⚠以下、漫画『アンデッドアンラック』のネタバレを含みます。⚠
概要
戸塚慶文の漫画『アンデッドアンラック』で大人の男女、主人公のアンディに潜む主人格の男・ヴィクトルと組織(ユニオン)の女ボス・ジュイス=ダルクの過去、つまり本編第一話より昔を回想や若年期について。
本稿では主に、関連作品で表現・理解しやすい若者時代を解説する。
嘗てのヴィクトルとジュイス
ヴィクトルとジュイスは、嘗て共に世界へ立ち向かっていた戦友であり男女の関係も越える盟友であった。
2人は始まりの円卓否定者としてUNION(ユニオン)を組織し、数多の課題をこなしてきた歴戦の戦士といった、世界へ深く関わる人物達でもあった。
しかし本編の始まり時点では、過酷な運命もあって袂を分けてしまった両者…。
そんな2人、大人となった今よりも若かりし頃、まだ同志であった若年時代があった。
若者ヴィクジュイ
過去のヴィクトルは現行よりも細身で不良っぽい雰囲気がありつつ柔らかな人柄も感じさせる若年者（加齢も否定される不死者から大人の今と殆ど変化がない）。
過去のジュイスは現行よりもあどけなく、短髪で中性的な若年者（大人の今と大きな差異、容姿変換と思うには過大すぎるが…？）。
まだ二人だけでUNION(ユニオン)を立ち上げ、構成員も少ない時期で命懸けも伴う課題に挑んでいた。不死者であるヴィクトルが不死ではないジュイスを守り支える、まだ若者の青さがある微笑ましい「思い出」も共有していた。
作品投稿サイト「pixiv」および関連作品では、まだ若年者の2人が切磋琢磨や愛らしい交流を想像した創作も投稿されている。
関連項目
ヴィクトル(アンデラ) / ヴィクトール(アンデラ) ジュイス=ダルク
【機密事項】
⚠以下、本作の重大なネタバレが記述されていきます⚠
⚠これから作品を楽しみにしてる人達は閲覧注意⚠
本作『アンデッドアンラック』では、特異な理「ループ」によって人知れず、幾度も世界規模な「破壊と創造の循環（ループ）」が繰り返される不条理な真実があった。
なお本編第一話時点の世界は100回目の周廻(ループ)である。
つまり本編の時間軸におけるヴィクトルとジュイスは99回の周廻(ループ)を越えてきた否定者たち。
そして上記で触れた若い頃のヴィクトルとジュイスは、1回目の周廻(ループ)およびループ回数が少ない時期の2人。
更に特異な理「ループ」を越える者は「老いない」の宿命も背負わされる世界の経験者たち。
このため、外見上は若年者のヴィクトルとジュイスであるが、実年齢は相当に老齢である特異な経歴を辿って来た者たちであった。
特殊なのは見た目だけでなく―
1回目の周廻(ループ)で2人が再会したのは、なんとジュラ紀。数多の恐竜が地球を闊歩していた時代から本編までを生きていた。正確には、不死者・ヴィクトルは地球の誕生を生身で生き延び、古代遺物「円卓（アーク）」の搭乗者・ジュイスは初めて時を越えて降り立った地点が古代の地球。
ヴィクトルとジュイスは円卓の否定者として。数多の課題を越えて行くも、終始点（特異点）である神との大戦【RAGNARØK(ラグナロク)】で敗北し続けてきた。つまりループの数だけ世界に敗戦してきた過酷な歴史を築かされてきた不幸も経験。
数々の仲間と出会い別れる、だが【死】と【時】を越えて一人じゃない希望も胸に世界を渡ってきたヴィクトルとジュイス。
その若年期であり老成期ともいえる時期では、傍目からは逞しく世界へ立ち向かう若者たちでも、2人の経歴からは残酷な運命を支え合う同志たちだった。
そして更に特殊であり、本作の世界観である事柄も追加される。
理(ルール)が足し引きされる、異常が日常として人知れず現実改変が繰り返される作中世界。後に判明する、ループが行われる毎に確定・蓄積される神の制定【絶対理（マスタールール）】によって、同じだが同じでない世界を生きてきた2人。
確認できる限りだと、ヴィクトルとジュイスは世界に『性別（セックス）』の理（ルール）が足される前の世界を生きてきた否定者でもあった。即ち－本稿で解説する若者たちの－中性的な外見の頃とは、無性が日常の世界線を生きていた人間、言い得て妙・言葉通りに男女の関係を越えた経歴もある有縁者たちという衝撃の真実。きっと、ある時点からは当人たちにとって不理解であった『性別（セックス）』を一から学ぶ事があったと推察される、特殊過ぎる要素もある人生を供に歩んでいたのだった。
これらを鑑みて、作品投稿サイト「pixiv」および関連作品を顧みると、実に神妙な人物背景も感じられる若者たち、創作要素も長大な縁者(CP≒NL)であろう。
