概要
CV:『4』本編:山本亮治/『4』PV、『5』:楠田敏之
『逆転裁判4』で初登場した王泥喜法介のライバル検事で、24歳(『4』時点)の男性。同じく『4』で登場する弁護士の牙琉霧人は彼の兄にあたる。検事であると同時に、警察関係者で結成された人気ロックバンド「ガリューウエーブ」のリーダーでもある(ボーカル・ギター担当)。留学先のアメリカにて、若干17歳で検事の資格を取得した天才であり、歌の方もデビューと同時にミリオンヒットを飛ばしている。
現在判明している彼が作成した曲は「Love Love Guilty」「恋の禁固刑・13年」「恋するギターのセレナード」(この3曲はメロディーと歌詞が判明している)
「恋はアトロキニーネ」「私のカレは検察側証人」「恋の特赦免責条項・和解編」。やたらと「恋」が付く名前である。因みにアルバム名は「つかまえちゃうぞ」。他にもっとマシな名前あったろ。
主要人物への呼び方は、
王泥喜法介→「おデコくん」(稀に「王泥喜法介」)
成歩堂みぬき→「お嬢ちゃん」
成歩堂龍一→「成歩堂弁護士さん」
希月心音→「お嬢さん」
宝月茜→「刑事くん」(しかし実は茜より響也の方が1歳年下)
となっている。
英語版での名前は 「Klavier Gavin」。
Klavierはドイツ語でピアノ、Gavinはウェールズ語で鷹を意味する。
英語版では留学先がアメリカではなくドイツという設定になっており、王泥喜のことも「おデコくん」に値する「Herr forehead」(foreheadは英語でおでこ。Herrはドイツ語の男性の敬称で英語のMr.にあたる)というドイツ語と英語を混ぜたあだ名で呼ぶなどドイツを意識した設定が多い。
主な特徴的なモーションは前屈み、指パッチン、エアギター(音つき)。エアギターは見える人にはギターが見えるらしい。ダメージを受けると両手で耳を塞いで苦しむ(その際にもダメージ音としてエレキギターの効果音が鳴る)。『4』の最終話でしか見られないブレイクモーションは、全てをやり切ったかのように笑顔で呆然と立ち尽くすという仕様で、表情は髪に隠れて見えなくなる(モーション名は「燃え尽きたぜ」)。
また、往来の弁護士及び検事キャラ恒例の法廷の机を叩くモーションはなく、代わりに後ろの壁を拳で叩くという少々攻撃的な仕様になっている。
容姿
褐色肌でドリルのような垂れ下がった金髪と青い目が特徴。17歳の時は短髪であった。
その容姿は兄の霧人と瓜二つである。しかし前髪の形や肌の色で若干違いが判る。
性格
クールでキザな台詞回しが多く、鎖をはじめとしたアクセサリー類を多数身に着けており、宝月茜からは「ジャラジャラした検事」と陰口を叩かれ、毛嫌いされている。しかし、見た目のわりに真面目な性格で、バンドメンバーの眉月大庵曰く「うっとうしいほど真っ直ぐな奴」。ライブでも少しでもミスをすれば怒り、予想外のハプニングが起こると動揺してスタッフにキレるなど子供っぽいところも。また、有名芸能人の割にはお金にシビアでケチな一面も合わせ持っている。“検事”としての彼も至って真面目で、複数の裁判を同時に担当するほか、有罪判決を勝ち取ることよりも、事件の“真実”を明らかにすることに重点を置いているため、弁護士と無駄に張り合うようなことはせず、協力的なタイドをとることもある。これは、学生時代の恩師である道葉正世の影響が強いようだ。ちなみに、『4』のエピローグの時点で「ガリューウェーブ」は解散しており、それからは検事の仕事に専念している模様。
逆転裁判4
第2話の人情公園にて初登場。王泥喜の師匠である霧人にそっくりであったこととその端正な容姿で王泥喜とみぬきの2人は目を見張った。
その後の裁判において霧人の弟である事が判明。検事である一方、「ガリューウエーブ」という人気ロックバンドのリーダーであった。
この事件の真犯人が誰であるか気付いており、王泥喜に対して遠回しにヒントを与え、真相へ導かせた。その為追求されても自身が負けてもダメージを受けず涼しい顔をしていた。
プレイヤーは強キャラという印象を持った事だろう。
しかし次の第3話にてそのイメージは崩れ去る。
王泥喜とみぬきの2人をガリューウエーブのライブに招待するが、(しかし代金はきちんと取る。ケチなロックンローラーである)そのライブ中に突如自身のギターが燃えるという事態が発生。
その時の必死の消火活動と楽屋でのブチギレシーンは「あ、やっぱコイツ弟キャラだわ」と思わせるような面倒くさい子供と化していた。
事件発生後もメンバーである眉月大庵がライブ中にミスをしたという理由でキレるなどとかなり荒れていた。本性は大庵曰く「欝陶しい程真っ直ぐな奴」と言わせる程のクソ真面目という彼の心の表れではあるが。
話が進むにつれ、彼が成歩堂龍一の弁護士資格を剥奪した張本人である事が判明する。
成歩堂の事を「薄汚い弁護士」と毛嫌いしているが...
4の真相
彼の検事としてのデビュー戦は、みぬきの実父・奈々伏影郎の裁判。弁護側の相手は成歩堂龍一だった。成歩堂はこの裁判で「弁護士バッジ」を失う事となったが、これは、響也が「弁護側が『不正な証拠品』を法廷に持ち出した」と、成歩堂を告発したことが原因。
まだ検事として未熟だった響也が事前に「弁護側が『不正な証拠品』を用意している」ことを知っていたのは、この裁判の前任弁護士だった牙琉霧人が、「弁護士側が『ニセモノ』の証拠品を使う」という「情報」を、裁判の前日、響也にリークしたため。この法廷は、もともとは牙琉兄弟のはじめての対決となるはずだったもので、初めての法廷を正々堂々と戦いたいと考えていた響也は、霧人に被害者の遺留品の貸し出しも認め、調査資料も把握させようと、すべて彼に見せていた。
「ニセモノ」の証拠品を用意したのは兄の霧人であり、彼はそれをつかってこの裁判に勝とうと企んでいた。しかし、依頼人の奈々伏影郎が、裁判の前日になって急遽、ある理由により成歩堂に弁護士を変更し、それが霧人の逆鱗に触れることとなった。霧人は、自分が用意した「ニセモノ」の証拠品を「ワナ」として利用して成歩堂を失墜させようと仕組み、その結果、彼の思惑通りに成歩堂は「ワナ」の証拠品を提出してしまったことにより、「弁護士バッジ」を剥奪されることとなった。
響也自身も、裁判のウラで何らかの思惑が働いていたことは感じており、初めての法廷を台無しにされたことを、ずっと悔やんでいた。
そして兄が「ねつ造」された証拠品を利用して成歩堂を陥れ、自身のプライドを傷つけた奈々伏影郎への復讐を企てたこと、不正な証拠品の作成に関わった絵瀬親子を口封じのために殺害しようとしたこと。全ての「真相」を知り、響也は苦しむ。
「頼む!これ以上..何かを疑って法廷に立つのはゴメンだ!」
しかし王泥喜の未熟ながらも必死に真相を突き止めようとする姿を見て苦しみを捨て去り、自身の名誉も全て捨て去る覚悟で兄・霧人に立ち向かった。
全ての決着がつき、自身が負けた事を受け入れられず叫ぶ兄に対し、吹っ切れた表情で「もう..終わったんだよ、アニキ」と言い放ち、完全に見限った。
その後、今回の事件をきっかけに検事に専念する事を決め、自身のバンドを解散した。
逆転裁判5
第3話にて登場。「私立テミス法律学園」の卒業生である事が明らかになった。作中では直接触れられてはいないが、『逆転検事2』に登場した一柳弓彦とは同期となる。学園祭で開かれる予定だったイベントや特別講義のゲストとして登場する予定だったようだが、恩師である道葉が殺害される事件が起こり、その真実を追求するために、弁護士の希月心音・王泥喜と協力する。
前作での成歩堂との誤解は解け、和解した様子。
因みにこの話で逆裁ファンの中での定番ネタである弁護士バッジを彼に突きつけると「どうしてきみたちはそうやって弁護士バッジを突きつけるんだい?」「おデコくんや成歩堂弁護士さんも何かと突きつけたがるみたいだけど」というまるで操作しているプレイヤーに聞いているのではないかと思う程のメタい質問をしてくる。それに対しての心音の回答も必見。
スペシャルコンテンツ「クイズ逆転推理」にも登場。王泥喜とペアを組み、彼と共にクイズ探しに協力する。
その時、逆転裁判シリーズ定番のキャタツとハシゴネタがあるが、
響也も王泥喜と同じく「ハシゴ」と言っていた。
「いやぁ、見てたよ。おデコくんにハシゴの才能があるとはね!」
逆転裁判6
今はもう手に入らない数量限定特典のダウンロードコンテンツ「遊べる!逆転劇場」の王泥喜編にゲスト出演。クライン王国から来日したレイファ・パドマ・クラインの接待役を務める。
ここで初めて「ドリル頭」と呼ばれた。
従来、法廷パートで何度も失敗すると「相談する」コマンドが発生し、パートナーからヒントを貰える事ができるシステムがあるが、今回のパートで相談すると「たまにはぼくと相談するかい?」と言われ、検事側である響也が弁護士の王泥喜にヒントを教えてくれるという立場ガン無視の展開が見れる。
検事からヒントをもらえる相談コマンドは『逆転裁判5」『逆転裁判6』の中でもこの話のみ。
響也がいかに勝負やメンツよりも真実を重視する検事かが垣間見える。
不運な体質
かなり不運な体質を持つ人物でもある。
逆転裁判4では
- 帰ろうとしたらバイクが壊れて修理屋に行く羽目になる
- 静寂なバラードの演奏中、弾いていたギターが突然燃える。この件がきっかけとなり、“炎上男(物理)”として事あるごとに逆裁キャラは勿論、ファンや中の人にまでいじられ続けられることになる。
- 3話で犯人にバイクとギターケースの鍵を盗まれ、ギターケースを破壊する羽目になる
レイトン教授vs逆転裁判では前作でギターや旗を燃やされたのがネタになったのか、炎の竜を呼び出す呪文に自身の苗字が使われる。(しかもご丁寧にアニメムービー付き)
その魔法「ガリュウ」は通称「大炎竜の法」であり、「業火より巨大な竜を呼び出して召喚者の意のままに操り、街を壊滅させる威力を持つ」というどう考えても出る作品を間違えたとしか思えないレベルの内容であった。
逆転裁判5では
- 恩師が殺される
- ギターに続いて今度は高級生地で作られた自分のバンドの旗が燃やされる
- 自分の形をした石膏像が破壊される
逆転裁判6では
- 早期購入特典と回想以外出番なし。出番なし!
- 新キャラクターの検事ナユタ・サードマディに「王泥喜のライバル検事(しかも彼らに至っては成歩堂と御剣ペアのような幼馴染というオマケ付き」と「宝月茜の上司」という立ち位置を両方奪われたばかりか王泥喜と宝月も2人揃って彼の出身であるクライン王国に行ってしまい、逆転裁判4からの人間関係を一つ残らず断ち切られる
- 断ち切られるだけならまだしも、王泥喜からは過去の「逆転裁判4」時の回想において「やっと依頼が来たと思ったら、おデコくん呼ばわりだよ」と、まるで響也との思い出そのものが嫌な思い出だったかのように語られ、茜からは彼女が出張先のクライン王国においてナユタの部下に配属された際に「せっかくあのジャラジャラ検事とオサラバできると思ったのに」とこぼされる(意訳すると「響也の元から離れられてよかった、もうアイツの顔を見ずに済むわ」と言われているようなもの)など、双方から散々な言われよう。
...響也、流石にキレていい。
しかし、そんな響也の『6』での待遇には流石に多くのファンから不評を買った為か、発売から約8年後の『逆転裁判456王泥喜セレクション』に付属する特典ドラマCDでは各キャラクターの彼に対する度を超えた発言や態度が大幅に改良され(ギター炎上イジリは相変わらずだが)、パッケージ裏には王泥喜のライバル検事として2人セットでドット絵が描かれるという破格の待遇を受ける事となった。
王泥喜の彼への態度も『456』本編と比べてかなり柔らかくなっており、往来の酷くつっけんどんとした言動から打って変わって終始嬉々とした態度で素直に好意的な感情を彼に伝える様になっている。また、ドラマCDの最後には、本編では叶わなかった王泥喜・響也コンビの“とある展開”も用意された。是非、自身の耳で確かめて頂きたい。
特典付録である王泥喜からの手紙(『6』本編最大のネタバレであるためクリア後に見る事を推奨する)、その最後の行には文字数が少々はみ出す様な形で「響也にも宜しく伝えて欲しい」という内容の一文が書かれている。響也が『6』本編で一度も王泥喜と対面する事が叶わなかった故の配慮であろうか。
また、『456』発売から半年後に公開された、逆転裁判シリーズ作品を紹介する「ナルホド!逆転TV!」では御剣怜侍の口から直々に「王泥喜のライバル検事といえば、牙琉響也だな」と紹介され、「王泥喜のライバル検事」としての過去の不遇な扱いを見事払拭した。
関連イラスト
関連動画
響也の中の人御本人がYouTubeにて逆転裁判のサウンドディレクターである岩元氏が歌う「恋の禁固刑13年」の合いの手動画を投稿している。
指輪や服装だけではなく、牙琉響也のイメージネックレスを身につけ、ギターを持ちながら紫色のペンライトを振るという徹底ぶり。
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火引弾...同じCAPCOM出身のキャラクターであり、かつ中の人繋がり。それらを意識してなのか、ストリートファイターVの弾のデフォルト衣装の15番目のカラーは髪から服の色まで響也そっくりになっている。しかし弾は響也とは真逆で大柄でムキムキな見た目かつ三枚目であるため誰だお前感がすごい。そのあまりの個性の強さに中の人繋がりでストーリーをプレイして衝撃を受けたファンも少なくない。
安室透...「姿が似ている」と逆裁ファンの間でひそかに話題になった某100億の男。髪や瞳の色だけでなく、ギターを弾ける点や複数の顔を持つ点もどことなく共通している。しかし信念においては響也は「真実」、安室は「正義」と正反対の考えを持っている。