「隠れてて悪かった。この星達を操るには、強い集中力と技術が必要でね」
「最初は動きもぎこちなかった星達が、今では手足のように動かせる」
「地位になんの価値がある? てめえの小汚え口から出た地位が、どれほどオレを助けた?」
「何も助かっちゃいねえ… 石から戻されても何もな…」
「オレを正気に戻したのはこいつの言葉だ! こいつの友達になってくれるという言葉だ」
概要
千年前の魔物の中でも高い実力を持つ魔物の一体(アニメ版ではゾフィスに選ばれた「四天王」の一人として登場している)。
CVは松岡洋子氏。
千年前の本の持ち主はシェルビィ。現在はその子孫のランス。
本の色については、公式ファンブック「金色のガッシュ!!まるかじりブック2」にてライトイエローだと明かされている。
実力についての詳細は後述するが、ブランクを埋めるためのトレーニング(実質肩慣らし)かつ初級術しか使っていない状態ですら、清麿に「今まで戦ってきた千年前の魔物の中で間違いなく最強だ」と感じさせるほどの非常に高い実力を持つ強者。
その高い実力・かっこよさと可愛さが同居したビジュアル・本編でも垣間見えた誠実さや真面目といった要素から、連載終了した現在でも尚、千年前の魔物の中でも高い人気を誇る一人である。
現に連載当時に行われていた公式人気投票でも、第3回にて13位にランクイン。
2023年7月にマイナビが実施したアンケート「金色のガッシュ!!で1番好きな魔物の子は?」でも16位にランクインしており、魅力的なキャラクターが増えてきたファウード編以降も高めの順位を保っている。
人物像
容姿
自身の象徴でもある「星」の形をしたようなボリュームのある金髪、背中に付いた(生えている?)6本の黄色いレーダーのような長い物体が特徴的。
服装は両肩、両腕、両足に白色の大きなアーマーのような物を装着。武装していない二の腕や太ももは細く、青い服を着用している。
また、場面によっては自身の周囲に大量の星を展開している。
補足:パムーンの星について
外部サイトではパムーンが展開する星について「星の名前はスピードスターという」と書き込まれている場合もあるが、これはデマなので注意。
少なくとも2023年12月現在では、原作本編・作者ブログ・作者Twitterにてそのような解説がされたことは一度も無い。
一応、公式ファンブック「金色のガッシュ!!まるかじりブック2」では「鉄壁の守りを誇るスピードスター」という紹介文が書かれているが、これは「パムーン本人の異名」のようなものであり、「星の正式名称」を指しているわけではない。
それこそ作中でもパムーンは単に「星/星達」としか称しておらず、他には清麿やサンビームが「ヒトデ/ヒトデ達」と呼んだだけである。
もしアニメ版のオリジナル台詞や何かしらの公式書籍等、正確な出典を知っている方がいらっしゃれば、引用元を明記した上で随時追記していただきたい。
性格
作中で初登場した際は「石に戻される恐怖」に怯えていたため、やや非情な言動を見せていたが、ガッシュの強さを認めた後の描写を総合すると、本来は心優しく強い正義感を併せ持った良識ある人物だと言えるだろう。
また、後述の通り戦闘における状況判断力や対応力に関しては抜群に優れており、冷静かつ的確に相手を追い詰めていける頭脳や戦闘センスを持っていることが窺える。
不憫萌え(?)
また、パムーンを語る上で(ある意味)欠かせないのが、石板から解放される前に清麿から受けた「自由な発想」という名の屈辱である。
ちなみにパムーンの石版を清麿が見つけた骨董品屋については、原作のコマでは店名が見切れているが、公式ファンブック「金色のガッシュ!!まるかじりブック」にて「田邊骨董店」だと明かされている。
そして清麿(アニメではガッシュやティオも加わっている)がパムーンの石版に対して行っていた「自由な発想」とは、
- 石版に手をつけて意味不明な呪文(?)を大声で叫ぶ。
- お湯や氷水に浸して暫く様子を見る。
- ブリで何度も殴りつける。
- 目や髭等の落書きをする。
等があり、一通りやり終えた清麿自身も「オレは何をやっているんだろう……?」と困惑してしまう内容だった(まあ、メタ的に言えば完全なギャグシーンなのだが……)。
その後、石版はビョンコによって盗まれてしまう。清麿が行った上記の行動は案の定パムーンの逆鱗に触れてしまっていたようで、サンビームは清麿がどんなことをしてパムーンを怒らせたのか(なぜか)気になっていた。
戦闘では清麿が自身に屈辱を与えた本人だと確信してから怒りを露にしたが、ガッシュとの和解で許した(?)様子。
更に連載終了後も、完全版に収録された「ガッシュカフェ」にて自身の術にゲスト出演されてしまう等、本編外でもやや不憫というか、いじられキャラのような扱いを受けている。そのような扱いに萌えを見出すファンも一定数いる模様(?)。
実力
清麿から上述の評価を受けるように、千年前の魔物の中では最強クラスの実力を持つ。
結果的には石化させられてしまったものの、最終的に40人以上もの魔物に勝利するほどの圧倒的強さを誇るゴーレンを単騎で撃破寸前まで追い詰めたのだから、相当な実力者であったことに異論は無いだろう。
しかもゴーレン戦の回想シーンをよく見ると、ゴーレンは頭部から明確に出血しているのに対し、パムーンも全身に汚れやアザ(血痕?)こそ目立つが一箇所たりとも流血していない。
アニメ版75話では演出が追加されており、ゴーレンは全身から汗を流し肩で息をしている一方、パムーンは少量の汗しかかいておらず息切れすらしていない。
これらの描写を踏まえると、むしろゴーレンが決着前に卑劣な罠を使ったのは「そうでもしなければ決定的な隙が作れない」からであり、パムーンとゴーレンの間には大きな力量差があったとも考えられる。
現に(最終的には怯えて隙を作ってしまったものの)、人質がゴーレンの罠だと即座に見抜いており、的確に状況を判断して違和感に気付ける優れた洞察力を持つのは間違いない。
ガッシュ達との戦闘でも、最初は(トレーニングも兼ねて)下の階に潜んでおり、ガッシュ達の足音だけを頼りに的確に狙いを定めるという離れ業を披露。
後に床を破壊されて直接対峙してからも、
- デーム・ファルガの隊列が崩された直後に無防備な清麿達を狙い、ウマゴンが離れている(=速度で回避できる可能性が低い)内にエクセレス・ファルガを打ち込む。
- オルゴ・ファルゼルクで肉弾戦を展開し、ガッシュとウマゴンが接近している隙をついて清麿達を攻撃し、咄嗟に戻ったガッシュとウマゴンもまとめて拘束する。
等、2vs1の状況でさえ常に戦闘を優勢に運べるだけの対応力を本の持ち主と意志疎通ができない状態で実行している点からも、パムーンのセンスが卓越したものであると読み取れるだろう。
このように、今まで登場してきた千年前の魔物とはまさに別格の総合戦闘力を披露したため、一部のファンからは「石板に封じられた魔物どころか、千年前に参加した100人の中でもトップクラスの強者だったのでは?」と考察されることもあるほど。
術
術属性に関しては、公式ファンブック「金色のガッシュ!!まるかじりブック2」にて「操り」属性と記載されている(バルトロやロップス、レイラと同様の属性)。
多数の星達を自在に操り、光線を放つ術を持つ。
パムーン独自の強みとして、常に大量の星を広範囲に展開し、一度術を唱えれば複数の星から同時に術を発射することもできる。
そのため、術によっては「一度の詠唱が実質的に10回近い発動と同義になる」「一度の詠唱で10ヶ所近い全方位からの攻撃が可能」という強力な個性を常時発揮することが可能。
ファルス
操る星々から直線的なレーザーを放つ。
作中では術名が明かされていなかったが、公式ファンブック「金色のガッシュ!!まるかじりブック2」にて「ファルス」だと判明した。
ファルガ
回転を加え、貫通力が増したレーザーを星から放つ。
作中ではレーザーが螺旋状に絡まっているかのような表現がなされている。
ファシルド
5つの星で対象を囲み、レーザーで各頂点を結ぶようにして四角錐(ピラミッド状)のバリアを張る。
デーム・ファルガ
複数の星をレーザートラップ状に配置し、レーザーを放射し続ける。
隊列が崩れても術の効果が失われるわけではないようで、むしろ乱れたまま無差別にレーザーを振り回し攻撃することも可能。
エクセレス・ファルガ
「集中!!」
17個の星をX状に並べ、Xの形をした強力な極太のレーザーを放つ(上のイラストでは13個だが、本来は4×4ヶ所+中央に1つで計17個)。
正確な威力は不明だが、デボロ遺跡の壁に数メートルはありそうなX字の穴を空ける程の威力があり、後にガッシュが修得したエクセレス・ザケルガがブラゴのディボルド・ジー・グラビドン(=ディオガ級)と相殺している描写があるので、この術もディオガ級相当なのではないか?と考察されている。
オルゴ・ファルゼルク
幾つもの星を全身に装着する肉体強化術。
強化幅は非常に高く、ラウザルク状態のガッシュとゴウ・シュドルク状態のウマゴンをパンチ一発でまとめて上空まで吹き飛ばし、両者の突撃をそれぞれ片手で簡単に止めるほどの力を発揮できる。
また、身体に付いた星と身に纏ったエネルギーを引き伸ばし、相手に絡みつかせて動きを封じることも可能。さらにその状態で別の術も放つことができる。
ディオガ・ファリスドン
「照準!!」
「照射!!!」
星を円周状に集めて回転させ、超巨大なレーザーを放つ。
劇中ではオルゴ・ファルゼルクで清麿たちを全員拘束したところを上から撃つというコンボで放たれた。
ディオガ級だけあって威力は非常に高く、ガッシュ達に回避された際には床に底が見えないほどの大穴を穿った。
ちなみに公式ファンブック「金色のガッシュ!!まるかじりブック2」では「渦状ビームを発射」と解説されているが、原作・アニメ版どちらの描写でもビームが回転しているようには見えない。発射前に星が旋回しているので、発射時に「捻り」が加えられるということだろうか?
ペンダラム・ファルガ
パムーンの最大呪文。それぞれ表情の異なる星型の5つの顔を持つ、精霊の姿をした巨大なエネルギー体を形成して攻撃する(公式ファンブック「金色のガッシュ!!まるかじりブック2」によると「5体の巨大な星の妖精」らしい)。更にアニメ版では顔の部分の合体も可能。
1つの顔だけでも数メートル以上もの大きさを誇る巨大な呪文であり、その迫力に違わず渾身のバオウ・ザケルガを顔4つ分で相殺するほどの威力を誇る。
ただ、この頃のバオウ・ザケルガはギガノ級よりやや上程度の威力であり、ディオガ級も習得しているパムーンの最大術としては威力を疑問視されることもある。
また、完全版に収録されたオマケ漫画「ガッシュカフェ」では、術者のパムーンを差し置いて唯一術から参加している。
バオウやシン・クリアと同様に「意思を持った術」であったようで、千年苦しんだパムーンを励まそうとしている。
フェイ・ファルグ
星を張り付けた者や自分を浮遊させる。
作中で下の階からガッシュ達の前に姿を現した際、パムーンとランスの全身が光っていたのはこの術を使用していたからだと思われる。
ファルセーゼ・バーロン
「分・散!!!」
クリア完全体との決戦にて、ガッシュの「自分達を助けたい」という思いを感じ取り、ガッシュを助けたいと思った時に「金色の本」に現れた呪文。
「金色の本」に現れた呪文の中では、ダニーのジオルクと同じく「シン」が付かない呪文である(ジオルクにシンが付かなかった理由はダニーの記事を参照)。
無数の星を上空に出現させる。作中ではレイラのミベルナ・シン・ミグロンと共にビクトリームのシン・チャーグル・イミスドンの発射台となり、クリア完全体が放った無数の消滅弾を撃墜する活躍を見せた。
単独での効果は描写されておらず、一部のファンからは「攻撃呪文の類ではなく、大量の星を出現させる『戦闘準備用』の呪文なのではないか?」と考察されていた。
そして連載終了後、作者の雷句先生が2011年に自身のTwitterで「ガン〇ムのファンネルのような物がたくさん出る呪文。パムーン自身が星々から無限の攻撃方法を生み出す」と術の効果を回答されたため、遂に効果が多少なり明らかになった(該当ツイートはこちら)。
要するにレイラのミベルナ・マ・ミグロンと似たような術ということだろうか?
尚、ネット上ではミベルナ・シン・ミグロン及びファルセーゼ・バーロンに関して、「クリア完全体が発した消滅弾の動きを停止させた」と書き込まれていることもあるが、これはデマ(というか誤解釈)である可能性が高いので注意。
現に作中では消滅弾を「止めている」ことを示すような台詞・描写・効果音等は一切確認できないため、単純に「クリア完全体が消滅弾を降らせてくる前にレイラとパムーンが術を展開し、まだ空中に弾がある内にビクトリームの術で撃墜した」という演出だと思われる。
本の持ち主
シェルビィ
パムーンの千年前の本の持ち主で、ランスの先祖。
CVは佐藤晴男氏。
チェーンメイルに身を包んだ騎士風の初老の男。
台詞が少ないため正確な人物像は不明だが、おそらくパムーンとそこそこの連携は取れていたと思われる。
ランス
パムーンの現在の本の持ち主で、シェルビィの子孫。
CVは安澄純氏。
おかっぱ頭と下睫、貴族風の衣装が特徴の青年。
本編では洗脳が解けてからも気絶していたため、呪文以外の言葉を発する場面は見受けられなかったものの、石板編終結後の空港にて笑顔を見せている場面がある。
完全版に収録されたオマケ漫画「ガッシュカフェ」でも明るい姿が描かれ、パムーンの不遇な過去を哀れみ、ペンダラム・ファルガらと共にパムーンを励ました。
活躍
石板としての初登場は原作83話。石化解除後の姿が初めて映ったのは原作103話。
石板編後半におけるデボロ遺跡再突入時に本格登場し、ガッシュペア&ウマゴンペアと交戦。
戦闘中に描かれた回想にて、かつてはゴーレンを圧倒するほどの実力であったが、卑怯な罠に敗れ石化させられてしまったと明かされた。
復活した当初からゾフィスに反感を抱いてはいたのだが、石化へのショックと孤独に苛まれ、内心では悩みながらも従う道を選んでいたとのこと。
戦闘でも容赦の無い猛攻撃を見せるが、ガッシュの揺るぎない姿勢を目の当たりにし、「私が友達になるのだ」という言葉をかけられる。
最大呪文の撃ち合いでも勝利するが、肉体強化もしていない状態でペンダラム・ファルガを必死に受け止めるガッシュの姿や、先の「私が友達になるのだ」という言葉から思うところがあったようで、自ら術を中断。
事実上はパムーンの勝利だったものの、ガッシュに笑顔を見せて和解という形での決着となった。
戦闘後にはガッシュ達を呪文で上の階まで運び、「オレもゾフィスと戦う」とまで宣言するも、直後に現れたゾフィスに本を燃やされてしまう。
それでもパムーンはガッシュを引き寄せ、「オレを救ったのは(ゾフィスの甘言ではなく)友達になってくれるという言葉だ」と最後までゾフィスへの離反を示し、魔界へ帰っていった。
残念ながらガッシュ達と共に戦うことこそできなかったものの、ガッシュと強く心が結び付いたのは確かであり、長きに渡り心を蝕んでいた石の恐怖から救われたのは確かだろう。
その後はクリア完全体との決戦にて、レイラ・ビクトリームと共に再登場。
「術」の項目で述べたような連携を見せ、無数の消滅弾を撃墜する活躍を見せた。
そして原作最終回では、ガッシュ達の2つ上であることが明かされ、アニメオリジナル魔物であるハイドと意気投合しているような様子が1コマだけ描かれている。
余談
レイラとの関係?
同じ千年前の魔物であるレイラとは、
- 術属性が同じ「操り」属性。
- 術を自身の身体ではなく所有物から発射する。
- 年齢が同じ(魔界に帰った後、パムーンとレイラは二つ上の学年でガッシュ達と同じ学校に通っている描写から)。
- ガッシュ達の仲間に加わり、ゾフィスに立ち向かう。
- クリア完全体との最終決戦では(ビクトリームと揃って)ガッシュに力を貸している。
- いわゆる星と月。
といった複数の共通点があるのだが、本編で二人の関係は説明されていない。
同族の可能性も推測できるが、ウマゴンやカルディオのような例もあるので実際は不明。
一応、清麿が石化の呪いに苦しむレイラにパムーンの名前を口走った際、動揺した顔を浮かべていたので、レイラはパムーンの存在を知っていた模様。
pixivでは二人の関係性を想像し、カップルのように描いた微笑ましいイラストや漫画も投稿されている。
関連イラスト
関連タグ
ツァオロン/ベルギム・E・O/デモルト……千年前の魔物の中でも高い実力を持つ魔物達。
ゾフィス……因縁の相手。
ロップス/レイラ/バルトロ……同じ「操り」属性の魔物達。奇しくも全員がガッシュと何らかの関わりを持っている(ロップスはガッシュと対決してライバルのような関係になった魔物、レイラはパムーンと同じくガッシュと友情を築いた魔物、バルトロはガッシュの恩人である清太郎を誘拐した張本人)。
ロデュウ……パムーンに続く「清麿の被害者」で、こちらは拷問同然の制裁を喰らっている。
同作者作品の関連キャラクター
- ジュウ・フリー
作者の雷句先生が今作終了後に連載していた「どうぶつの国」に登場するキャラクター。
作中終盤で登場した際、「アンチマターウェポン」の一種として「ファルセーゼ・バーロン」という名前も見た目もパムーンの術そのものな兵器(星の形をしたファンネルのような物)を使用している。
ネタバレのため詳細は伏せるが、周囲に展開したそれらを光線で結び合わせるという、レイラの「ミベルナ・マ・ミグロン」を彷彿させる機能もあり、おそらくは読者へのファンサービス兼セルフオマージュだったと思われる。