ハーディン
はーでぃん
概要
『暗黒竜と光の剣』および続編の『紋章の謎』(ともにリメイク版含む)、『アカネイア戦記』に登場。
物語の舞台「アカネイア大陸」の国家の1つ、アカネイア王弟が興した「オレルアン王国」の王弟で、同国の軍「狼騎士団」の隊長を務めている。ちなみにFC版では「ハーディン隊長」と呼ばれており、王族という設定が明確にされたのはSFC版から。
「草原の狼」と呼ばれる大陸有数の武人。また、先住民の先祖が奴隷として貶められ、身寄りもなかったウルフ・ザガロ・ロシェ・ビラクを解放し騎士として取り立てるなど、臣民を思いやる優しさと武人の誇り、王族としての高潔さを併せ持ち、民からも部下からも慕われる人格者である。
暗黒戦争
ドルーア帝国が発端となった「暗黒戦争」では、帝国に滅ぼされた宗主国アカネイアの王女にして遠戚にあたるニーナを保護しつつ、マケドニア軍によって占領されたオレルアン王都奪還の機会を狙っていた。
マルス王子率いるアリティア軍と合流し、奪還に成功した後は騎士団と共にアリティア軍に加わり、戦争終結の大きな力となる。
その功績を認められ、戦争終結後はニーナと結婚し、アカネイア王国第24代国王となった。
英雄戦争
しかしその1年後、突如自らを「皇帝」と名乗り、アカネイア神聖帝国の建国を宣言。志を忘れたかのように圧政を敷き、各国の人民を苦しめるようになる。
その影響で各地で反乱が相次ぎ、鎮圧のためマルスたちアリティア軍を向かわせるも、現地の悲惨な状況に疑問を覚えた彼らと対立するようになっていく。
そして彼らが暴虐の限りを尽くす腐敗貴族を誅した後、遠征中のスキを突いてアリティアを陥落させるという暴挙に至る。
程なく逃亡中のマルスたちの前に現れるが、その姿は別人のように禍々しく、また敵対する者を寄せ付けない不可思議な力を持っていた。
かねてより想いを寄せていたニーナ王女と結ばれたハーディンだったが、ニーナの心には秘めた想いがあった。
グルニア王国の黒騎士カミュである。
ニーナは、かつて敵方でありながら己の身を匿ってくれた彼のことを戦死したと思しき今でも忘れられずにいた。
しかし彼女は、大陸の復興には新たな王を擁立しなければならないという周囲の声により気持ちの整理がつかぬまま婚姻を迫られる。ハーディンが選ばれたのは、他の候補であるアリティア王子マルスには、既にニーナが求婚を後押しした婚約者がいるため除外されたという消去法でしかなかったのである。
聡明な彼はすぐにその事に気付き、カミュやマルスへの深い嫉妬と苦悩に苛まれてしまう。
それに加えて、トムス、ミシェラン、トーマス、ベックなど自分と意見が対立したアカネイア騎士達が離反してしまった。
次第に政務にも手が付かなくなり、やがて自室に閉じこもって酒をあおる日々を送るようになってしまった。
そこにつけ込んだのが、かつて暗黒竜メディウスを復活させ、ドルーア帝国を再建した暗黒魔道士ガーネフである。
彼は商人に化けてハーディンに接触し、負の感情を増幅させる宝玉「闇のオーブ」を渡した。
疲弊していたハーディンの心はオーブの力に耐えられず、増大した負の感情に飲み込まれて残虐な暴君へと変貌してしまったのである。
ガーネフの思惑通り暴君となってマルスを追放した彼だが、大賢者ガトーの協力を得て戻ってきたマルスたち反乱軍に次第に追い詰められてゆく。
占領したアリティアは奪還され、圧政に不満を持つ他国の者たちも集い、かつての部下であった狼騎士団もニーナの手紙を受け取った兄のオレルアン王の命で手を引いてしまう。
そうして迎えた王都パレス前での決戦はわずか1日で敗北。
城内の最終決戦ではマルスへの嫉妬を吐露し、神器の槍グラディウスと敵対者の行動を封じる闇のオーブで無敵の強さを見せるが、対となる光のオーブで行動封じを無力化されてついに討ち取られた。
死の間際、ようやく正気に戻ってマルスに謝罪し、そしてガーネフに身柄を渡してしまったニーナを案じながら息絶えた。
アカネイア王になった後のハーディンの評価
ハーディン側にももちろん同情すべき点はあるし、全ての真実を整理すれば明らかにニーナとボアに悪い点もある。プレイヤー側から彼への評価は人それぞれであろうが、少なくとも作中における登場人物たちからハーディンへの評価は、彼やニーナ、ボアらに関する事情を知った上でなお手厳しいものが多い。
ハーディンがどう思ったにせよ、結婚の真相に気づいてから皇帝の座を得ていながらその義務を放棄したのは紛れもない事実である。そしてこの出来事は闇のオーブを受け取る以前の話であり、ガーネフには一切関係がない。
無論、これに至る過程と原因にニーナとボアが原因であるため、ハーディンがすぐに腹を割って話し合う事は難しい事は想像に難くないが、それでも私情から政務を放棄するなどと言う行為は王族として許されるものではない。
事実、ボアの話を聞いて事の次第を知った後でも、ニーナやボアについて表立って咎めている人物は作中では特に登場しないのに対して、ハーディンを非難する人物は多く登場している。
新・紋章の謎でのマイユニットもミディアとの会話で私情で政務を投げ出したハーディンの行為は皇帝としてあり得ないとしているし、闇のオーブから解放されて正気に戻った後のハーディン自身も自分があまりに弱すぎたことを認め、マルスやニーナに謝罪している。
最も、リンダやミディア達忠臣はニーナ個人に忠誠を誓っているから悪く言えなかった部分もあるだろうし、闇落ちしてたとはいえ、ハーディンが速やかに国力を回復させたのは事実なので批判されてもハーディンは必要不可欠な存在であったことは考慮すべきだが・・・。
また、酒浸りするほど心が衰弱した理由はニーナが自分を愛していなかったからというよりはカミュの事を隠して結婚に持ち込んだ事が大きいと思われる。これはハーディンの人物像とマルスの「知っていれば 絶対に承知しなかったと思う」のセリフから導き出される結論である。
容姿
黒髪のオールバックで、口ヒゲを蓄えている。目付きはやや鋭い印象を受ける。
『暗黒竜』では白いマントを羽織り頭にターバンを巻いており、どことなくインド風味の服装。一部のファンからは「カレー屋」「蛇使い」「石油王」と呼ばれたりもした。
『紋章』では、皇帝を名乗ることもあって豪奢な赤い甲冑の上に、ファー付きの黒いマントを羽織っている。また闇のオーブの影響か、目が常に真っ赤に光った恐ろしい形相になっている。
性能
暗黒竜と光の剣
味方入りするオレルアン騎士団の中では最も強く、最も扱いやすい。どのステータスもカインやアベルに負けない成長率なため、十分使える。ただし、HPの成長率が大きく劣るのがネック。
紋章の謎
第一部では味方として登場。前作と全く同じ性能なため、使い勝手もほぼ同じ。武器レベルが高いため、最初から強い武器を使えるのは大きい。
「屋内戦では下馬すること」という騎兵全種への弱体化調整がされた事で若干使いにくくなっているが、武器レベルが高く初期段階から「銀の剣」が使えるのでまだマシ。
第二部では敵として登場。職業も変わり、武器は槍のみとなっているが幸運とHP以外カンストしている上、HPは最大値付近の50のため、苦戦を強いられる。
また、見た目はジェネラルだがアーマーキラーの特効対象外である。
倒すためには戦闘能力が高い兵士に光のオーブを持たせる必要がある。
新・暗黒竜と光の剣
初期値は変わらないが、成長率がわずかに変わっている上、武器レベル配分が変わってる。槍は最初からBなため、ほとんどの槍を扱える。そのため、ジェイガンの持っていた銀の槍はこっちに回したほうが実用的。
ちなみにリメイク元同様、4章クリアー時に村長がハーディンに銀の剣を届けてくれと言われるが、今作ではすぐに装備できない。
これは原作再現をしながらゲームバランスの調整という一面が大きいだろう。
もし仮に剣の武器レベルもBにしてしまうと序盤に限ればジェイガンどころかオグマの上位互換になってしまう。
そりゃ最初から銀の剣も使えたらオグマよりハーディンを使う人が増えてオグマの立場が危うくなる。なんだかんだ言って、序盤の銀武器は破格の性能である。
流石に期待値はカインとアベル、オグマに劣る上、幸運の低さが気になるが、それでも無理させなければハード5でも最後まで使っていける程度には成長するので、剣レベルもBだったなら万人に愛されるお助けキャラになっていただろう。
だとしてもこの矛盾をどうにかしてほしかったが…。
新・紋章の謎
敵として登場。能力的には劣化メディウスではあるものの、幸運が0である事以外、総じて高水準のステータスとなっており、グラディウスによる強烈な一撃は脅威。特にルナティックでは幸運0、魔防25以外はオールカンストのHP80という、驚異の数値を誇る。お前本当に人間か?
中途半端にHPを残すと玉座の効果で大幅に回復するため、倒すときは一気に決めるべし。
リメイク元と同じように、攻撃するには光のオーブが必要なので、武器の三すくみも考慮して、絶対の信頼がおけるバーサーカーで対峙するのがいいだろう。
本作ではロシェ以外の狼騎士団員も仲間になるようになったが、展開上仕方ないとはいえ前作の味方ユニットの中でただ一人、最後まで敵のままであった。(ロレンスの場合、話す事でアイテムが貰えるようになっているが、ハーディンはマイユニットとも戦闘会話が出るだけで、全く立ち位置に変化がない。)
新・アカネイア戦記でのみ味方として使うことができる。初期値は前作よりも若干高い程度だが、成長率は圧倒的に高い。また、最初から銀武器を使えるため、メイン火力として大暴れできる。
ステータス・成長率
初期ステータス
作品 | 兵種 | Lv | HP | 力 | 魔力 | 技 | 速さ | 幸運 | 守備 | 魔防 | 武器 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
暗黒竜 | Sナイト | 6 | 20 | 9 | - | 7 | 8 | 3 | 8 | 0 | 9 |
紋章(第一部) | ソシアルナイト | 6 | 25 | 9 | - | 7 | 7 | 3 | 8 | 0 | 9 |
紋章(第二部) | 皇帝 | 1 | 50 | 20 | - | 20 | 20 | - | 20 | 20 | - |
新・暗黒竜 | ソシアルナイト | 6 | 24 | 9 | 0 | 7 | 8 | 3 | 8 | 1 | 剣D槍B |
新・紋章(ノーマル) | 皇帝 | 30 | 50 | 20 | 0 | 20 | 20 | 0 | 20 | 15 | 槍A |
新・紋章(ルナティック) | 皇帝 | 30 | 80 | 30 | 0 | 30 | 30 | 0 | 30 | 25 | 槍A |
新・アカネイア戦記 | ソシアルナイト | 8 | 28 | 10 | 0 | 9 | 11 | 5 | 12 | 0 | 剣B槍B |
成長率
※新・暗黒竜、新・紋章に関してはソシアルナイト(パラディン)の時のもの。
作品 | HP | 力 | 魔力 | 技 | 速さ | 幸運 | 守備 | 魔防 | 武器 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
暗黒竜 | 50 | 30 | - | 50 | 60 | 30 | 20 | 0 | 70 |
紋章(第一部) | 50 | 30 | - | 50 | 60 | 30 | 20 | 3 | 70 |
紋章(第二部) | 味方ユニットにならない | ||||||||
新・暗黒竜 | 50 | 30 | 0 | 55 | 55 | 30 | 20 | 0 | - |
新・紋章 | 味方ユニットにならない | ||||||||
新・アカネイア戦記 | 90 | 75 | 0 | 65 | 65 | 30 | 45 | 0 | - |
ヒーローズ
暗黒皇帝 ハーディン
属性 | 青 |
---|---|
兵種 | 槍/重装 |
武器 | グラディウス(専用) |
奥義 | 復讐 |
A | 守備魔防の大覚醒3 |
B | 攻撃隊形3 |
2018年2月から登場。闇のオーブで堕ちた暗黒皇帝として最初に登場。
ステータスは速さ以外やや平均寄りなバランス型。
カミュ同様にグラディウスを持っているので遠距離反撃可能。
一方パッシブBは攻撃隊形を持っており、奥義を駆使して攻め込むか金剛や明鏡の呼吸や迎撃隊形といった受け特化型も強い。
弱点は重装特効。さらに重装なので一マスしか移動出来ないがステータスに関してはほぼ弱点はないため、使いやすい。
2021年5月のアップデートで同じ武器を持つカミュ同様錬成武器対象に。効果自体に変化はないが特殊錬成効果は攻撃された時か敵のHPが満タンの時は戦闘中、全ステータス+4かつ攻撃を与えるだけでHPが7回復する。これでさらに耐久性能が上がった。
尚、公式4コマ漫画の42話では鎧を着たままドラムを叩くと言う、思わぬ方向でネタキャラ化され、「ノリノリすぎる」「ドラムセット壊しそう」「楽しそうで何よりです」とちょっとした話題になった。
草原の狼 ハーディン
属性 | 青 |
---|---|
兵種 | 槍/騎馬 |
武器 | 草原の狼の白槍(専用) |
奥義 | 竜裂 |
A | 鬼神飛燕の迫撃 |
B | 攻撃速さの近影3 |
2022年11月から通常版がようやく登場。第一部で狼騎士団隊長を務めた時代のハーディンでウルフ達と再会、そして闇堕ちした自分自身との共演も実現。
闇堕ち版とステータスを比べると攻撃と速さは上がるが得意のHP、守備、魔防は下がっている。
専用武器はキラー武器効果とターン開始時、周囲三マス以内に味方がいれば自分と周囲三マス以内の味方騎馬の攻撃速さ+6かつ「自分から攻撃する時、絶対追撃」付与。前半の効果は兵種指定はないが出来るだけ騎馬も入れたいところ。
もう一つは自分から攻撃するか周囲二マス以内に味方がいると戦闘中、攻撃速さ+6かつ最初に受けるダメージを40%軽減。そして攻撃した側(自分からなら自分、敵からなら敵)の移動前と移動後のマス距離分(最大3)×3のダメージ加算の疑似激突系効果も持っている。
闇堕ち版と異なり、味方と共に戦う完全なアタッカーなスキル編成で騎馬と組むと効果絶大。
守備面は落ちているので攻められると弱い。騎馬特効や魔法に弱いなど別ベクトルで弱点が増えている。遠距離反撃も無いので遠距離武器の対応力も劣っている。