封印戦争
ふういんせんそう
概要
初出は神々のトライフォースの説明書から。
シリーズ毎に詳細は異なるが、いずれもハイラル王国の侵略者ガノン/ガノンドロフとの大戦を指す。
神々のトライフォース
初出。数世紀前に勃発した魔王ガノンの軍勢との戦い。
当時の雑誌では初代ゼルダの伝説やリンクの冒険よりもはるか昔の話として紹介されている。
神々が遺した三つの黄金トライフォース。ハイラルのどこかにある聖地に隠されたそれを誰もが探していた時代。
まったくの偶然からある盗賊団が聖地の入り口を発見してしまう。そこは異世界への入り口でもあった。盗賊たちは神秘の黄金に目の色を変え、奪い合いから殺し合いへと発展。勝ち残った盗賊団の首領がトライフォースを手にする。
首領の名はガノンドロフ。またの名を魔盗賊ガノン。
彼は「世界をこの手に」という願いによって聖地（異世界）を闇の世界へと創り変えるが、引き換えに醜い豚の怪物へと姿が変わってしまう。続けてハイラルのある光の世界への侵攻を目論む。
力を蓄えたガノンは光の世界に邪気を飛ばし、悪の心を持った者たちを聖地へと引き寄せる。と同時にハイラル各地で疫病や干ばつなどの災害が起こり始め、ハイラル側も異常を察知し始める。
当時のハイラル王は7人の賢者たちに事態の解決を命じる。そこで7賢者はマスターソードとその使い手の行方を探させたが、見つけ出す前にガノンの邪気が王宮まで迫ってしまう。騎士団の犠牲によって7賢者は聖地の入り口を閉ざすことに成功。ガノンは闇の世界から出ることが出来なくなった。
時のオカリナ
神トラよりも更に過去の時代であり、上記で語られた封印戦争を描いているが設定が大幅に変わっている。
ハイラル王国による統一戦争によって全ての種族が統治された時代。
ゲルド族の王ガノンドロフはハイラル王の配下となっていたが、一方で神々が遺した黄金トライフォースの行方を捜していた。トライフォースが安置された聖地の入り口（時の神殿）を見つけるが、内部に入るには三つの宝石が必要だった。
そこでコキリ族、ゴロン族、ゾーラ族に伝わる宝石を奪うべく魔物を差し向けたり、自ら交渉に向かう。
ガノンドロフの邪心を見抜いていたゼルダ姫は、協力者リンクと共に先にトライフォースを手に入れてガノンドロフを打倒しようとする。
しかしリンクが三つの宝石を手に入れた頃、ガノンドロフによるクーデターが起こる。ゼルダ姫と従者インパは行方不明となり、二人を逃がそうとしたリンクはガノンドロフに敗北を喫する。
リンクが聖地の扉を開けたことで易々と侵入するガノンドロフ。彼はトライフォースに触れるも知恵と勇気の資格がなかったため力の分しか手にできなかった。知恵と勇気はいずこかへ飛んでいき、ガノンドロフはその行方を探すべく7年の時を待つことに。一方でハイラル城を乗っ取ってガノン城へと変え、大魔王を名乗るようになる。
そして7年後。再起した時の勇者リンクがゼルダ姫や各種族の六賢者と協力して大魔王ガノンドロフに立ち向かう。
激しい戦いの末、ガノンドロフは力のトライフォースを暴走させて怪物ガノンへと変貌。しかしゼルダ姫の波動によって動きを封じられ、そこをリンクのマスターソードに額を貫かれる。
それでもガノンは死ななかったが賢者たちの封印術によって聖地へと送り込まれ、扉を閉ざされたことでハイラルから追放されたのだった。
後に発売された著書ハイラルヒストリアでは設定が変わっている。
時の勇者リンクはガノンに敗北してしまい、ゼルダ姫と六賢者によって聖地に封印されたということになっている。
ティアーズオブザキングダム
ゾナウ族の秘石によって絶大な力を手にしたゲルド族の王ガノンドロフによる侵略戦争。時のオカリナの設定をベースにしているが内容が大きく異なっている。
初代ハイラル王ラウルによってハイラル王国が建国された時代。ハイラルの支配を目論んでいたガノンドロフは、武力では敵わないと見てラウルに偽りの臣従を示すことで懐へと飛び込む。
時の賢者ゼルダには「ガノン」という名前から警戒されていたが、ラウルは彼を御するつもりであえて迎え入れる。
その結果、王妃ソニアはガノンドロフに暗殺されてしまう。ソニアが持っていた秘石を奪い取ったガノンドロフは、それを暗黒に染めて己が力とし、邪悪な魔王へと変貌。無数の魔物たちを生み出してハイラル全土に戦争を仕掛ける。
対抗するべくラウルは各種族から精鋭たちを選出。彼らに風、炎、水、雷、魂の賢者たちに秘石を継承させる。
ラウル側は総力を結集してガノンドロフに挑んだが、魔王の肉体にはいかなる攻撃も通用せず傷一つ付けることはできず疲弊を強いられる。ラウルの姉である魂の賢者ミネルに至っては、魔王の瘴気に侵され余命いくばくもない身となった。
賢者たちが作った一瞬の隙を得て捨て身の特攻を仕掛けるラウル。自身の右腕を魔王の心臓へと打ち込み、魔力と意識を奪い取る形で封印を行った。引き換えにラウルもまた絶命するのだった。
魔王の肉体はハイラル城の地下へと安置され、王家の人間であっても立ち入ってはならないとされるようになった。
魔王の復活を予見していた時の賢者ゼルダは、後世にて誕生する退魔の剣士リンクのために様々な策を講じることに。
メディアミックスでの設定
いずれも独自設定が施されており原作とは異なる部分が多い。
ゲームブック「ゼルダの伝説 神々のトライフォース」
数百年前、神々が遺した聖三角体トライフォースを手にした魔盗賊ガノンドロフ。
聖地ハイラルの裏側にある闇の世界……ガノンドロフは闇の世界に光の世界を侵食させ飲み込もうとする。“世界”という概念を前に打つ手はないと思われたが、当時の賢者たちは闇の世界の源である闇の力を封じることで対処。侵食は抑えられハイラルは滅亡から回避された。
賢者の子孫や仲間たちは当時の記憶を伝承し続け、闇の封印が解かれることがないように監視を続けている。
小説「ゼルダの伝説2 神々のトライフォース」
トライフォースを体内に納め、猪の巨人となった魔盗賊ガノン。彼は闇の世界を創り出し、そのまま光の世界を侵食しようとする。ガノンの魔力によってハイラル各地で太陽が黒く染まるなど異常気象が引き起こされる。
しかし7賢者の奮闘によってガノンは闇の世界にあるガノンタワーなる場所へと封じられた。
当時の記憶を継承した者たちは【剣の翼】なる組織を立ち上げ、ガノンが復活した時に対処できるよう秘密裏に活動し始める。
田口順子著「神々のトライフォース」
ガノンドロフは、手下たちが聖地の入り口を見つけるなり「もう用はない」として皆殺しにする。そしてトライフォースを独占するも、そこに映った醜い豚の姿を見たことで心身共に豚の怪物へと変貌してしまう（トライフォースは眠りについていたためガノンに利用されている状態）。
やがてガノンは、ピラミッドを根城にして聖地の住民たちを動物の姿に変えて支配する。続けて準備を整え、ハイラルへの侵攻を開始。その時に立ち向かって来たマスタソードの使い手リンクと戦い命を奪う。
その後、7賢者によって聖地の入り口を閉ざされ、光の世界に出て来ることが出来なくなった。
かぢばあたる著「神々のトライフォース」
数あるメディアミックスでも原作と設定が大きく変わっている。
600年前に盗賊団を率いたガノンが聖地に乗り込み、トライフォースの願いによって「不老不死」の肉体を手にする。更に歪んだ願いのエネルギーは聖地の時間を止め、そこにいる者たちを不老にしてしまった。
盗賊たちも魔物に変異してガノンに仕えており殺し合いはしていない。アグニムも当時からガノンの側近だった。
ガノン自ら配下を率いて光の世界へと侵攻を開始。当時の人々はガノンに対抗するべくマスターソードを鍛え上げ能力を設定した。その使い手に選ばれた先代勇者は、矢面に立ってガノンやその軍勢と戦った。
ガノンはマスターソードでも斬れない不死身の肉体と、周囲を闇に染め視界を奪う技によって先代勇者に勝利。しかし7賢者の封印術により闇の世界にあるピラミッド内部に封印される。
姫川明著「神々のトライフォース」
400年前、血みどろの仲間割れの末に魔盗賊ガノンがトライフォースを手にする。その哄笑は光の世界にまで届くほどだった。
ガノンは光の世界に向けて邪気を飛ばし、欲深い者たちを聖地へと引き寄せ始める。事態を重く見たハイラル王は、7人の賢者と騎士団（ガーディアン）に邪気の封印を命じた。そこで賢者は、神々のお告げに従いマスターソードを造り出した。使い手の捜索が行われたが、マスターソードの存在を察知したガノンは王宮に向けて邪気を飛ばす。
マスターソードの勇者は見つからぬまま騎士団と悪しき者共の戦いが勃発。騎士団の犠牲を得て7賢者により聖地の入り口は封印された。
