概要
東方紅魔郷の主人公の一人として登場予定だった没キャラクター。
設定上での符名は『風符』と『花符』。
名前、スペルカードの一部以外すべて未設定である。
容姿
そもそも作品に登場すらしていないが、東方紅魔郷の発売されたC62のサークルカットに出ている謎のキャラクターがそうでないかと考えられている。これがそのサークルカット
モノクロのサークルカットなので色は不明。
後頭部に大きなリボンと髪飾りを付けたミディアムヘアで、フリル調の巫女服を纏っている。
上記イラストのように現在多く描かれている「紅白の服装・金髪」の配色は、東方紅魔郷リリースの約1年半前(2001/02/04)にZUN氏が 「新しいキャラを創ろうとか思いつつ金髪の謎巫女さん。」として描いたイラスト【 神道国幻想 】(蓬莱少女繪幻想に掲載)を参考に、あくまで個人の想像で二次創作として描かれた配色が広まった状態であり、「同じ自機キャラの霊夢・魔理沙と色が被るのは不自然だ」という指摘もあるため、同じサークルカットのキャラクターでも異なる配色、またはモノクロでも描かれている。
同一人物?別人?
2014年8月15日~17日開催のC86二日目に、有志がC62サークルカットの少女について
「コミックマーケット 62 のサークルカットの絵は紅魔郷で登場予定のキャラクターなのか」
「あるいは、サークルのイメージキャラクターなのか」
と、原作者のZUN氏に直接訊ねたところ
「全然そういうものではない」
「たぶん適当に描いたんじゃないかな」
という回答を得ていることが判明したらしい。
このことから、名前を持ち紅魔郷に登場するはずだった冴月麟と、名前を持たず尚且つ紅魔郷に登場する予定は無いとされているC62サークルカットの少女は、別人である可能性が高くなった。
(もっとも登場予定「だった」とは言っていないようなので、解釈次第では話が違ってくるが)
ただし、質問者はカタログのページを直接見せて「冴月麟」という言葉は使わずに質問したこともあり、また混雑したコミックマーケット会場内での回答のため、質問者をあしらうためにZUN氏が適当な回答をした可能性や、後者の「あるいは、サークルのイメージキャラクターなのか」という質問に対しての回答である可能性を留意されたし。いずれにせよ、これは公式の書籍やインタビューでの発言ではないため、あくまで可能性のひとつという程度に考えておいた方がいいだろう。
姿・性格設定ともに公式で再登場をする機会でも無い限りは、あくまで二次創作の域を出ないキャラに過ぎない、ということに注意するべきである。
※ちなみに別デザインの冴月麟を想像して描かれている場合もある。
『風符』と『花符』
東方紅魔郷のデータに名前らしき文字が存在している。データは以下のような文字列。
ちなみに「メモ帳」などのアプリケーションでゲームの起動アイコンを選ぶと確認できる。
冴月 麟 (風) 冴月 麟 (花) 霧雨 魔理沙 (恋) 霧雨 魔理沙 (魔) 博麗 霊夢 (夢) 博麗 霊夢 (霊)
これを見ると、符名が『風』と『花』だった事が分かる。
現在東方紅魔郷以降の登場キャラクターで、『風符』と『花符』を使用しているキャラクターは、 『風符』は射命丸文が、『花符』は風見幽香の2名のみである。
...というのは過去の話であり、『花符』は未だ幽香だけが所持しているものの『風符』は心綺楼で布都、剛欲異聞で神奈子、闇市場で龍が使用している。
更に、東方獣王園では遂に早苗も『風符』を二枚繰り出すこととなった。
尚、上記の2つの符名を初使用した文と幽香がスペルカードシステム採用以降の原作ゲーム作品で初登場したのは偶然にも同じ東方花映塚だった。
(東方Project作品全体での初出は、文は書籍「東方文花帖」、幽香は旧作「東方幻想郷」である)
没理由
「仕様ではもっとボリュームがあったんですけど、残り3ヶ月の時点で無理な仕様を片端から切りました」
カラフルピュアガール2003年9月号「急ピッチで開発した『東方紅魔郷』」のZUN氏インタビューより
「時間が無かったため、カットせざるを得なかった」
2013年9月28日アトランタイベントでのインタビューより
「でも突然新キャラで自キャラを用意されても愛着がわかない」
「東方永夜抄 体験版」の「おまけ.txt」より
「紅魔郷では時間が足りなかったため、カットせざるを得なかった」
「ZUN Q&A at Anime Weekend Atlanta」より
と言うような理由で未登場(没)になったと思われる。
漢字の読み方
『さつきりん』や『さえつきりん』と一般的には読まれている。
2013年9月28日のアトランタイベントでのインタビューで“Will Rin Satsuki ever be added?”(リン・サツキは今後登場しますか?)という質問に答えているので(回答は上記)、読み方は『さつきりん』説が濃厚。
種族
Windows版以降の作品は、一部例外のキャラはいるが基本的に主人公(自機組)は人間であるため、このキャラクターも人間として設定されていた可能性は高い。
その他に、『麟』は『麒麟』の文字なので「種族は麒麟ではないか」と言う意見もある。
余談
原作では全く出番のない彼女だが、もしも東方紅魔郷の時点で霊夢・魔理沙に次ぐ3人目の主人公として登場していたら、彼女達のように自機組の一員として活躍する未来があったかもしれない。
二次創作では大抵オリジナルキャラクターとして扱われ、その特異な存在性ゆえか一部ではコアな人気があることが窺える。
東方ロストワードでは主人公の名前を立ち位置から「冴月麟」と名付けるプレイヤーが数多くいる模様(ちなみにルナサは「楽器を触っていた感覚が手に染みついている」、幽香は「花の香りが故郷を思い出させてくれそう」と、C62サークルカットの少女と冴月麟の両者の特徴を示唆するような印象を主人公に抱いている。さらにメインストーリーでは、第4章で楽器を手に入れたり、純狐が「森羅万象、あるいは世界の記憶、または天神地祇とは異なる超越的絶対的な神のような存在から忘れられている」としている)。
関連イラスト
関連動画
有志によって作られたテーマ曲・弾幕風ゲーム
- 戦闘BGM:『Cherry Flavored Justice ~ Descending Red』
- 戦闘BGM:『花鳥風月は彷徨い歩く ~ Phantasia of Fantasy』