曖昧さ回避
- 戸塚慶文の漫画『アンデッドアンラック』で、その若者を君付けで呼んでしまいそうな登場人物(ネタバレ)のこと。
- 組織(ユニオン)の女ボス・ジュイスは、電話越しで謎の漫画家・安野雲から『ジュイス君』と呼ばれたことがある。
本稿では1.について解説する。
【機密事項】
⚠以下、漫画『アンデッドアンラック』の重大なネタバレを含みます。⚠
ヴィクトル キミはさぁ――
輪廻って信じるかい？
概要
戸塚慶文の漫画『アンデッドアンラック』で不思議な印象がある人物。
本稿では便宜仮称で『ジュイス君』と記述する。
彼(？)は、組織(ユニオン)の女ボス・ジュイス=ダルクとよく似た容姿で、彼女と縁ある謎多き男・ヴィクトルの回想などで存在が判明する。
留意
本表記「ジュイス君」は原作における表現を元に、関連作品の検索用符(タギング)およびネタバレの緩衝(ぼかし)を考慮した便宜名称である事に留意。
後に、より良い呼称が広まった際には記事の移動などが推奨されます。その際、ネタバレの配慮がされた様式で解説構成がされる事も望ましい。
容姿
組織(ユニオン)の女ボス・ジュイスを性転換して男性にしたような風貌。
短髪(ショートヘア)で爽やかさを感じさせる美形。少年のようなあどけない雰囲気もある。
人物
ジュイス君(本稿での便宜仮称)は主にヴィクトルと対話する回想だけの登場で、当初は名前など素性不明。その会話場面では『輪廻転生』について心から楽しみにしているという話題だった。また、それを話す様子から快活で少し陽気さもあるような人物と感じられる。
この垣間見える人柄に起因して、ファンアート・二次創作では不協和なヴィクトルを相手にニコニコと戯れるなど、微笑ましい作品も散見される。
輪廻って信じるかい？
どことなくヴィクトルも若い容姿で、現行の組織(ユニオン)が本拠地としている地下基地の廊下と似た場所での会話。心底楽しそうに語る「輪廻の話」や「魂は不滅の存在」といった事を話すジュイス君(本稿での便宜仮称)に対し、UNDEAD-不死-の否定者(ひていしゃ：世界の理を否定する業の器になった者)であるヴィクトルは「そもそも魂の存在を信じていない」「人間は脳に血が巡って生きている生物」という持論から、半ば聞き流すような感じでやんわりと「輪廻」について否定した。
なんでさー信じなよ！！
その方が絶対良い！！
それでも変わらない信条を主張するジュイス君(本稿での便宜仮称)。なぜならば、死が訪れて肉体が滅びても、肉体に宿る「魂」という存在があれば生まれ変われる原理。いわば『人は魂で生きている世界』ならば、人が生きる可能性を広げられると喜々として語った。
だって死んでも またキミに会えるじゃないか！！
安心しなよ！ いつかボクが死んで 新しい体になっても…
絶対キミを忘れない
そんな約束をあどけない笑顔でジュイス君は、目の前でムスッとした顔をしている不死の青年へ、死ねない宿命でいつか独りになってしまうかもしれない大切な人へ告げた。
この「思い出」をヴィクトルは脳に宿る記憶として言葉だけに留めていたようだ。しかし、彼が今の世界で対峙した男女の「魂」による行動を目の当たりにして、ジュイス君(本稿での便宜仮称)が語った話を言葉でなく魂(こころ)で理解したのだった。
また上記の回想後に、ヴィクトルは「そういう事か… ジュイス…」と相手を懐かしむように言葉を漏らした。現行に登場する主要人物の女性と同一名称を発言した事、その女性とよく似た容姿である事を合わせれば、ジュイス君(本稿での便宜仮称)とは組織(ユニオン)の女ボス・ジュイスと関わり深い前世の人物という可能性が濃厚だと推測されるが…？
不性？
外見が男性のようなジュイス君(本稿での便宜仮称)だが、実は見た目通りの性別でないかもしれない可能性がある。じゃ女性なの？…という話ではなく、そもそも「性別(セックス)」を有していないという意味で（いわゆる無性の人間）。
本作の世界は「性別(セックス)」といった理(ルール)が追加・改変されていく世界観がある。しかも、その変化に只人は気づくことも出来ずに…。またこの世界改変に影響されない存在・否定者(ひていしゃ：世界の理を否定する業の器になった者)とは、元一般人だった人間たちである。
つまり今まで気づかないまま追加・改変される理(ルール)に適応していた人間が否定者へ変化すると、その時点から世界改変を受けない認識を持つことになる。この理論からすると、まだ「性別(セックス)」の理(ルール)が足される前の世界線を生きる人間が否定者となれば、性別を有しない外見の異能力者もありえるのである。
この事情により本稿で紹介する『ジュイス君』は、初登場時点で性別など確かな情報がないため、見た目は「男」でも性別は「無」という可能性は否定できなかった。
このような考察要素は本作『アンデッドアンラック』でみられる特徴の一つ。それでも作品の読み進めにあまり不具合はないよう物語を楽しめる創作がされている。
もし考察を交えて物語を閲読したい読者にとっては、より面白味がある漫画かもしれませんね。
関連項目
ジュイス=ダルク ヴィクトル(アンデラ) / 過去ヴィクトル(アンデラ)
正体（ネタバレ要注意）
結論を述べると、不死者・ヴィクトルの回想で初登場した短髪少年？は過去のジュイス=ダルク本人。
では単純に彼女の若年期・過去と表すには、そう一概に語れない経歴を有する人物でもあった…。
【機密事項】
⚠以下、本作の重大なネタバレが記述されていきます⚠
⚠これから作品を楽しみにしてる人達は閲覧注意⚠
本作『アンデッドアンラック』では、特異な理「ループ」によって人知れず、幾度も世界規模な「破壊と創造の循環（ループ）」が繰り返される不条理な真実があった。
なお本編第一話時点の世界は100回目の周廻(ループ)である。
つまり本編の時間軸におけるヴィクトルとジュイスは99回の周廻(ループ)を越えてきた否定者たち。
そして上記で触れた【ジュイス君＝過去のジュイス】は、1回目の周廻(ループ)およびループ回数が少ない時期を指す。
更に特異な理「ループ」を越える者は「老いない」の宿命も背負わされる世界の経験者たち。
このため、外見上は若年者のジュイスであるが、実年齢は相当に老齢である特異な経歴を辿って来た人物であった。
そして更に特殊であり、本作の世界観である事柄も追加される。
理(ルール)が足し引きされる、異常が日常として人知れず現実改変が繰り返される作中世界。後に判明する、ループが行われる毎に確定・蓄積される神の制定【絶対理（マスタールール）】によって、同じだが同じでない世界を生きてきたヴィクトルとジュイス。
確認できる限りだと、ヴィクトルとジュイスは世界に『性別（セックス）』の理（ルール）が足される前の世界を生きてきた否定者でもあった。
即ち－上記で触れた無性疑惑－中性的な外見は、無性が日常の世界線を生きていた人間であった衝撃の真実！
更に明らかとなる経歴について【過去ヴィクジュイ】も参照されたし。
