亜内武文
あうちたけふみ
人物
ゲーム『逆転裁判』シリーズに登場する検事。初登場時52歳。身長164cm。
基本的に「ゲームのチュートリアル用のやられ役検事」として第1話に登場する。
第1話は探偵パートが無いため、基本的に法廷でしか彼と出会う場面はない。
容姿
グレーのスーツに、後退気味の生え際と眼鏡という、非常に地味でパッとしない見た目で、貫禄が無い。身長も160台と小柄。
『3』にて語られる「成歩堂龍一が弁護士になる前の話」では、緑のスーツにリーゼントと大分、気合の入った格好で登場するが、裁判での屈辱的な敗北によるショックから、その場で急激に大量の髪が抜け落ちてしまい、現在の薄毛頭へと変わり果てた。
『3』から7年後の『逆転裁判4』では、まるで落ち武者の様な髪型&黄色いスーツ姿になって登場する。
能力
検事としてはベテランなのだが、名前を忘れられる事も度々あり、検事である事すら知られていなかったりもする。現に、作中で成歩堂や御剣にも忘れられていて、出会う度に口にこそ出さないが、内心では「この人は誰だ?」と反応している。これが影響して、2人の亜内に対する発言も、他人行儀に終始している。
検事としての能力も、押しが弱いせいで、簡単に状況をひっくり返されがちな上に、“異議あり!”の声もやけに甲高く、どこか頼りない。そして裁判の後半になると、真犯人vs成歩堂の対決になるので空気と化す。
推理も粗が多く、お世辞にも実力があるとは言えない(こればかりは、チュートリアル担当である事の都合もあるだろうが)。
『検事2』での言動を見る限り、逮捕を急ぐ余り、その場の状況証拠などから大した裏取りもせず、容疑者を断定しており、そこら辺も実力の無さの一因となっているのかもしれない。
ただし、証拠や証言の捏造などの、不正を行っている描写は無いので、何気に『逆転裁判』では、癖も無ければ悪辣な手段も取らない貴重な人物。多少、嫌味な面はあれど、割と良識を備えた、まともな検事であると言える。
(不正を行っていないと言う点では、御剣も同様だが、初期の御剣は証言の操作などグレーなやり方も多く、本人は直接関与していないが、間接的に不正な証拠による有罪判決を出している為「現状、最初から最後まで不正を行っていない」という点で言えば、亜内と響也ぐらいなものである)
検事になってから7年間は無敗だったらしく、『3』第1話の頃は「新人潰し」の異名を持ち、今と違って大きな態度を取っていた。
この頃は、被告人への疑惑を裁判長に強く印象付けるなど、態度や自信のみならず、実力もそれなりに備えている。
活躍
『無印』では成歩堂龍一の初法廷、『2』では記憶喪失の成歩堂龍一の法廷、『3』では綾里千尋の2回目の法廷、『4』では王泥喜法介の初法廷にて事件の担当検事として登場するが、どの審理でも敗北を喫する事となる。
『無印』ではエンディングクレジットのインタビューにも登場している。成歩堂のデビュー戦で対峙した事もあってか、「彼は私が育てた様なもの」と自虐を交えながらも、どこか誇らしげに語っている。一応ここでの経験が後の裁判に役立ってくるので、間違ってはいないのかもしれないが。
『3』では第2話と第3話にも登場するが、作中では赤スーツのヒラヒラ検事、復讐に燃えるムチムチ検事、謎の仮面をつけたコーヒーごぶごぶ検事、ロックミュージシャンのジャラジャラ検事‥‥と、主人公の前に立ちはだかる彼らの活躍によって、彼の存在は基本的にその影に隠れがちとなっている。
『無印』にて、彼らしきモブキャラ「ケンジ」が、上級検事執務室前の廊下の端にて登場する他、『2』では検事局長のお供として登場し、事件の証拠品のテープレコーダーに彼の声が入り込むという形で、少しだけ事件に関わる事となる。
余談
実は『1』の企画初期から存在していたキャラクターであり、当初は弁護士役であった。その頃からキャラクターデザインは殆んど完成していた様で、『1』でのグラフィックは、既に描かれていたグラフィックを左右反転した物を、ほぼそのまま使用している。
またゲーム自体のストーリーも「余りにも情けない弁護士(後の亜内)の代わりに、主人公の探偵(後の成歩堂)が弁護を担当する」という筋書きだったらしく、当初は味方のキャラクターとして想定されていた事が窺える。
裏設定によれば『4』では散々、煮え湯を飲まされた成歩堂が法曹界から消えて、やや調子に乗っているらしく、着ているスーツの色は「黄金色にも枯葉色にも見える色」と設定されている(別ベクトルで「調子に乗った」様を表現した没案として、でっぷりと肥え太ったデザインも提案されていた)。
また、特徴的な髪型はスタッフが「丸坊主の亜内のイラストに髪を描き込んでいく」という形式のコンペを開いて決めたらしく、採用された案の横には「禿げたから伸ばした」と書かれている。
パチンコの『CR逆転裁判』では、検事リーチというものがあり、他の検事達のなかで最後尾に立っており、彼が選ばれると大当たり確定の演出となる(パチスロの初代北斗の拳のアミバに近い)。