概要
モビルスーツ登場以前に地球連邦陸軍で使用されていた主力戦車。主砲は150ミリ砲または155ミリ滑腔砲を二門装備。戦車としては破格の破壊力を持っていたと思われ、マゼラアタック相手には優位に立てたが、MSの機動性の前にはやられ役でしかなかった。
やられ役だけど大火力!
その主砲が強力なものであることには変わりはなく、作品によっては優れた作戦や運用法によりザクを撃破する車両やそのような描写も存在する。(例として『ギレンの野望』のムービーで、市街戦にて囮のファンファンを深追いして誘い込まれたザクを、多数の61式戦車が一斉射撃で撃破するシーンが描かれている)
また、ジムをはじめとする連邦側の量産型モビルスーツが登場した後も、モビルスーツとの共同運用や火力支援、偵察任務などに投入され続けており、なんとシャアの反乱時にも配備が確認されている。外伝作品であるU.C.0090が舞台のジョニー・ライデンの帰還でもMSと共同して基地の防衛に展開するシーンがあり本車の価値は依然として健在であるようだ。
なお、1:35スケールでガンプラとして立体化されたが、同スケールの実在車両と比べると超重戦車マウス並みで戦車の枠内で言えばもはや怪物戦車である。
設定の変遷(元々は名無しの戦車!)
もともとはしっかりとした命名は存在せず、ムックでの紹介の際に同時期に陸上自衛隊で運用されていた61式戦車の名前がそのまま当てられ、定着したといわれる。
初代のデザインは車体前面にハッチのような部位が書き込まれており61式戦車やM24軽戦車(イラスト右)を参考にしたと思われる。
転機となったのは機動戦士ガンダム第08MS小隊で、後の61式戦車5型に通じるデザインにリファインされた。
OVAの機動戦士ガンダム_MS_IGLOOを契機に「U.C.HARD GRAPH」シリーズでプラモデル化が行われ正式名称は「M61 MBT」とアメリカ軍を彷彿とさせるもので通称を「Type61(つまり日本語に訳すと61式)」とする設定がなされた。
この「M61A5」こと「TYPE61 5+(61戦車5型)」であるが「U.C.0061年に制式採用されて様々な改良が繰り返されている」という点も強調されており初代版の特徴を有するバージョンの存在も示唆するような内容になっている。
後にアニメの機動戦士ガンダムTHEORIGINでは「61式戦車初期2型」というバージョンも設定された。
性能(61式戦車5型)
全長:11.6m 車体長:9.2m 全幅:4.9m 全高:3.9m
懸架方式:トーションバー式
速度:90km/h
主砲:155mm連装滑腔砲
7.62mm連装同軸機関銃
M-60HMG13.2mm重機関銃
M-2995.56mm機関銃
乗員:2名(後部キャリアに約4名乗車可能)
特徴
砲塔内部が狭くなったため、各種操作は徹底的に自動化され乗員は車長兼砲手、操縦手兼通信手の2名となっている。
駆動方式は電気式=モーター。砲塔に155mm口径の滑腔砲を2門搭載し砲身左右交互の射撃により高い発射速度を持ち、同時に斉射することも可能。
砲塔側面には発煙弾発射機が各4基の計8基装備される。自動装填装置により給弾リングに収められた砲弾は自動で装填される。
これに加え、衛星とのデータリンクにより精密長距離射撃が可能だったが、ミノフスキー粒子下では無力化し、結果2名での運用は困難を極めたという。
車体前部にある操縦席はフットペダル方式を採用し、レバーにより方向転換を行う。脱出用ハッチも設けられている。劇中に明確な描写は無いが車体後部にはキャリアがあり、物資や歩兵4名ほどが乗車可能。最高速度は不整地でも時速90km/hに達する。
155mm2連装滑腔砲を装備したスタイルは信頼性が高く、制式採用後度重なる改良を受け続け、高性能化に成功。また、数多くのバリエーションが生まれた。
『MS IGLOO2』のセリフから、地球連邦陸軍では本車輌4輌で一個小隊を編成している。また、一年戦争下の宇宙世紀0079年7月の時点でも生産が続けられた。
余談
近藤和久作の一部作品には61式戦車に代わってM1エイブラムスのような外観を持つ主力戦車が登場するものがある。(ただし、作中のおける61式戦車なのか西暦から保管されていたM1エイブラムスを急遽投入したのか明言されていない)
関連タグ
機動戦士ガンダム 地球連邦軍 重力戦線 マゼラ・アイン マゼラアタック