概要
既存の漫画・アニメ・ゲームのキャラクターを描いたイラストや、それらに独自の設定や脚色を加えた漫画などを指す、英語圏における二次創作の総称。
海外では小説作品を「ファンフィクション」、イラスト作品を「ファンアート」と称することが多い。
注意
最近になって、二次創作・ファンアートに該当する作品がオリジナルランキングにランクインするという現象が目撃されている。300位の内、数作品は「ファンアート」に該当しているのが現状のオリジナルランキングになっている。
それに加え、創作的な意味のオリジナルイラストを書いていたとしても、版権イラストと一緒にまとめイラストとして投稿し、表紙を版権イラストにしている場合は検索妨害になりかねないだろう。
女性向けの旬ジャンルや人気作品の場合は、時間帯にもよるがイラストを投稿した翌日に入っているケースも存在する。特にpixivランキングの仕様を知らずにオリジナルのチェックを入れ、ランキングに入っているケースが非常に目立っているかもしれない。
ピクシブのオリジナル作品ランキングは、版権に依存しない創作(ピクファン・ピクロボやテーマ企画、公式企画)や版権元から許可を得て公開している仕事絵(ヴァンガードご本人等に代表されるTCGで使用されているイラスト原画やソーシャルゲームで実際に使用されているイラスト、商業小説の表紙絵等)、原作者及び漫画家ご本人による告知や宣伝用のイラスト等がメインの専用ランキングと考えた方が良い。
実在創作とファンアートの呼称と二次創作における誤解と問題点
芸能人やアイドル、実況者、歌い手、踊り手、動画投稿者及びバーチャルYouTuber(VTuber)の似顔絵をファンアート(二次創作)と考える言説があるが間違いである。
(VTuberについては「ガワ」の作者の二次創作とも言えるが通常はガワの作者のファンではなく中の人のファンと思われる)
おそらく「ファンアート」という英語の直訳から短絡的に「ファンによるアート」→「芸能人の似顔絵もファンによるアートなので二次創作!」と連想したのかもしれないが、単なる人物画である似顔絵などと二次創作は別物である。
『「似顔絵」という響きはダサく昭和臭があるし、それより「ファンアート」って響きの方がカタカナ横文字でカッコイイ!』くらいの軽い動機だったかもしれないが同調圧力に弱く右へならえの国民性ゆえか誰か一人が言い出したきっかけで誤解が広まったのかもしれない。どちらにしても間違いは間違いなので実在人物の創作物には「ファンアート」は使わず、「似顔絵」、「オリジナル」、「一次創作」などのタグが無難である。
大前提として「生きている実在の生身の人間」は「創作物」ではないためいくら似顔絵などを描いても「二次創作(ファンアート)」にはなりようがないし著作権違反とはならないため合法である。
似顔絵などは多くの場合、動画や写真などの画像媒体を参考に描かれることが多い。
実在人物を描いて著作権の問題となるのは写真をそのままトレスしたり模写した場合であり。構図や演出などの創作性がなくその写真の著作者の持つ著作権を侵害することになる。
写真模写であっても証明写真などのように機械的に撮影され、撮影者の思想や感情や意図が反映されていないものには著作権は認められない。
写真の撮影者の工夫による独創的な要素を残したまま二次的な創作作品を作った場合のみ二次創作として扱われる。
その場合も写真に写った人物は芸能人であっても、あくまで「被写体」であり写真の著作権者ではない。
写真の著作権は被写体ではなくカメラマン(撮影者)のものである。
コマ撮り写真の集合体である映画やドラマなどの映像媒体においても同様で作品の権利者は監督や撮影者や制作会社などであり、俳優は被写体として作品を構成する一要素に過ぎない。
二次創作(ファンアート)というのは著作権の問題であるので被写体本人には関係がない。
写真などを参考にし人物の顔形などの客観的特徴を捉え似顔絵などに描き起こすことは合法であり著作権侵害にはならない。
純然たる人物画の系譜であり一次創作物となる。
ピクシブガイドラインによると(https://www.pixiv.net/terms/?page=guideline)ピクシブ独自規定により小説においてのみ『実在する人物(芸能人、配信者等)を題材とした作品』は『表現内容の変更対象となる事例』という扱いでオリジナル扱いから除外される旨が明記されているが、実在人物のイラストやマンガについては不問となっている。
イラストなどにおいては同ガイドラインでも実写画像の投稿が禁止とあるだけで実在人物の創作については特に言及されていないためオリジナル作品の除外規定は小説部門だけの措置とみられる。
それらガイドライン上でも二次創作だからオリジナルではない、といったロジックではなく一般的にオリジナルであるものをガイドライン上で二次創作であるとするのは無理であるためか、あくまで『表現内容の変更対象となる事例』としたところに運営側の「苦肉の策」が覗える。
このようなジャンル分けに小説とイラストで定義が異なることはありえないため「苦肉の策」により規約が改定されたようである。
ちなみに同様に実在人物を題材とした小説作品でも『歴史上の人物、出来事を題材とした創作』はオリジナル作品として同ガイドラインで判定されるため現状ダブルスタンダードとなっている。
歴史上の人物には当然ながら芸能人なども含まれる。
歴史上の人物=実在人物であるため登場人物が現代人か過去の人物かで作品自体の本質は変わらない。
例えば執筆中に当該実在人物が事故や病気などで亡くなる、ということもあるだろう。
しかし、だからと言ってその作品が一次創作物か二次創作物かどちらであるかのジャンル判定自体がくつがえることは通常ありえない。
そもそも実在人物作品の場合、一人が亡くなってても他の登場人物は生存中、という場合だってありうる。
該当人物が亡くなっても時間が経ってもオリジナルはオリジナルであり、二次創作は二次創作である。
実在人物を扱った作品群それらをオリジナルではない、と定義するのは無理がある。
ピクシブ運営によるガイドライン変更は運営側の一方的事情による「苦肉の策」に過ぎず、一般的な常識とは乖離している。
これらの規約改定の背景にはピクシブ文芸での対象作品でない二次創作の誤爆が相次いだためとの説がある。
どちらにしても実在人物の創作作品は二次創作ではないので本来ならオリジナルランキング対象である。
ピクシブ文芸は商業出版社とのタイアップ案件だったためか、これらの事件の余波により運営が「大人の事情」で小説作品をオリジナルジャンルから排除するための苦しい落としどころとして上記のような苦しいガイドラインとなったと思われる。
一方、ニコニコ静画においては「創作」・「ファンアート(二次創作)」・「殿堂入り」の三つのランキングがあるが、オリジナルや一次創作作品が対象の「創作」ランキングには「似顔絵」も投稿の対象となっており二次創作ではなく一次創作作品としてランキング集計され、二次創作(ファンアート)とは明確に区別されている。
ニコニコ動画の配信者や生主(ナマヌシ)などの似顔絵もオリジナルと同じ「創作」ランキングの対象である。
一次創作オンリー同人誌即売会コミティアやJ・GARDENでは従来より歴史や芸能人、歌手、RPSなど実在人物の同人誌での参加が可能となっていて政治家や有名人などを扱った本を発行するサークルもよく見られる。
それらを踏まえた上で実在人物を扱った作品にオリジナル(及び創作)タグを付けても何ら問題はない。
ピクシブでは小説にのみガイドライン上の規制があるが、あくまでピクシブ独自の便宜上の変則的な線引きであり、イラストや漫画などにおいてはもちろん問題ない。
描かれた本人の許可の有無や生存中か否かで作品そのもののカテゴリやタグ付けの内容に影響を及ぼすこともない。
追記
公式企画としてファンアートのイベントが行われている際に、オリジナルランキングに該当のイラストが出ていた場合、これに関しては検索妨害と指摘される事がある。この場合は適切な対応をお願いしたい。
関連タグ
ファンフィクション:こちらは主に小説用のタグだが、使用例は非常に少ない。
一次創作:ファンアートとは対をなすタグ
ピクファンアート:pixivファンタジア専用のファンアートタグ。
ランキング:もしも、このタグが付けられているイラストがオリジナルランキングに入っていた場合は、こちらの記事を参照してほしい。