リリーの用法
- ウルトラQ第25話「悪魔ッ子」に登場。
- 1.を現代風にアレンジしたウルトラQ dark fantasy第14話「李里依とリリー」に登場。
1の概要
演:坂部紀子
身長:120センチ程度
体重:不明
催眠術で毎夜眠らされ、幽体離脱の芸を披露していた魔術団の少女リリーの身に、催眠術をかけ過ぎた影響によりシナプス(神経細胞間や多種細胞間の信号を伝達する部位)の破壊現象が起こり、毎晩、その精神のみが迷い出て、数々の災厄を引き起こす。
精神が白くぼやけて見えるのは、一種の電気信号であるシナプスがプラズマ現象に似た作用で実体化した影響と見られる。精神はリリー本人の意思とは関係なく深夜にさまようようになる。
引き起こす災厄は道路で自動車事故を起こしたり、警備員を驚かせ階段から落としたり、セスナを墜落させたりしていく。しかも被害者が持っていた懐中電灯の電球、猿のおもちゃ、指輪などごくつまらないものを盗んでいく。
このように災厄はエスカレートし、殺人をも犯すようになる。最後には自らの肉体をも抹殺しようとするが、肉体が轢かれる直前に一の谷博士の人体電気操作機である超短波ジアテルミーの作用によりシナプスの破壊現象は収まった。以後は催眠術ではなく、普通の奇術に出演している。
余談
クライマックスの列車に轢かれそうになるシーンは本当に列車を走らせて撮影させたもので、練習無しの一発撮りだったらしい。
エンディングのナレーションは2種類存在する。
「一体、子供が犯罪を犯すものでしょうか?それも天使のように純真な子供が。しかし子供がその環境によって脳組織のバランスを破壊された時、完全な犯罪者となりうるのです」(従来バージョン)
「リリーは悪魔っ子ではなかったのです。もし悪魔がいたとすれば、それはリリーの中にではなくて、それを取り巻く世界が歪んでいたからなんです。御覧なさい。リリーはすっかり明るさを取り戻し、舞台に無邪気な笑いを振りまいています」(新バージョン)
笑い声はマタンゴの流用。後にペロリンガ星人や鬼女にも使用されている。また、「ウルトラギャラクシーファイト大いなる陰謀」episode5で惑星デスターにてこの笑い声らしき声が聞こえている。
2の概要
演:山田夏海
身長:1.15メートル
体重:38キログラム
心理学者御厨の娘・李里依の精神が、感覚剥奪実験装置(アイソレーション・タンク)による実験を受け続ける中やがてエスカレートして行き、その機械の浴槽に非合法薬物を入れた結果分離してしまい、あちこちに出没するようになってしまった。最後は、本体を列車にひき殺させて開放されようとたくらむが、すんでの所で失敗。以後、少しずつ実体を失いやがて消滅した。
因みにその御厨教授も自宅の装置で用いて自分自身で実験していたらしく、その結果、精神と肉体が分離してしまい、自宅にて変死という顛末であるが、精神体は不安定ながらも彷徨っていたらしく、李里依が電車に危うく轢かれる寸前にその精神体が李里依の目前に現れていた。
演者の山田夏海は後に『ネクサス』(杉山里奈役)や『大怪獣バトル』(御蔵カレン役)にも出演している。
その他の類似性のある存在
影
『SFマガジン』2015年1月号に連載された短編小説『影が来る』(著:三津田信三)において江戸川由利子とその友人である小淵沢絢子が遭遇した怪異。
その正体は絢子の故郷である初戸の集落の葬送習俗である「二人使い」を本来2人で行わなければならない所を迷信だ、非効率だといって1人ずつで行った結果、現れた“何か”。
分かりやすく言うと2人のドッペルゲンガーで、その正確な正体は不明(劇中では死者の霊とも魔物ともいわれている地域もあるらしいが、はっきりしたことは分かっていない)だが、伝承と同じくもしも本人がそれに遭遇すると本人は命を落とし、“影”と入れ替わってしまう事が示唆されている。
また、時系列はテレビ本編25話の後日談であることは間違いないが、描写から悪魔っ子リリーの亜種のような存在に位置付けられるらしく、2人が心に秘めている願望を実行していた可能性も示唆されているが、詳細については不明。
最終的には一の谷博士が“影”が出現した経緯を2人から聞き取り、「二人使い」を行った道順を1人ずつ同じように歩かせてオリジナルを消そうと現れた所にオリジナルに悪魔っ子リリー同様に超短波ジアテルミーを浴びせる事で消し去り、怪異現象に終止符を打った。
関連タグ
可愛い悪魔:円谷プロ制作のサスペンスドラマ。こちらも同じように欲しいものの為に殺人を犯す少女が登場する。
白いヒトガタ:2000年代前半から広まっている怖いCMの都市伝説。クライマックスの線路のシーンをCMと勘違いしたのではないかという説がある。