概要
『逆転裁判』シリーズに登場する検事組織。
警察とは上司・部下関係にあり、検事は刑事の給与査定に関与している。そのため、現場の刑事の失態などについて担当検事が減給処分を下すという展開も多く、「来月の給与査定を楽しみにしておくことだ」というセリフがシリーズの定番となっている。しかし警察局長が検事以上の権限を持っていると思われる描写もあり、警察との詳細な関係は不明。
人事によっては警察局の捜査官から検事になったり、弁護士から検事になるという例もある。(警察は司法試験に合格しなくてもなれるが検事は合格する必要があるため設定としては矛盾している)
検事局においては年ごとに最も優秀な検事に贈られる賞として「検事・オブ・ザ・イヤー」がある。
所轄署が逮捕した被疑者を無理に仮説を立ててでも起訴する。誤認逮捕が発覚してもなぜか検事側は責任を負うことがなく、責任は刑事側に一方的に押し付けられる。現実世界の検察は被疑者が本当に真犯人なのか慎重に判断し、嫌疑不十分なら不起訴にするのでこのような事態は多発しない。
非常に高圧的な態度をとる検事が多く、証拠の隠滅や弁護人への暴行を行う検事が複数いるなど、まるで悪の組織のように描かれている。
『逆転裁判(無印)』時点では20歳で就任した御剣怜侍が日本で最年少の検事だったが、『逆転裁判2』以降の作品では狩魔冥(『2』当時18歳)、牙琉響也(就任当時17歳)、一柳弓彦(就任当時17歳)のようにそれより若い検事が就任している(ただし、冥と響也についてはアメリカで検事資格を取得したことが示されている)。
海外の検事が活動するほか、御剣も海外出張を行っており、海外の司法機関との結びつきは強い。定年については不明だが、『逆転裁判(無印)』時点で65歳の狩魔豪は現役で活動している。
現実同様、検事には秋霜烈日のバッジが配布されているが、劇中では弁護士と異なりほとんどの人物がつけていない。これについて巧舟は「この作品の法制度などはフィクションである」「あの世界ではバッジをつけないのがオシャレ」と解説している。御剣については『検事』シリーズでポケットに入れて持ち歩いていることが判明している。
収入についてははっきりした記述はないが、蘇る逆転では御剣についてかなり高給であることが示されている。
関係者
『逆転裁判』シリーズの主要人物で、主人公成歩堂龍一のシリーズ通してのライバル検事。『逆転検事』シリーズの主人公でもある。
冷静沈着にして頭脳明晰だが、不器用でやや天然な一面もある。責任感が強く、他人以上に自分自身のミスは許せない性格。
ゲームのチュートリアル用のやられ役検事。
検事としてはベテランなのだが、いまいちパッとせずどこか頼りない。
検事に就任して以来、40年間もの無敗記録を今なお更新し続ける検事局の生ける伝説。御剣の師でもある。
異常なまでの完璧主義者で、まさにプライドの塊のような人物である。
地方検事局主席検事。
宝月茜の姉で御剣の上司。また、成歩堂の師匠である綾里千尋の大学時代の先輩にあたる。
故人。西部劇に出てくる保安官のような服装をしている。
生前は優秀な検事であり、狩魔豪を抑えて「検事・オブ・ザ・イヤー」を受賞したこともある。
『逆転裁判2』におけるライバル検事。
狩魔豪の次女で、父親の下に弟子入りしていた御剣とは兄妹弟子の関係。
トレードマークはムチで、気に入らない相手はよくしばき倒している。父親同様に完璧主義者だが、完璧な勝利に拘り過ぎるあまり墓穴を掘ってしまうことも多い。
『逆転裁判3』におけるライバル検事。
本名・年齢・経歴が一切不明な謎の検事。成歩堂を「まるほどう」と呼んで一方的な敵意を見せている。
コーヒーを何よりも好んでおり、裁判中にも飲んでいる。
検事局きっての肉体派検事。
地方検事局の上級検事で、同じ上級検事の御剣怜侍とは執務室が隣同士。
一条美雲の父親。作中では既に故人。
生前は優秀な検事であり、盟友の馬堂一徹刑事には新人の頃から世話になっている。
17歳の新人検事。
その能力は一般の検事レベルに達しているとは言い難く、知識面にも問題がある(あの矢張政志にすら真顔でバカ呼ばわりされるほど)。
根は純粋かつ年齢以上に幼さのある少年。
検事審査会会長。元検事局長。
一柳弓彦の父親で異様に涙もろく、一見してみると親馬鹿だが、元局長なだけあって頭がキレる。
『逆転裁判4』におけるライバル検事。
弁護士の牙琉霧人を兄に持つ。警察関係者で結成された人気ロックバンド「ガリューウエーブ」のリーダーでもある。
チャラい見た目のわりに真面目な性格で、有罪判決を勝ち取ることよりも、事件の“真実”を明らかにすることに重点を置いている。
『逆転裁判5』におけるライバル検事。
「検事」でありながら、殺人罪で投獄されている囚人。その矛盾した肩書から法曹界の歪み、通称「ユガミ検事」と呼ばれる。心理学を応用し、心証を自分の有利な方に持っていく「心理操作」という法廷戦術を得意としている。
「ギン」という名前の鷹を飼っている。
亜内武文の弟で、かつて兄を何度も打ち負かした成歩堂に対して復讐を目論んでいる。
逆転裁判6では日本の法曹界を追放されたようで、流れ着いたクライン王国で何と主席検事になっている。
地方検事局
作中の地方検事局は地方警察局・警察署とは車で30分の位置にあり、やや離れている。
12階上級検事執務室・1202号に御剣怜侍のオフィス、その隣の1203号に優木誠人のオフィス、階は不明だが上方に防音が完璧な牙琉響也のオフィスがある。また、全ての執務室には公判中の重要な資料や証拠品を入れておく為の隠し金庫が備え付けられている。
地下駐車場では、多田敷道夫の遺体が所属検事(御剣)の車のトランクから発見されるという事件が起きた。
2000年~2007年頃には一柳万才が検事局長を務めていたが、2016年以前には引退し、以降は別の人物が局長を務めたが小中大の脅迫により成歩堂を緊急逮捕させたり(1-2)、御剣を担当検事として呼び付けた後自分だけ特例を用いて帰宅したり(k2-1)と、あまり良くないイメージで描かれている。2026年には御剣怜侍が検事局長に就任した。
検事審査会審議室は当初検事局内にあったが、2019年頃にビッグタワー50階に移転した。
現実では
かつて、大日本帝国憲法下の裁判所構成法のもと、検事の配置されていた官署として存在していたが、現在は「検事局」という組織はない。実在する組織は「検察庁」である。
おそらくフィクションとして分かりやすくするためのものだと思われるが、誤解のないよう。
また、実際の検事は刑事の上司でもなんでもない。全く別組織の職員であり、当然上下関係は無い(ただし、捜査について検察が警察に対し一定の指揮権を持つこと自体はある)。