シュラ・サーペンタイン「君は美しい。月光のワルキューレ…!」
概要
『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』のシュラ・サーペンタインとアグネス・ギーベンラートの男女カップリング。
アグネス・ギーベンラートは、MSパイロットとしては非常に優秀だが非常に素行に問題ありな女性で、MSパイロットとしてだけでなく女子としても並外れた強いプライドを持ち、「男ならみんなわたしのこと好きなはず」と語っている=「自分は誰からも愛される資格がある」と思い込んでいる。
はっきりいって彼女の性格は世界平和監視機構コンパスでも不和を撒き散らしており、あろうことか終わらぬ戦火と仕事の忙しさでラクス・クラインとの関係がギクシャクしていたキラ・ヤマトに言いよったことで彼から毒虫を見るような目(小説版の表現)を向けられてしまう。
女としてのプライドを傷つけられたアグネスは、精神が不安定になったまま港を彷徨っていた折りに、偶然出会ったシュラ・サーペンタインに「わたし、綺麗?!」と泣いて縋りつく。
ブラックナイトスコードのシュラ・サーペンタインは彼女を「利用できる」と踏み、「君は美しい。月光のワルキューレ…!」と呼び、口説いた。
かくして、アグネスはシュラに弄され、コンパスを裏切ってしまう…。
以下、シュラ・サーペンタインとアグネス・ギーベンラートの「本質」についてのネタバレあり
翌日の作戦中、ブラックナイトスコードによるマッチポンプで孤立したキラ・ヤマトのライジングフリーダムを、振られた腹いせも兼ね嬉々として攻撃。
駆け付けたアスランのズゴックにバックパックを破壊され自力飛行ができなくなるが、ブラックナイトスコード シヴァに乗るシュラに手を差し伸べられ、アグネスはその手を取り戦線を離脱する。
最終決戦ではアグネスはブラックナイトスコードと共に出撃し、インパルスSpecⅡを駆るルナマリア・ホークと闘う。
アグネスの裏切りをここで初めて知った彼女と口論になりながら戦うが、アグネスは「シュラだけが私の事をわかってくれた!!」とすっかり彼に肩入れしており、観客はああ、これはアグネスもこれまでの桑島法子ヒロインと同じく悲劇的な末路を迎えるのだろう…と、思っていたのだが、シュラ・サーペンタインが「最強の敵」と認めたアスラン・ザラとの戦いの中でシュラの意外な事実が発覚する…。
様々な精神干渉能力を持つ「アコード」であるシュラは戦いの中アスランの思考を読んで優位に立とうとするが、そのことを予見していたアスランは、わざと戦闘とは関係ないビジョンを脳裏に浮かべてシュラを混乱させる。
それは、裸のカガリ・ユラ・アスハがキスを迫るというとんでもないビジョンだった。
シュラ「う、うわああああ!? き、貴様…神聖な戦いの場で何という破廉恥な妄想を!!」
観客(…こいつまさか童貞か…?)
アグネスの性格、また時間的余裕から考えても、チャンスはあったのにシュラはアグネスに手を出さなかったのだろうか?
しかし、アグネスは別に以前からファウンデーション王国と通じていたわけではなく、シュラもアグネスの異名『月光のワルキューレ』の事を知ってはいたがその実本人とは初対面である。その辺りの事情も考えるとシュラはオルフェ・ラム・タオと比べてマトモ過ぎたのだろうか。
アグネスはシュラに手を出されていなかっただろうに、彼の事を決して悪く言わずに虚飾に隠された自分の本心、弱さをルナマリアにさらけ出した。
言うまでもなくシュラはアグネスを利用する目的でコンパスから引き抜いた(小説版の地の文でそう書かれている)のだが、アグネスは手を出されなかったことでかえって「シュラは他の男とは違う、彼だけが優しくて私の事を分かってくれるイイ男だ」と盛大に勘違いしてしまった可能性がある。
結局、シュラはアスラン・ザラに敗れ命を落とし、アグネスはルナマリアに諭され「シュラしか自分を理解してくれる人はいない」というのがただの思い違いでしか無かったと気付いた。
最終決戦の後、アグネスがシュラの死を知って何を思ったのかは劇中では描かれておらず、観客の想像に任されている。