゼルダの姿が見え隠れして……。
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ネタバレ
封印戦争の真実
※以下はティアーズオブザキングダムのストーリーに関するネタバレを含みます!
異変が頻発する旧ハイラル城の地下へ調査に赴いたゼルダ。そこで見たのは、神代の時代に起きたハイラル建国の物語と、封印戦争と呼ばれる戦いの顛末が描かれた壁画であった。
学者肌であるゼルダは、世紀の大発見とも形容すべきそれに興奮するものの、その先には、とても悠長なことを言っていられない光景が広がっていた。
それは、淡い緑の日からを放つ腕が、ミイラ状に干からびたとある肉体を押さえつけている場面だったのだ。
時が止まったかのように拮抗するその二つのうち、腕の方から取り落とされた謎の光る石を手にした。
その途端、ミイラは腕を振り払って起き上がり、言葉を発し始めた。さらに、ミイラは己の力を操って、ゼルダを守ろうとしたリンクを障気で蝕んだだけでなく、万全なマスタードの刃すらも、薄氷のように易々と打ち砕いてしまった。
さらに、ミイラは地下空間を振動させる地殻変動が発生させる。それに巻き込まれたゼルダは、思わずリンクの方へと手を伸ばす。だが、両者の手はあと僅かに触れ合うこともできずに離れ、ゼルダは暗黒の中に消えていった…
気が付くとゼルダは二人の人物に保護されていた。彼らは初代ハイラル国王ラウルとその妻ソニアといった。
ゼルダはハイラルの王女という身分を明かすが、ハイラルに王族が3人もいるのはおかしい話だった。その食い違いからゼルダは、自分が過去の時代……ハイラル建国の時代に来てしまったのだと悟る。
ひとまずゼルダは二人の遠い血縁者として城に住むことになった。
ラウルはゼルダが持つ秘石を見て信用してくれたが、ソニアの方は血の繋がりを感じ取って身内だと気づいていた。そう、この二人はゼルダの先祖でもあったのだ。
秘石は持つ者の力を倍加をさせるゾナウ族の秘宝。そしてラウルとソニアの子孫であるゼルダには、光と時を操る能力が備わっていた。ゼルダが時間を遡ってしまったのは秘石の力によるものだった。
ゼルダはラウルの姉ミネルを紹介される。
ゾナウ族でも知恵者である彼女なら元の時代へ戻れる方法がわかるかもしれないとのことだったが、ミネルでもよい手段は思いつかなかった。
「秘石を飲み込むと不老の龍となる」という話は聞けたが、引き換えに心を失ってしまう。自分の時代まで生きられてもそれでは意味がないとミネルは却下する。
ゼルダが時の能力を使いこなせるようになれば……とラウルの提案によりソニアに師事することとなった。
そんな中、ハイラルに不穏な影が忍び寄る。
ある日、ラウルの招聘に応じてゲルド族の王が謁見にやって来る。男はガノンドロフと名乗った。
ガノンドロフは一族揃ってラウルの臣下に加えてほしいと頭を下げる。ラウルもソニアも快く受け入れるが、ゼルダは黒い野心を感じ取らずにはいられなかった。何より「ガノンドロフ」という名前の響きには不安を覚えてしまうのだ。
そのことをラウルに話すが彼もガノンドロフの邪心は見抜いており、監視・制御のためにあえて迎え入れたという。そう言われては反論などできず、受け入れるしかなかった。
ソニアの下で時の力の使い方を学ぶ日々。それは平穏な日常でもあった。
ゼルダはラウルとソニアの前で未来のハイラルを救った剣士リンクのことを語る。鍛錬を続けて技を磨き、どんな時でも決してあきらめない。本当の強さを持った勇者。それがリンクだと。
興味を惹かれたラウルは「一度会ってみたい」と言い、ソニアは何かを察したようにゼルダに微笑んでいた。
そんな平穏な日常は突然終わりを告げる。
『ゼルダ』はソニアを呼び出すなり背後からナイフを投擲する。だがその凶刃はソニアを貫くことなく制止する。物陰から現れたゼルダが時の能力で阻止したからだ。
この『ゼルダ』はガノンドロフが生み出した操り人形であった。悔しそうに歯噛みする『ゼルダ』だが、次の瞬間には邪悪な笑みを残して消え去っていた。
危機は去ったのかと警戒を解くゼルダとソニア。直後、ソニアは呻き声を上げて倒れ込む。背後には秘石を手にしたガノンドロフが立っていた。
ソニアが持つ秘石を奪い取ったガノンは、邪悪な哄笑を上げる。そして醜い心が反映されたかのような鬼を想起させる姿へと変貌したのだった。
ラウルが駆け付けるも全ては手遅れ。ソニアは絶命し、ガノンドロフの力は既にラウルを上回っていた。
機転を利かせたゼルダがプルアパッドのワープ機能を用い、ラウルとソニアを連れて撤退する運びとなった。
その後、魔王と化したガノンドロフは無数の魔物たちを生み出しハイラルに対して総攻撃を仕掛ける。これが後世に語り継がれる封印戦争の幕開けであった。
対抗するべくラウルはリト族、ゴロン族、ゾーラ族、ゲルド族の中から実力者を選抜。賢者として秘石を与え戦力とした。更にミネルとゼルダも加わり、魔王討伐に向けて動き出す。
だがしかし、ゼルダにはわかっていた。ガノンドロフは倒せないと。
そう、ゼルダは気づいたのだ。現代のハイラル城で自分を襲った謎のミイラ。あれこそがガノンドロフだったのだと。魔王は滅ぼされることなく自分の時代まで生き延びていたのだと。
そのことをラウルに話すが、彼はハイラルの王として命を賭して戦う覚悟を決めていた。勝てなかったとしても、その時は勇者リンクに託すと答える。
そして全戦力をぶつけた決戦の日。
魔王の力は強大であり傷一つ付けることはできなかった。そこで賢者たちとゼルダが作ったわずかな隙を利用してラウルが肉薄。魔王の心臓に右腕を打ち込み、魔力を抜き取る形で封印を施したのだった。
引き換えにラウルは死亡し、封印されたガノンドロフはハイラル城の地下に秘匿されることとなった。
ラウルの遺言に従い、ゼルダは来るべき日に備えて動き出す。まずは賢者たちに「勇者リンクの力になってほしい」と約束を交わした。
しかし今のままではリンクでも勝てない。魔王を倒す手段を模索するゼルダの前に一振りの剣が現れる。朽ちて砕けた刃には見る影もないが、それは間違いなくリンクの相棒であるマスターソードであった。
ゼルダは悟る。マスターソードは復活するために時を駆けてここへやって来たのだと。同時に自身がこの時代にやってきた意味も。
ミネルは先の戦いで全身を瘴気に侵され死を待つばかりだった。そんな彼女にゼルダはマスターソードなら魔王にダメージを与えられるという事実を話す。
マスターソードが砕かれた時、破片が魔王の頬を傷つけたのをゼルダは見逃さなかった。マスターソードは確かに敗れた。しかし通じなかったわけではない。魔王と抗するには力が、強度が足りなかっただけに過ぎないのだ。
しかしミネルは、マスターソードを蘇らせる方法はないと落胆する。するとゼルダは恐ろしい提案をした。
その覚悟を受け、ミネルは死に行く肉体から魂を分離。プルアパッドに宿り、長い年月を過ごすこととなった。
残りの賢者たちもゼルダの覚悟を見届け、それぞれが来るべき日に向けて備えることに。
退魔の剣と時の賢者のその後
※ティアーズオブザキングダムのストーリーに関する重大なネタバレを含みます!
「リンク…
リンク…
貴方の剣 マスターソードは
魔王を滅する唯一の力
一度は魔王に敗れたけれど…
永い眠りがこの深い傷を癒し
今度こそ魔王に打ち勝てるように
…必ず 新たな力を吹き込んでみせる
貴方は最後の希望……
どうか…
この剣が未来の貴方に届きますように……」
結論から述べると、ハイラルの空を飛ぶ白龍の正体は、封印戦争から現代まで生き続けたゼルダである。
マスターソードは時間を掛ければ復活する。また聖なる力のある場所に置けば年月の分だけ強い剣となって蘇る。そのことをデクの樹から聞いていたゼルダは、一つの決意を固める。
それは秘石を飲み込んで自我無き龍と化し、悠久の時を生きて自身が持つ聖なる力でマスターソードをより強い剣として蘇らせるというものだった。
怖くないはずがない。恐ろしいに決まっている。それでもゼルダは秘石を飲み込んだ。ハイラルの未来のために。何よりリンクのために。
白龍となったゼルダは咆哮を上げながら飛翔。その瞬間、一粒の泪が溢れて零れ、飛び散り、ハイラルの各地に落ちた。
一人の女性の犠牲と泪によって築かれるハイラルの未来——ティアーズオブザキングダム。
すべては来るべき日に備え、勇者を魔王に勝たせるための犠牲だったのだ。
時は流れて現代。
多くの想いに支えられた退魔の勇者は、ついに魔王を追い詰める。
そこで魔王はハイラルを支配できぬなら滅ぼすと定め、禁じ手を用いて秘石を喰らって黒龍へと変貌。
変貌と同時に、巨大な邪龍の口にリンクも捕縛され、脱出しようと足掻く事しかできず劣勢を強いられる。
その時、空の彼方から最後の味方が駆け付ける。それは白き龍と化したゼルダであった。
最早ゼルダとしての自我も記憶もない。そんなものは龍化した時に失われたはず。
けれど、それでも。リンクのために奮闘する彼女は紛れもなくゼルダなのだ。
白龍に攻撃しようと黒龍が口を開けた瞬間、捕らえられていたリンクも大空に投げ出される形で脱出、黒龍の攻撃を間一髪で回避に成功していた白龍の頭に乗り、態勢を整えたところでハイラルを救うための最終決戦が始まる。
そして大空の死闘の末、リンクによって黒龍は背中から尾にかけて存在する瘴気溜まりのような弱点を破壊され、そして最後に額の秘石を貫かれ敗北。光の柱となりハイラルから消え去った。
次の瞬間、ラウルとソニアの霊体が現れリンクの右腕に手を添える。
光に包まれた白龍は、美しい少女へと姿を変える。そしてリンクの右腕もまた元通りに。
それは王族の魂が起こした奇跡だったのか――再会を喜ぶ勇者と姫の前では、そんなことはどうでもいいことだった。
余談
ここまで読んでもらえればわかる通り、プロローグ・エピローグ、始まりの空島時の神殿でのホログラム的存在を除き、本編にて現代に登場するゼルダ姫は全て偽者である。
各地の異変に見え隠れするゼルダはファントムガノンが化けた間者であり、ガノンドロフの操り人形として本体に情報を送っていた。
この他のゼルダは、イーガ団がリンクを騙すために化けた偽者である。
見分ける方法は簡単で、ゾナウの衣装がファントムガノン(ブラッディムーン含む)、英傑衣装がイーガ団である。
マスターソードは白龍の頭髪にくるまれており、引き抜くためにはがんばりゲージが2周分(がんばりの器5個分)が必要となる。
マスターソードは任意のタイミングで入手が可能であり、ストーリーを進めずに手に入れることもできれば、入手しないでラスボスまで来ることが出来る。
後者の場合は、ラスボス最終形態戦の直前に引き抜くイベントが発生する。
どんなタイミングで引き抜いてもゼルダの想いがリンクに届くシーンが描かれる。ラスボス最終形態戦の直前にこのイベントは一見の価値アリ。
ラスボス戦後、感動のエンディングとなるわけだが不覚にもスカートの中に目が行ったプレイヤーは少なくないと思われる。ゼルダ姫の数少ないサービス要素だが、残念ながら下着は見えない(下着のグラフィック自体がないようではいてないように見える)。
厄災の黙示録では「なぜ白いガーディアンが時間を移動できたのか?」という疑問が残ったままだった。描写からして元々にそういう能力があった、もしくは制作者であるゼルダの力が宿っていたとユーザーには推測されていたが、ティアキンを見るに後者の可能性が高い。