概要
その名の通り明治神宮が所有・運営しており、1926年(大正15年)に開場という古い歴史を持つ。
プロ野球球団の東京ヤクルトスワローズの本拠地である。
アマチュア野球でも
- 東京六大学野球の開催球場
- 東都大学野球(1部)の開催球場
- 夏の甲子園東・西東京大会の決勝戦開催球場
- 明治神宮野球大会(高校・大学)の開催球場
など、主要な試合が行われる球場として活用されている。
なお試合開催に関する優先権は基本的に六大学>その他学生野球>プロ野球であり、これは元々六大学の試合用として建設されたという経緯がある。
1978年と2021年の日本シリーズは六大学や明治神宮大会の日程が優先され、ヤクルトのホーム試合は後楽園球場、東京ドームで開催された。
ヤクルトの前身である国鉄スワローズが本拠地にするまでは東映フライヤーズ(現北海道日本ハムファイターズ)が事実上の専用球場として使用してた時期もある。なお初のプロ野球公式戦は1948年に行われた金星スターズ(1957年消滅)対中日ドラゴンズ戦である。
施設としては、バックスクリーンや照明、音響、売店、トイレ、バリアフリーなどの設備や施設は適時最新型に改修されている。
しかし一からの建て直しがほぼされてない球場なので、基本設計が古いままである。
2020年現在本塁から両翼までの距離が97,5mと短く、グラウンドの総面積は12球団の本拠地としてはトップクラスの狭さである。そのため本塁打が出やすく乱打戦が多いとされる。
リリーフ投手のブルペンがグラウンド内のファールゾーンにあって囲いが一切ないのも12球団で唯一である。
観客スタンドも全体を通して一層しかなく、プロ野球球場としては高さもそんなにない。
球場は都心の超一等地にあって交通アクセスも非常に良く、東京メトロの外苑前駅、都営地下鉄の国立競技場駅]]、JRの信濃町駅と千駄ヶ谷駅の各駅から歩いて約5分~15分で到達できる。
しかし明治外苑の敷地内を除く周辺道路は歩道も車道も幅が狭く、試合開催時は観客であふれ渋滞や危険な移動も起こりやすい。アクセスが良すぎるが故のネックポイントである。
専用駐車場はないため、マイカーだと美術館など周辺施設の有料駐車場やコインパーキング等を利用しなければならない。
また、選手用の専用駐車場もクラブハウスの敷地内にある狭い部分でしかなく、帰る際も神宮にいるファンも通る道路から行かなければならない為、今でも安全面に関してはどの球団よりも気にしている。
又、大学野球などの使用する関係で神宮主催のヤクルト戦では土休日含めてナイター開催がメインになる。
その為、近年は東京ドームが土休日がデーゲーム主催になる事が増加した為、ここか福岡ドームがナイター開催することも多く、東京のラジオ局が放映することも決して珍しくない。
第二球場
本球場の近くにあるサブ球場で大学野球や高校野球の球場として使用されたことがあるほか、ゴルフの練習場としても利用されている。
2019年に野球での使用が無くなったことでゴルフの専用練習場として使われているが、臨時として「スワローズショップ場外ホームラン店」の名でスワローズの公式グッズ販売が行われていた。
2023年に後述する神宮外苑再開発の影響で取り壊しが決定。
1961年の開場から62年の歴史に幕を閉じた。
神宮外苑再開発にて
2031年までに秩父宮ラグビー場の部分に新たな神宮球場を作ることを発表した。
特徴として、ホテルとショッピングモールの併設という野球以外での利用客を増やす目的として作る予定。
ただし、新球場には様々な問題があり、「照明器具や防音の設備に対する有耶無耶」「球場の広さが王貞治氏の通算ホームランの飛距離の平均値を参考にしている」「銀杏並木の隣に建てる為、防音用の壁で出来た日影によって銀杏が悪影響を受けると環境活動家が抗議をしている」という問題点が上がってきた。
その中でも環境活動家を中心とした反対派は神宮再開発においての厄介者であり、「甲子園球場やフェンウェイ・パーク(ボストン・レッドソックスの本拠地)を引き合いに出し、100年以上の建物である神宮球場を歴史的建物という形でそのままにして、取り壊すことに反対している」「神宮外苑全体を公園化にすることを提案する」などの発言で真っ向から反対している。(ちなみに二番目の案に関しては「宗教法人のものに公共施設を建てると政教分離原則違反となる」という法律に引っかかる為、土地を国に返せと左翼的な発言をしている)
だが、「東京都や三井不動産などが金目的で神宮再開発を推し進めている」という発言は自分たちの主張を有利にするために行われた意図的な印象操作を行っているだけに過ぎない。
何故ならこの再開発は明治神宮が主体であり、東京都は工事をする事に問題ないと言っただけで再開発には関係ないに等しいのだ。
また「銀杏を伐採しようとしている」「外苑の木は絶対に切らないという誓いを破った」という発言も、絶対に切らないのは明治神宮の周辺である内苑の木のことで、外苑の木は人工的に作られた木で自然的な価値としても低く、23区だけでも銀杏通りが靖国神社や光が丘公園にもある為、仮に伐採しても問題はないのである。(というか銀杏通りの伐採は環境活動家が勝手に置き換えたものである。)
しかも、今の神宮球場の問題点を増設や改築する提案をした者に賛同しているが、これでは神宮球場のキメラ化は確実で「そのままの形に残すこと」から矛盾しており、先述の100年以上の建造物として甲子園球場を引き合いに出しているものの、神宮球場は甲子園球場ほどの広さも無ければ、甲子園球場はリニューアル前から設備が充実していたことを考慮していないのである。
そもそも、改築をやってしまうと練習スペースの確保の影響などで外周スペースの不足をより表立つことになってしまい、長年神宮球場で働いた人が「増設や改築だけでは無理」と発言するのは当然なのである。
更にそのままの形での工事をやると5年かかってしまうため、神宮球場で行われているアマチュア野球(全国高校野球の東東京及び西東京代表決定大会及び大学野球リーグ)を他所でやらざるをえないが、都内には神宮以外で5000人の固定席分がある屋外野球場が存在しないだけでなく、東京ドームを使うにしても使用料の問題や社会人野球と全国高校野球がスケジュールとしてぶつかってしまうことになってしまい、スケジュール調整によって読売ジャイアンツにまで迷惑をかけることになってしまう為、現実的ではない。
そして、重要なのはこの神宮再開発は明治神宮の存続に関わる重要なプロジェクトでもある為、新神宮球場をアマチュア専用(地方球場化)にする案が上がらないのは、スワローズを離れさせると利益が多く取れないことが最大の理由とされている(現時点でもプロ野球の興行収入が明治神宮の稼ぎ柱の一つとなっている為、それを依存する以上はスワローズに頼る以外の方法はない)。なので、環境活動家の行動は自分たちの主義・主張を感情で押し通そうとする迷惑な人間と同様なのである。
野球以外のイベントでの使用
女性アイドルグループ・乃木坂46が2013年から明治神宮野球場で「真夏の全国ツアー」のラストを明治神宮野球場で飾るのが恒例行事となっており、メンバーにとってもファンにとっても「聖地」となっている。(なお、2020年、2021年は開催しておらず、2022年に約3年ぶりの凱旋を果たした。)