概要
JR北陸本線津幡駅から、能登半島の玄関口和倉温泉駅までの59.5㎞を結ぶ路線。路線は和倉温泉までだが、七尾~和倉温泉の1駅間だけは、JR西日本が線路・信号・駅設備のみ保有し、特急列車以外の列車運行はのと鉄道が受け持つ上下分離の形態となっている。列車は津幡駅からIRいしかわ鉄道線に乗り入れて金沢まで運転される。
JR西日本の電化路線としては比較的新しい路線であり、1991年までは非電化だった。また、路線も和倉温泉から穴水を経由して輪島まで伸びており、電化と同時に和倉温泉以北はのと鉄道に委託という形で経営分離された。2015年3月14日の北陸新幹線開業により接続していた北陸本線がIRいしかわ鉄道へ分離されて以降もJR西日本が運営する事になったため、他のJR路線に接続しない完全な飛び地路線となった。
線内のトンネル高さの関係で電化方式は直流となっており、津幡のすぐ先で電化方式が切り替わる。津幡から先の北陸本線は交流のため、交直流両用の車両しか乗り入れることができず、普通列車は専用の521系100番台が使用されている。
2020年秋より、415系800番台・413系の置き換え用として521系が運行開始、2021年3月13日のダイヤ改正で全車両を置き換えた。同時に車載型IC改札機方式によるICOCAを始めとした交通系ICカードが利用出来るようになった。
但し、七尾-和倉温泉は普通列車でICOCAを使う事が出来ない。理由は同区間がのと鉄道との二重戸籍区間で、普通列車は全てのと鉄道の運行(特急はJRの運行なので使用可能)だからである。こんな摩訶不思議な状態は七尾駅や和倉温泉駅の駅員ですら理由を把握出来ていない為、あくまで推測ではあるが、ICOCAの運賃処理上の都合(ICOCAは問答無用でJR利用として処理され、のと鉄道利用をノーカウント)と思われる。
また、特急『サンダーバード』が大阪から、特急『能登かがり火』が金沢から、和倉温泉まで直通運転している。なお、七尾線内の有効長の関係で『能登かがり火』は通常3両編成、多客期に6両編成で運転され、9両編成の『サンダーバード』については金沢で3両増解結を行い、七尾線は6両編成で運転している。自由席あり。
2015年秋からは2両編成の観光特急『花嫁のれん』が運行開始。キハ48形気動車による2両編成での運行となっており、全席指定。
駅一覧
※IRいしかわ鉄道線への乗り入れ区間も掲載。
※普通列車は全ての駅に停車。
※◎:停車、△:一部停車、レ:通過
駅名 | 特急 | 花嫁 | 乗り換え路線 | 備考 |
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金沢 | ◎ | ◎ | (ここからIRいしかわ鉄道区間) | |
東金沢 | レ | レ | ||
森本 | レ | レ | ||
津幡 | △ | レ | 倶利伽羅駅、あいの風とやま鉄道方面 | (ここまでIRいしかわ鉄道区間) |
中津幡 | レ | レ | ||
本津幡 | レ | レ | ||
能瀬 | レ | レ | ||
宇野気 | △ | レ | ||
横山 | レ | レ | ||
高松 | △ | レ | ||
免田 | レ | レ | ||
宝達 | レ | レ | ||
敷浪 | レ | レ | ||
南羽咋 | レ | レ | ||
羽咋 | ◎ | ◎ | ||
千路 | レ | レ | ||
金丸 | レ | レ | ||
能登部 | レ | レ | ||
良川 | △ | レ | ||
能登二宮 | レ | レ | ||
徳田 | レ | レ | ||
七尾 | ◎ | ◎ | のと鉄道七尾線 | |
和倉温泉 | ◎ | ◎ | のと鉄道七尾線 |
その他
全ての駅に接近メロディが導入されており中津幡駅~能瀬駅、横山駅~南羽咋駅、千路駅、徳田駅では季節ごとに「春の小川(春季)」、「われは夏の子(夏季)」、「もみじ(秋季)」、「雪(冬季)」がそれぞれ流れる。
宇野気駅、羽咋駅、金丸駅~能登二宮駅、七尾駅では2015年4月より一青窈の「ハナミズキ」を使用している。
和倉温泉駅では民謡の「和倉音頭」が流れる。
関連タグ
他のJRの飛び地路線(いずれも新幹線開業に伴う並行在来線分離によるもの)