この記事にはネタバレが含まれます。
プロフィール
「罪なるかな、咎なるかな、悪なるかな!」
概要
真名融解
『Fate/Grand Order』に登場するテュフォンの本当の真名。
その正体は英霊でも幻想種でもなければ、テュフォンが喰らった果実そのものがサーヴァントとなった、前代未聞の存在。
真名
ギリシャ語で無常、刹那を意味する言葉、『エフェメロス』。
厳密に言えば、今まで個として認識されず名も無かった彼女に、劇中でプトレマイオスが付けた仮称であり、本人もそれを気に入り真名とするに至った。
大神ゼウスすらも圧倒したテュフォンを弱体化させるためだけに、女神によって生み出され、狙い通りテュフォンが食した無常の果実そのものが正体。
ソレを食べた者は全ての行いが失敗し、いかなる望みも叶うことが無くなるという、いわば反願望機・反聖杯とも言うべきもの。
人物
一人称はテュフォンとしては「我」、エフェメロスとしては「私(わたし)」。
融合したテュフォン自体は現象のような存在で、人格というものが無かったためか、無常の果実に芽生えたエフェメロスという人格がほぼ完全に主導権を担っている。
故に、本体とアバターを動かす魂は実際のところ個別のもので、彼女も自分とテュフォンを別人視し兵器のように扱っている。
ギリシャ神話の世界観においては、「人ですらない存在が人間になる」といった事例が幾つかあり、そういった神話感が下地となる事で、『果実が人格を得てサーヴァント化するのもおかしくは無い』と解説されている。
反願望機という在り方であるため、対面する相手が願いを口にするように煽り、願いを聞き入れればそれとは真逆の結果をもたらそうとする"本能"の持ち主。
神話において強大な存在である竜の討伐には、八岐大蛇に飲ませた酒のように何かを捧げて弱体化させるパターンが幾つか存在するが、それは『生贄となった姫』の暗喩でもある。
故に、その為だけに生み出されたエフェメロスは、自分のような贄をもって活躍した神や英霊達、更にはその源泉である「願望」そのものに嫌悪と憎悪を抱いている。
このように個人的な好悪や自我は有しているが、元が願望機であったためか、行動はどちらかと言えば受動的で、「自発的に行動するという発想」は持ち合わせてはいなかった。
だがカルデア一行に負けた折、遂に自由意志を獲得。悪竜現象を引き起こし、体内に魔力炉心を形成。自我の解放の歓喜に打ち震えながら逃走を図るも、殺し損ねていたテセウスの協力もあり、反存在である聖杯を霊核に撃ちこまれ、口惜しさを胸に消滅した。
能力
反願望機・反聖杯と呼ばれるだけに、その出力は聖杯と同等で非常に強力。その力で神々の封印を破り、テュフォンを半覚醒させるまでに至る。
ただし願望機ゆえに、自分自身の願いを実行することはできず、権能の行使には「他者からの入力」が必要不可欠。そのため、自分が望む結果を作り出すには、他人に「それとは真逆の望み」を口にするよう上手く誘導しなければならない。
またその性質上、本来の願望機である聖杯とは極めて相性が悪く、正と負の相克関係にある。そのため、彼女自身は聖杯を十全に扱うことができない上、聖杯を加工した武装が特攻武器として作用する弱点を持つ。
保有スキル
我、願望反す無常の果実 | チャージ攻撃。敵全体に攻撃&強化成功率ダウンを付与(3T)×4 |
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■■なるかな | 敵全体の攻撃力ダウン(3T/3回) |
嵐の権能 | 自身のクリ発生率アップ(3T)&クリ威力アップ(3T)+敵全体の防御力をダウン(3T) |
汝、宙を裂く雷霆 | ステージギミック。予告から2T後に攻撃範囲内にいるサーヴァント全員に10000ダメージ(HPが必ず1残る)&HP1かつブレイクポイントが残っている場合はゲージブレイク+マスターに1回ダメージ |
竜殻閉鎖 | ステージギミック。1回ゲージブレイク後に使用。聖杯戦線のフィールド上で攻撃対象に選択できなくなる(3T) |
宝具
???
- ランク:不明
- 種別:不明
- レンジ:不明
- 最大捕捉:不明
アバターの黒い少女が使用しようとした宝具。
反願望器としての性質に基づく宝具と思われるが、作中では文字が潰れているため名称は不明、効果についても発動寸前で主人公一行に阻止されたので不明。
汝、宙を裂く雷霆(ネガ・ケラウノス)
- ランク:不明
- 種別:不明
- レンジ:不明
- 最大捕捉:不明
本体の三頭竜が放つ三連ドラゴンブレス。
テュフォンの記事で記載した通り、かつてゼウスから強奪したとされる雷霆の権能で強化されており、半覚醒状態でも空間に乱れを生じさせる程の威力がある。
ゲーム上での性能
現時点ではNPCで三頭竜がボスエネミーとして登場するのみ。クラスはプリテンダーだが属性が全クラスに対して防御不利に変更されており、バーサーカーの大型エネミーに近い状態で相手にする事になる。全体に付与される攻防デバフも厄介だが、それ以上に攻撃が痛いので防御有利が取れるライダー・キャスター・アサシン・フォーリナーで戦うのが有効。
『汝、宙を裂く雷霆』は上述の通りステージギミック扱いで、攻撃準備に入ってから2ターン後にステージ中央から右半分か左半分にいるサーヴァント全員に10000ダメージを与えてくる(HP1かつブレイクポイントがある状態で被弾するとゲージブレイクするが、必ずHPが1残る)。このギミックでサーヴァントが倒される事はないが、ブレス被弾後に攻撃されたりステージに大量に配置されている火傷マスでダメージを受ければほぼ即死なのでステージの中央で戦った方が安全。
実はステージの右上隅の4マスが安全地帯になっており、エネミーの出現ポイントも1つあるため、その場所にマスターを移動させれば増援の沸き潰しをしつつブレスを回避できる。ステージが左右対称なので一見すると左端も安全に見えるがそちらにはブレスが当たるので注意。
関連人物
「エフェメロス」の名を与えた実質名付け親。
生前の後悔もあってその願いを否定し英雄を呪う言葉に苦悩したが、仲間達と共に導き出した「答え」が彼女に変化をもたらした。なお、有効打となった特殊弾『聖杯弾』はプトレマイオスが聖杯の雫を加工して作成した。
カルデアに敗れ退去寸前だった彼を利用してアステリオスを乗っ取る形で顕現した。
アステリオスを想うテセウスを嘲笑いながらトドメを刺したはずが、辛うじて生きていた彼に妨害された結果トドメを刺されるという、ある意味因果応報の結末を迎える事になった。
元祖プリテンダー。エフェメロスと同様に「本来は竜では無い存在が竜の性質を得た」「言動どおりに行動する事が出来ない」という共通点がある。
同じプリテンダーにして、本来人どころか純粋な生物ですら無い存在繋がり。
「生まれながらの願望器」という、ある意味エフェメロスの対極に位置する存在。
ある意味で対極の存在。テュフォンを喰らったことで、限定的とはいえ人間でありながらその権能を行使することができる、竜を喰らった男。
判明前は正体の最有力候補にあがっていた。
なお神話上のエキドナはテュフォンの妻であり、ケルベロス、ヒュドラ、キマイラと言った魔獣を生み出した存在。
余談
- 他者の願いをあべこべに叶えるという性質、テュフォンというドラゴンを操る姿、正体が果実であったことなどから、一部で逆張りドラゴンフルーツなるニックネームが登場した。語呂からドラゴンフルーツとだけ呼ばれることもある。
- 最終決戦でテュフォンに食われてその自意識として振る舞う様を一部ユーザーからは搭乗だの合身だのパイルダーオンだの言われてテュフォンのパイロット扱いされてたりする。
- そもそも 「生体聖杯」の概念自体は初代『Fate/stay_night』からこれまでのシリーズで何度も登場しており、ここから単に反聖杯を埋め込んだ生きた人間の少女を「果実」と呼んでテュフォン封印の生贄として喰らわせただけなのではないか?とする見方もある。この場合、テュフォンエフェメロスの物語は非常にシンプルな「無理やり生贄に捧げられた古の少女の怨霊の復讐」という形に帰着することになる。エフェメロス本人がしばしば見せる世間知らず感ある素振りも「そのため(生贄になるため)だけに生み出され、育てられた存在」だったという風に説明がつく。もちろん作中ではあくまで神の作り出した果実であると明言されており、本人もこれを肯定しているのだが、死後悠久の歳月を経て彼女自身の記憶や構成要素の伝承神話が歪んだ可能性も無視できない。